「Art's Report site/ZAKKAYA PARIS

戸田昭子「雑歌屋パリ」

vol.23

[雑歌屋:日本からパリ パリモンパルナス劇場 ]

モンパルナス劇場の続きを。

劇場に入ると、あら、劇場受付の方々は、びしっと決めてらっしゃいます。もぎり嬢、プログラム売りベテラン嬢・氏のみなさんはハイヒールに制服です。 (すみません、私スニーカーです。)ディナーつき56Eの方々なのでしょうか、お客さんもなんだか決めてらっしゃいます。(日本の普段着程度ですが)

一番良い値段の席なので当然一階。前から5列目。前過ぎでした。馬蹄形劇場といってよいのでしょう。3階まであります。一階は約15列、一列に20席とまではいかなくても、10席以上はあるでしょう。15かける15として?計算できない?200以上の席があります。もしかしたら300席あったかも。 。・・・・後ろのほうで見ても十分、気分よく把握できる距離です。とてもこじんまりしています。一階の一番後ろでも日本の大きい劇場の10列目にも満たないくらいと確信します。あとから見たらなんと700席もあります。座席の間がせまくて、私の足でも、足が組めない状態なのです。(でも、もっと狭い劇場もあります。 )

日本で見に行ったホール(アートピア)が724席でしたが、ここは、見上げると天井はるか、まるで広野でした。なにせ、新幹線並みに通路が広い。なにか、日本のホール設計に基準があるのでしょうか!?同じ収容数でも、どの客席も手にとるように見回せるほうが、やるほうもみるほうも楽しいと思うのですが・・・・(なお、一列目にはお客さんを入れていませんでした)お客さんにゆったりと、というのもわかりますが、旅行するわけでなし、3時間の映画を見ることが決まっているわけでなし・・・(パリの映画館のいすは、劇場のいすよりずっと質がよいのです。 )

それにしても値段の高い席のせいか、平均年齢も高そう。なんというか、私の立場で来る感じじゃありません。たとえば16区に親の代から住んでいて(?)車で劇場に来るような・・・それはオペラの場合? ちとオーバーかもしれませんが、私には見分不相応な席を選んでしまったな、と思いました。私ごとき一般人は、天井桟敷の人でいいのです。

それにしてもやはりこのふたりは、よい!彼らの書いたスケッチは「お笑い」ですが、今回は別の人の台本による逸品の演劇。プログラム・台本(11E)・子供にせがまれてポスターを買って19Eなり。「みなさんが、お客さんみたいだとうれしいんですが」とプログラム売りのお兄さん。ふーむ、なるほど。パリジャンにとっては48Eの席も「とても高い」ので、それ以上出すわけがない、といってもよいと思います。(日本の5000円の演劇のチケットが普通、というのは、目が点になることでしょう。)ひと舞台おわって、軽い足並みで何度もカーテンコールに答えてくれます。ああ疲れたなんて所は、冗談でもみせません。これからもうひと公演あるのです。3ヶ月に渡って冷静に演じ続ける。プロだな、と思いました。

ところで、チケット制度、どうなっているのでしょう・・・日本でのチケットオンラインの制度では買う方はさらに「手数料」を払いますので、元のチケット代より高くなります。こちらも3Eばかり手数料がかかっていましたが、日本では500円以上かかっていたように思います。この割引制度ではさらに電話確認が必要でした。「この電話は有料です。私たちへの収入となります。と電話録音ではっきり言うので、好感がもてました。そして「40パーセント引き」なのですよ。日本の場合、買うほうもさらに費用を負担しますし、制度を利用してチケットを売るほうも、そのチケット売り上げから手数料を引かれます。つまりは、チケット代のうちの20パーセントくらいは制度の利用に回っているのではないかという気がします。

・・・・どこで誰が何を負担しているのか、こんどの「豪快な割引」をみて、ますます興味がでてきます。今回に限れば、フランスなら逆に言えば劇場で買う方が、高いのですから。当日券の値段は尋ねなかったので不明。あとからみたら子供はやはり10Eでよかった・・・勉強勉強。尊敬するアーチストに奮発しちゃったと思えばそれもよし。パリジャンはケチることから始まるのです。

日本の旅行でいろいろ発見しました。わからないままに日本の様子を嘆いていることもあります。日仏比較するのなら、まずは認識することからはじめていきたいと思います。
一ヶ月に一度は、芝居を見に行こうと思いました。 次は、当日5Eでコメディ・フランセーズにでもいってみようかな。

戸田昭子

雑歌屋

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