「Art's Report site/ZAKKAYA PARIS

戸田昭子「雑歌屋パリ」

vol.26

[雑歌屋:すべてはアヴィニョンから始まる ]

“すべてはアヴィニョンから始まる”

こんにちわ。雑「歌」屋です。
コンサート案内状を人づてに依頼したら「主催:雑貨屋」と間違えて書かれてむくれております。

アヴィニョン演劇祭の季節は夏。今年はお天気になるのでしょうか・・・あの、城壁に囲まれた
小さな町が、出る人と見る人でいっぱいになります。上演に携わる人はご存知かと思いますが、
用意は一年以上前からなされ、外部から来る人たちは泊まるところの確保にも必死・・・ホテル
はまだ空席があるでしょうか!?近くの郊外の一軒家を丸ごと貸し出す人もいます。郊外といっ
ても、車ならすぐですから、便利です。アヴィニョンに入るとき、駐車場を探すのに苦労する以
外は。

アヴィニョン滞在から10年たちます。そのときに、山海塾のアヴィニョン公演に携わったという
人にもお会いしました。公演終了後のレストランの食事で疲れていたこともあり、あまり話せな
いフランス語で話す気にもなれず、ご挨拶するだけで終わってしまいました。今だったら、もっ
と当時の様子を伺いたいところです。フランスの山海塾の人気は、アヴィニョンから始まったら
しい・・・それだけがわかったことです。

アヴィニョンのオンはおいてといて、「オフ」は、自分たちで制作する人たちが集まります。そ
の「作品」を「買ってくれる」劇場のディレクター探しでもあるのです。道端で公演しているコ
ミック(お笑い)たちも、プロデューサーあるいはディレクターの「眼鏡にかなえば」他のとこ
ろで上演する機会がめぐってくるのです。上演する機会というのは、すなわち、ギャラをもらう
「仕事」です。「ギャラ」の条件や金額は、最低金額が組合で決まっています。このギャラの数
がたまり、ある条件に達すれば、「フリーランスとしての失業を認める」システムになっていま
す。「プロになる」=「舞台人としての失業者」なのです。

話が横道にそれました。アヴィニョンでは、長期公演も可能です。若いタレントだけではなく経
験を重ねたタレント(才能)だってありあます。アヴィニョンは、演劇「市−いち」でもあるの
かもしれません。プロデューサーやディレクターが、「おもしろい才能はないか」「うちの劇場
にかける面白い作品はないか」と、よい商品を探しに来ているのです。山海塾は、おそらくよい
ディレクターとの出会いがあったのでしょう。ディレクター=「劇場の責任者」だから、ディレ
クターの持ち小屋で、作品をゆっくり作ることができるのです。その方法はいくつかあるでしょ
う。劇場が、練習場所を提供するだけでも大きなことです。宣伝をするのも劇場の仕事です。デ
ィレクターは、自分の責任でもって出し物と出る人を選ぶのです。・・・それが本来のディレク
ターの仕事です。少なくともフランスでは。アヴィニョンは、そんな人たちの出会いの場でもあ
るのです。

戸田昭子

雑歌屋

http://zakkayamusique.hp.infoseek.co.jp/