Art's Report site/ZAKKAYA PARIS

戸田昭子「雑歌屋パリ」

vol.7
「映画の中の光」

私は長年映画に興味を示さず生きてきた。それが、40歳にして、「チャーリーとチョコレート工場」で、突然開眼してしまった。俳優ジョニー・デップと監督バートンの魅力は尽きない。

大画面で見るとき、客席は、光を画面から受け取っている。これが舞台なら、実際照らされる同時進行のあかりというものがあるのに、映画では、画面上で「色」として目が捕えている。撮影現場では、照明の調節にも時間をかける。その結果がスクリーンに集約される。舞台と、映画はぜんぜんちがうものだ。とりあえず、ドルビーナントカの効果音には全身は包まれて音響は体感でき、耳を傷めるのでありますが、光は上から降っては来ない。

でも、バートンの色の対比は素敵だし、ジョニー・デップには何もいうことはないどころか、何をどういったらいいのか、言葉を見つけるのに苦労している。

東京には空がない、って誰のセリフでしたっけ。パリにも、空がありません。だって、車がすれ違える広さの道路でも、必ず両脇に歩道があり、そこからたいてい7階、8階立ての建物が連なっているのだ。道の分しか、視界は開けない。モンマルトルの丘にでも登らなければ、あるいは高層ビルへ行かなくては、空は把握できないのだ。

しかも現在の仕事は地下で、何時に夜になるのかも知らないという生活だし、

なんか、ますます光を忘れていくなあ、私・・・

田舎へいったときには、何回も同じ景色をデジカメで撮り溜めてきた。
今は、パソコンから、まぶしく輝く青い空がある。
春よ来い、早く来い。

2006年3月5日