Arts Calendar/column

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2005年6月

【コラム】

クールビズ

「国会議員に逮捕者続出!」と思ったのは、国会中継だった。6月初旬からクールビズということで、ノーネクタイ・ジャケットなしでも「不作法」と言わないこと、となったのは別にいいけれど。不作法かどうかじゃなくて、違う意味で見苦しいと言うか、情けないと言うか。ノーネクタイでも(よくも悪くも)人を動かし国を動かせる器量がないのをあらためて見せられてしまう。


私の会社はかなり前に「カジュアル・フライデー」を導入し、夏の間は「カジュアル・エブリデー」となり、いつしか「いつでもカジュアル」に。最初に「カジュアル・フライデー」となる前日、男性社員は「ねぇねぇ、明日なに着てくるの?」とくちぐちに遠足前日の女の子みたいなことを言っていた。始めのうちこそ、気張っていたのが、毎日のことになってくると洋服にかける気合いも変わってくる。洋服にお金をかけたい人、別のことに使いたい人、とそれぞれの主義もあるだろう。その主義も趣味もまったく窺えない自分の姿を「人間、中身が勝負だよね」と言う人がいる。だが「それは勝負できる中身のある人が言うこと」なんだと思う。「人を外見や服装で判断してはいけない」けれど、自分を現すものをどう選ぶかで本質が見えてしまうと思うし、すべての人と何時間も話し込んだりできるわけではないのだから、ある程度の外見は必要だと思う。


政治家でも、女性は制約が緩いのに「なぜ、それを着るの?」という議員もいる。自分で選んだのか、スタイリストのような人が選んだのかわからないが、色だけを見ればドブネズミに極楽鳥(掃きだめにツル)だけど、やぼったいデザインで、色も顔色にあってなかったり。そういう人は客観性がない、社会の動きを見ていないというのを服装で主張しているようなものだ。


高校生のころ、先生に怒られるような制服の着方をしていた。他の子と同じように、それで「イケテル」と思っていた。だが、卒業してひと月もしないころ、まだ改良を加えていない後輩の制服を見て「可愛い」と思った。聞いてみると、元同級生も同じように感じていて、まっただ中にいる時ってわかんないんだね〜、と話したものだった。なんだかんだ言っても自分のことはその程度。


ところで、地位のある人のお給料は、その地位に見合った服装をするためにも高額なんだそうだ。100万円のスーツを着るべき人格者というのではなくて、100万円のスーツを着るべきの地位の人というわけ。
                 

2005/6/23 WADA

【コラム】

チカンとネオコン

 午後八時、携帯が鳴った。母からだ。興奮した口調で、「アンタが電車内のチカンで捕まったという電話があった」という。「息子を電話に出して」と繰り返したら、切れた。半ば信じつつ、オレオレ詐欺にあった人の話を聞いていたので、電話の前に「オレオレ詐欺」と貼り、本人を出せの一点張りが正解だった。喜寿をすぎても海外に行く元気な母すら騙されかかるのだから凄い。卒業名簿などでかけているのだろう。
ヤクザが組織的に参入しているともきく。


 BBC制作のイスラムのテロと米国のネオコン、つまり新保守主義の番組が放映された。それによると、アルカイダのテロネットワークなどないらしい。ソ連崩壊後、新たな米国の敵を作るためにネオコンが仕組み、ブッシュが乗ったのが真相だとする。アルカイダは組織といえるものではなく、9.11以降アルカイダの疑いでの逮捕者にイスラムテロリストはいなかったという。アフガン、イラクで多数の命を失ったのがそ
んな策謀によるならば、当地の人々はもちろん戦った米国の若者も浮かばれない。クリントン失脚を仕掛けたのもネオコンらしい。


 9.11と災害によって危機管理が叫ばれてきたが、恐怖心を煽ることで、身近な政治や社会の問題から目をそらさせているような気がする。軍備増強の「戸締り論」、泥棒が入る、他国が攻めてくるから戸締り、軍隊は必要だという考えも同質に見える。国内事情が悪いと戦争を起すことは歴史が証明してきた。ネオコンのやり口は、「お宅の家族が事故で、チカンで」と大金を騙し取るヤクザと同じで、人の不安につけ込
む最も卑怯な方法だ。


 いま情報公開と個人情報保護の間で、役所や会社のセキュリティが厳しくなり、コンサルタントが幅を利かせている。だが単なる卒業名簿で騙される。情報の保安は大事だが、オレオレ詐欺からイラク戦争までがデマ情報によるとすれば、もっと慎重に考えるべきかもしれない。
                 

2005/6/20 志賀信夫

【コラム】

電話セールス



最近、家の電話にはめっきり架かってこなくなりました。家族それぞれが携帯電話を持つようになり、友人・親戚などこちらが電話番号を知らせている人は、ほとんど携帯に架けてくれるからでしょう。となると、家に架かってくるのは、ほとんどが見知らぬ人からの電話ということになります。


最も多いのが、電話セールス。と言っても、あれは契約とれるんでしょうか?「ちょうどよかった、今、お墓が欲しいとこだったの!買うわ!」なんていうのは、まずないことだと思います。たとえ欲しいところだったとしても、電話セールスしてくるところは、リストから外すと思うんだけどなぁ。結果として、電話セールスは断ったけど、自分で選んだ業者と同じだったということはあるかもしれないけど。


いままで、何度も何度もしつこく電話があったのは、NT○(ここの悪口ばかり書いてますが)。お得な料金プランに、最新のインターネット環境に、などと。お墓に比べれば「ちょうど検討中」ということはあって、じっくり考える時間があるならばいいのだけど、電話セールスというのは「今は嫌!」というタイミングを狙って架けてくるような気もします。事実、NT○では、相談窓口の手が空いている時に「電話をかけて獲得しましょう」ということだそうで、本当になぜ今?という時に限って架かってきます。例えば、高校野球であと1アウトで優勝、でもヒットが出たらサヨナラとか、サッカーの「GOOOOAL!!!」の瞬間とか、テレビの瞬間視聴率がとても高い時。そんな時に電話に出るのも嫌なのに、もしや大事な急用かもしれないと出ると、セールス。


電話会社なのに、「だから電話は嫌よね」と思わせてしまってます。どんなに感じのいい人が架けてきても。キツイ言い方はしないようにと思って丁寧に断っているうちに、いい場面を見逃して試合は終わっていたりして。


それと、電話アンケートも多いです。断った数日後に、首相の支持率がどうの、とニュースでやってます。ああ、これだったのかと思っても、架かってきた時には信用できる機関なのか判らないから断ってしまいますが、「うっそだ〜」という結果だったりします。有効回答率に「電話アンケートに応じる傾向にある人の」とつけて考えて欲しいなあと思います。支持する人は積極的に答えると思うけど、不支持の人はアンケートにさえ関わりたくないのじゃないかなぁ。       
                          

05/06/13  WADA

【コラム】

オヤジの匂い



 貴乃花が亡くなった。55歳とまだ若く、癌と闘っていたとは知らなかった。子どもの頃、前の二子山部屋が近所にあり、若貴が小学生でちょろちょろして親しみを感じていた。今回、元若乃花が、「ずっと師匠と呼んでいて、病床でようやくオヤジと呼べた」と語ったのが印象的だった。


 父を早く亡くしたために、オヤジと呼ぶことはなかった。そして50も近づき、オヤジ臭さが気になる。格好ではない。オヤジの匂いだ。家にオヤジの匂いがなかったからよけい気になるのかもしれないが、結構強烈だ。相撲取りが立ち去ったあとの鬢付け油のように、臭いが残っていたりする。電車の中で強い香水より耐えがたいときがある。年をとったための加齢臭か。男性ホルモンによる体臭だろうか。


 実はこれはスーツによるところが大きいという仮説を持っている。それもウールのスーツである。古くから着ているウールの冬物スーツには独特の匂いが染みついている。ズボンはクリーニングに出すが、上着は頻繁ではない。そこに長年同じ人間の体臭や整髪料、加齢臭などが染み込んで、ウールの動物繊維と合わさって、この匂いを作りだしているのではないか。


 また六十以上の人は、いまの若者より風呂に入らない人が多い。風呂を沸かすのは毎日ではなく、面倒臭がって入らない年配男性は多い。ポマードなどの整髪料も匂いが消えにくい。そういう匂いを吸い続けた上着がオヤジ臭さの元だと思う。周囲がオヤジ臭い場合、スーツの中高年男性が中心にいる。普段着だとそう匂わない。化繊のスーツも匂いにくい。


 匂いはともあれ、オヤジになるということは、もちろんいい意味もある。オヤジギャグも、頻発しなければ微笑ましい。だが「オヤジの匂い」ではなく、オヤジ臭いといわれるのは、やはりいいものではない。いつまでも心は少年という人ほど、オヤジ臭く見られる可能性がある。だから聞いてみよう。まわりの人に。僕はオヤジ臭いかなあ。で、匂う?
                               
                          

05/06/06  志賀信夫


無断転載禁止 掲載:アーク編集室

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