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2004年10月

【コラム】

街頭募金

家から最寄り駅に向かう途中の映画館に子供が列を作っているのを見て、「ああ、都民の日で学校がお休みなんだ」と思い、その駅では、赤い羽根共同募金の「お願いしまーす!」の声でようやく「ああ10月1日になったんだ」と。そういえば朝のニュースのアナウンサーも赤い羽根つけたかも。
あの赤い羽根、実はかなりお金がかかっているそうです。いくらって言ってたか忘れたけれど、10円20円じゃなかったような、そのくらいの金額で作っているとか。もらっても、つけたままにしておくわけでもないから、他に回すほうがいいかも。そして「朝の通勤時間帯」よりは夕方のほうが募金は集まると思うな〜。みんな立ち止まってお財布を開く余裕なんてないからね。
あの街頭募金って、結構お金集まります。中学生の時に近所のローカル駅で数時間「お願いしまーす!」をやったことがあります。3人で叫んで20万円近くになりました。元手かかってない純益だし、「将来こまったらこれだな」と密かに思ったものです。その時はカンボジア難民の・・・と赤十字に届け出て証明書を掲げ、しかも交番の前に立つという立地条件も手伝っての金額だったのかもしれません。あまりにも簡単にお金が集まってしまい「いいのか、こんな中学生信用して」と人の善意に危機感を持ってしまいました。ただ「声が大きいから」という理由だけで、選ばれた私にお金を託すなんて。真面目に募金活動に取り組んでいる人には申し訳ない言い方ですが、いまだに「時給にしたら最高の儲け」記録維持してます。
もちろん、集まった募金は全額きちんと赤十字に届けました。善意ってやっぱり「ねこばば」を許さない強さがあります。

                          04/10/04 WADA

【コラム】

クマ

クマ、がねぇ。。。連日、何頭も町に現われています。子グマだとクマ牧場に引き取られたり、山に帰されたりしますが、成獣では射殺されてしまうことが多いようです。そのニュースを見るたびに(ここのところ毎日です)、クマに「悪いなぁ」と思ってしまいます。
今年、クマが出没するのは早い時期に台風が重なって、今ごろの食料になる木の実が実らずに落ちてしまったことが原因だそうです。町に現われたクマは皆ガリガリにやせていると聞きます。山にいても飢える、町に降りれば危険。クマにとっても二つに一つの選択なのでしょう。
山にクマが増え過ぎたのも食糧難の原因の一つだそうです。日本オオカミを絶滅させてしまったせいで、山の生態系の頂点の肉食獣がいなくなり、雑食・草食の動物が増えてしまったとか。生態系から外れている人間がやってはいけないことをやってしまったせいですね。「射殺しなくても」というのは野生のクマに出会ったことない者が言えることではないのはわかっています。クマなどが山で暮らしにくくなったのと、私たちが町でぼーっと暮らせることは背中合わせで剥がせることではないとわかっているけど。
クマは町に現れると目立つから騒ぎも大きいですが、きっと他の動物も困っているでしょう。イノシシやタヌキや野鳥も。。。この先、冬眠に入る前にはもっとたくさん食料がいるだろうに。空腹のまま冬眠に入ることになるんでしょうか。話してわかる相手だったら、「今年だけね」とえさ場を作ることもできるかもしれないけど。

                          04/10/11 WADA

【コラム】

台風と神風

大型の台風に大騒ぎだった。当日小さな舞踏公演を企画していて、キャンセルと振り替えが相次いだ。しかし打ち上げを終えて外に出ると、あっけなく雨は止んでいる。台風の目かとも思ったが、遠ざかっていた。ただ電車はあちこちで止まっている。友人の舞台は屋外公演のため中止したという。念のためスタッフ1人が会場に残ったが、来たのは知り合いだけで、さすがに皆中止と思ったらしい。翌日、巨木の大枝が折れて会場に落ちていて、公演中だったら大惨事だったかもしれないという。これまで見る側に立っていて、天候の影響をリアルには考えていなかったが、お客さんが来られないとなると、なんとヤキモキすることか。それだけに嵐の中を来てくれる人に、本心から感謝した。
 今夏は大駱駝艦、ダンス白州などの野外公演を見て歩き、自然を感じながら踊る踊り手とその風景に惹きつけられたが、田中泯が井の頭公園で踊ったときは雨でびしょ濡れになり、風邪が悪化して数日寝こんだ。それでも野外公演や祭りは、雨が降ると燃えることがある。マゾヒスティックな感覚と半ばヤケっぱち、共有する一体感からか、水神か雷神が狂わせるのか。かつて大野一雄が四谷の通りで踊ったときも、凄い雨のなかに踊り手たちが乱舞し、細江英公が騎馬戦のように担がれているのが印象的だった。また新潟の河川敷で、中川幸夫が花びらを天から降らし、大野が雨に濡れつつ幻想的に踊る姿は、花と水の神のようだった。
 台風は南海で海水の蒸発による雲とその熱から発生するという。もとは水蒸気、水の粒だ。世界を支配しようという超大国もハリケーンで大きな被害にあった。その名はアルファベット順、男女交互に数年先まで決めてあり、愛称なのだろうが、自然も支配しようとするかにも見える。自然の脅威でも神風でもどちらでもいいが、その素朴な水と風の力で、私たちが止められない大国の愚行を諌めてはくれないものか。

                          04/10/18  志賀信夫

【コラム】

台風が行き過ぎて、ほんのちょっと日射しを感じたけど、秋になるのが早過ぎる。つい一カ月前まで「全然涼しくならないっ」と毎日怒りがおさまらないほどの暑さだったのが、10月に入った途端にいきなり秋。朝、出かける時に「ジャケットこれですか〜?」と自問。「これ」の前にあれとか着てたよね〜去年。で、「あれ」着る前には身軽で暑さも涼しさも感じない日が何日かあったはずだし。ちょっと待て、と言いたい。
四季があるから、花鳥風月の日本文化が発達した。のではなくて、春夏秋冬それぞれの間の緩やかなささやかな変化が季節感を豊かにしたんだと改めて思う。真夏と秋の間に晩夏も初秋もなく、いきなりの秋はほんとにつまらない。8月の真夏日でも、月が冴え冴えとして見えたり、少しひんやりとした夜風がさっと吹いたり。そんなことを「あれ?昨日と違う」と思い、その小さな「あれ?」が毎日すこしずつグラデーションを描いていって「もうすっかり秋」になる。きっちりと夏色・秋色に塗り分けられてしまったようなこの頃に「どうせ気付いてないでしょ」と言っているモノがあるようで。

早くも並んでいるカレンダー売り場で、月の満ち欠け&二十四節気カレンダーを買おうかと思案。ちなみに10月23日は「霜降=霜が降りる頃」11月7日は「立冬」で旧暦に倣っているような今年の気候だけど、もう一度、30度近い暑さがくるのではないかと勘ぐってしまう危うさも感じます。

                          04/10/25  WADA


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