Arts Calendar/column

アーツカレンダー<コラム>のページ


2003年8月

栄冠は君に輝く

東京はまだ梅雨明けしないまま。朝の空気も涼しくて、外に出た瞬間に「もう秋だなあ」
なんて思ってしまい、「それより、夏になったっけ?」と。気温が30度くらいに上がっ
ても、曇りがちで風も冷たくて昼間の外出もあまり苦になりません。暑いのと強い日射し
と冷房が大嫌いな私には都合のいい陽気ですが、これから収穫される農作物の出来具合は
心配です。それに高校野球の出場校決定のニュースにも今ひとつ「盛り上がらないなあ」
という感じです。
私の場合、夏の気分を盛り上げるのは「音」のようです。ひらがなで「みーん、みーん」
と鳴くアブラゼミ。日射しの強い場所で鳴くらしく、その声を聞くと思わず眉間にしわが
よってしまうのですが、たまには聞かないと夏になった実感がありません。
それと「栄冠は君に輝く」。これを甲子園からの中継で聞かなければなりません。名曲だ
と思います。歌詞は大会歌として一般公募されたものなので、「白球」とか「一球」とか、
野球にまつわる言葉が出てきます。でも、そのへんには目をつぶって(?)、スポーツの
国際大会での「国歌」としてもいいのではないかと思います。「君が代」を学校で歌うこ
とに反対意見は多いようですが、昨年のW杯サッカー以来、スタジアムで歌うことはある
種ステータスのようにもなりました。近隣の国々では眉をひそめる人もいるし、その姿に
申し訳なく思う人もいるのが現状。それならば、スポーツの場のみ、「栄冠は君に輝く」
を国歌にしちゃえと思ってしまうのです。あれ?でも。スポーツの時しか国歌って聞かな
いか。。。それに大相撲では朝青龍が優勝してもやっぱり「君が代」がいい。そう思うと
日本の国歌ってちょっとかわいそうな立場かも。

                                08.04 WADA

8・6の広島

今年も広島は8・6を迎えました。この日は毎年暑いけど今年もすっごく暑かった。ただ
元気に歩いているだけでも暑いのに、あの日、焼け野原の中で苦しみながら暑さに耐えて
いた人たちはどんな思いだったのでしょう。会社に行く前、ばたばた準備しながら1分間
の黙祷だけは忘れずにしています。
先日、平和公園に捧げられた折り鶴が燃やされる事件がありました。広島の人間だったら
恥ずかしいとみんなでいってたら関西の学生が犯人でした。しかし半分関西人の私はやっ
ぱり恥ずかしかった。その後、同じ大学の人たちからおわびの折り鶴がたくさん贈られた
というニュースをきいて、少しほっとしました。
折り鶴の保管については広島でも議論がなされています。これまでは古くなったら(たし
か年に1回)焼却処分していたらしく、それが「捧げた人の気持ちを踏みにじる」と批判
をうけて、現在はすべて平和公園のガラスケースと、旧日銀の1室などに保管展示されて
います。
でも、私は思うのです。お葬式のとき、故人の大切にしていたものは一緒に焼いて、故人
とともに天国にいくように祈りますよね。折り鶴だって、焼くことでこの世から形をなく
してこそ天国に召された被爆者たちに届くのではないかと。それに今後、世界中から贈ら
れるすべての折り鶴を保管しつづけたら、いったいどうなるんでしょう?
あの折り鶴放火事件は言語道断の話ですが、毎年「平和祈念式」の前にきちんと法要して
「平和の火」で焼き、折り鶴たちに天国に飛んでいってもらうのが一番いいんじゃないか
と思うんですけどね。

                               03.08.11 taki

久しぶり

梅雨明け三日と言うそうで、梅雨明け前後には「明けた」にもかかわらず不安定な天気に
なりがちで、大雨が降りやすいのだそうです。先日も会社帰りを狙ったかのような大雨に
遭いました。
交通機関がマヒというほどではないものの、傘は役に立たないくらいの大降りで、しばら
く駅で時間をつぶしていました。すると同じ路線を使う友人から携帯電話にメール。「ど
こにいるの?」やはり友人も雨宿り中です。ヒマにまかせて、どうでもいいことをメール
しあっているうちに「だったら、ご飯食べようよ」。とある駅ビルで落ち合って、久し振
りに会って食事。悪天候がハイテンションを誘い、ずいぶん盛り上がりました。
予定外で友人と会うっていいものです。「会おうよ」とか「美味しいもの食べに行こう」
と、よく言うものの「じゃあ、いつ」というところまで具体的に話は進まなくて、くちば
っかりになりがちです。メールや電話で近況はよく知らせあっていても、いざ会おうとす
ると大変で、食事に行く日を決めるために会って話そうなんていう、よく分からないこと
にもなったりして。
その日はどちらからともなく、「携帯って便利だよねぇ」。お互いがどこにいるか分から
ない状況から「会う」というイベントが短時間で実現して、「きょうは携帯を正しく使っ
たよね」。

                               03.08.11 WADA

キャリーバッグ

ちゃきちゃき江戸っ子一家の我が家にとって、盆暮れ正月の楽しみと言えば帰省混雑
を伝える「乗車率200%!」とか「○○料金所で渋滞50キロ!」というニュースを見
ることでした。江戸っ子といえば、イベント好きと相場が決まっていて、そのイベン
トに参加できない悔しさ・寂しさを紛らわすために「街が空いて静かでいいねェ〜、
空気がきれいだ」なんて嘯いていたもんです。
ところが昨今は事情がかなり変わってきているようです。昔のようにお父さんの夏休
みが8月のお盆期間中とは限らず、自由にとれるようになってきたこと(「東京の盆
は7月でぃ!」とまた騒いでみるんですが)、お盆が家族のイベントではなくなって
きたことなどから、帰省ラッシュが分散化されてます。事前に予想された帰省ラッシ
ュのピーク日のニュースで「渋滞はほとんどありません」なんて言われた日にゃあ悔
しさ倍増。
逆に東京に遊びにくる人がだいぶ増えました。昨年オープンした「丸ビル」、それ以
前から賑わっていた「お台場」、今年の新スポット「汐留」に「六本木ヒルズ」。こ
ういった場所が家族連れで無法地帯になっています。東京駅の混雑もなかなかなもの。
来る人・行く人でごったがえしています。
その混乱をさらに大きくしているのが「キャリーバッグ」の流行です。国内で、電車
で、長くても1週間くらいの旅行で、必要ですか?そんなバッグ。階段がたくさんあ
る駅では持ち上げるの大変でしょう?混雑した電車の中で網棚に乗せることもできず、
かなり場所をとるでしょう?引いて歩く本人は楽かもしれないけど、周りの人は、キ
ャリーバッグの人に前後左右5人分くらいのスペースを空けて歩いています。前を歩
くキャリーバッグが曲がった時、足を踏まれる巻き込まれる危険に何度も遭っていま
す。キャリーバッグを引いて歩くなら、自分の子供の手を引いて欲しい。最近のお子
様方の自由奔放ぶりには、となりのポチのほうが躾が行きとどいている、と思ってし
まいます。

                              03.08.18 WADA

今年の夏

○今年の夏は変な夏でした。まだ8月中なのに過去形で書くのも変ですが。梅雨が明け
ないまま8月になり、ようやくの晴れ間にむりやり「梅雨明けした」と発表した気象庁
は、その撤回を考え中とか。結論が出るのは、9月に入ってからだそうです。
○夏の初めは、涼しいほうが楽と言っていたものですが、さすがの雨続き、低温続きに
は、作物の出来が心配になってきます。おいしいものの便りが届きはじめ、太陽が恋し
くなってきました。夏の暑さあってこその秋の楽しみです。
○電力不足がかなり深刻に心配されていた東京も、原発の再稼働がゆるされてひと安心。
クーラーが使えるとホッとしたものです。私の勤めている会社では電力不足の心配と、
かねてからの省エネ指向で、夏の冷房設定温度を28度と決めました。ところが、28度
だと外のほうが涼しいんですよね。これって暖房?連日25度以下で、あっという間に
「とりやめ」。
○近所で、家を建て替えているお宅があります。6月に工事を始めて、まだまだ終わる
気配がありません。半製品を組み立てるプレハブ工法で、真夏の暑い日、新しい家で涼
しく快適に過ごすはず、だったそうです。「夏物のカーテンやラグを買ったんだけど、
今年は使わないまま秋・冬物を買うはめになりそう」。
○夏だけは、季節の変わり目に「夏が終わる」といいます。「夏が終わってしまう」と
いう言い方もよく聞きます。他の季節には「終わる」という言葉はあまり使わないと思
います。春は終わらずに初夏。冬が終わるよりも春になる。夏らしくない夏だったけれ
ど、夏が終わっていく寂しさや切なさは感じられそうで、それだけが今年の夏の恵みと
なるのでしょうか。

                               03.08.25 WADA


無断転載禁止 掲載:アーク編集室

TOPpage