Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》'17. 5.28.


vol.288

'17. 5.28.

高知ジャズフェスタVol.13『KOCHI JAZZ FESTA IN MAY』

会場:タウン、木馬、サンライズホテル

 今回は、五月の午後四時から始めて午後八時には終了するというジャズ・フェスらしからぬ健全さで帰りのバスが間に合うので、まだ陽の高い時分からウィスキーの水割りを舐めつつ臨んだ。終わりの時刻を繰り上げたのは、フェスに集まったプレイヤーたちの懇親交流の時間をたっぷり取ることにしたからかもしれない。各ステージ4〜6曲で少々慌ただしかったが、移動時間も含めての四時間を愉しく過ごした。
 最初に聴いたのは、「タウン」での勝賀瀬達也[ds]カルテット。初めて聴いたように思うが、全4曲いずれもオリジナル作品という意欲的なバンドで、なかなかアグレッシヴなウッドベース[古市英幸]と艶のあるエレクトリックギター[西岡良治]が気に入った。ドラムスは、ソロはなかなかいいように思ったが、全般的に妙にガチャガチャした感じが耳についた。いちばん気に入った演奏は『ステッピング・ストーン(跳び石)』で、なかなか面白い曲だった。
 まだ陽の高いうちに「木馬」に移動して聴いたのは、安田貴TRIO&西村まきこ。彼らも初めて聴いたように思う。ウェイン・ショーターで始めてチック・コリアで締めた4曲は、安田のちょっと洒落た都会的な感じのエレクトリックギターが印象深かった。
 メイン会場とも言うべき最大客席数のサンライズホテルに移動してからは、宮園ゆかり with 帯屋町トリオと清水末寿 with EIJI TRIO plus を続けて聴いた。最初の『シダーズ・ブルース』をトリオで演奏し、5曲目の『ビ・マイ・ワイフ(←ハズバンド)』をドラムスとツインのヴォーカルでのデュオという珍しいスタイルで演奏したほかはフルメンバーで6曲演奏した宮園ゆかり with 帯屋町トリオは友人の高崎元宏がピアノを務めているバンドだが、宮園ゆかりのヴォーカルを始めとして、なかなか風格のある演奏をしていた。4曲目の『ワルツ・フォー・デビー』もよかったが、最後の『ラヴ・フォー・セイル』がウッドベース(大村太一郎)の入りもかっこよく、大いに気に入った。吉川英治が入ると、ドラムスの張りと弾け方の鳴りの違いが歴然としていてまるで響きが違ってくるような気がする。刻み方のセンスも段違いだと思った。これだけのメンバーのなかに入って堂々たる演奏をしている高校の同窓生に、改めて大いに感心した。
 その吉川は、清水末寿 with EIJI TRIO plus でも引き続き演奏していたが、フルメンバーの5人で始めた『ザ・プリーチャー』の次の清水末寿のテナーサックスを前面に押し出した『アイ・ウォント・トゥ・トーク・アバウト・ユー』が実に素敵だった。清水末寿のサックスもまた鳴りそのものが違っていて、若い頃の演奏にはあまり感じられなかったような気のする色気もあって魅了された。津村敦がトランペットからフリューゲルホルンに持ち替えた『オンナ・スローボート・トゥ・チャイナ』から後の『E.J.ブルース』『サンキュー・ヴェリー・マッチ・ミスター・モンク』は、fh→tp→fhと替えつついずれもフルメンバーでの演奏だった。全4曲のところが、最後のステージということでアンコールに応えての5曲となったのだが、もっともっと聴いていたい演奏だった。



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