Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》'17. 2.25.


vol.282

'17. 2.25.

世界が聴き惚れるハーピスト 福井麻衣コンサート

会場:高知市文化プラザかるぽーと大ホール

 ハープが前面に出たコンサートは、'86年9月に聴いた8台ものハープが並ぶ“ハープとフルートのファンタジー”以来だ。福井麻衣が妹分だと紹介していた山本真帆との二人での演奏会で、9曲演奏した第一部の4曲目と7曲目が山本真帆だった。福井麻衣のハープが強く芯のある響きに特長がある印象を残していたのと対照的に、山本真帆のハープは優しい響きが印象的だったように思う。

 ステージにセットされていた黒光りするハープの壮観にも驚いたが、福井麻衣によるオープニングの『ドビュッシーのアラベスク第1番』の音の大きさに驚いた。ハープの生演奏の1台でこれほどに鳴るとは想定外で、しかも強くしなやかに柔らかく響く音色に魅せられ、まさに天上の音楽を思わせるハープならではの無類の響きの美しさに惹きつけられた。だが、その後の何曲かを聴いているうちに、時折ハウリングノイズのようなものが入っていたように思うので、生演奏ではあっても生音ではなかったのかもしれない。(後日、ホールスタッフに会ったときに確かめたところ、あれは客席側での補聴器か何かが起こしたものではないかとのことで、ハープに関しては純然たる生音だったとのことであった。)

 そのほかの福井麻衣の演奏では、『黛敏郎のROKUDANよりアダージェット』、『メイエールのプッチーニのオペラ「蝶々夫人」のテーマによるファンタジー』に惹かれた。山本真帆の演奏では『トゥルニエの妖精』が気に入った。

 しかし、最も心惹かれたのは、第1部後の休憩に入る前に特別に用意された地元小学生のコーラスに福井麻衣・山本真帆が2台のハープでジョイントした『ハロー・シャイニングブルー』だった。三日前に高知入りした福井麻衣が地元の学校や施設での交流を持つなかで出会った小学生と演奏したこの曲に魅せられ、急遽、プログラムに追加したようだ。子供たちのコーラスがハープの響きとあいまって天使の歌声のように感じられ、感銘を受けた。

 第2部は、この特別プログラムでセットされた2台を使って福井麻衣と山本真帆が席を違えて演奏楽器を入れ替えたりしながら、5曲を演奏した。プログラムの最後は『チャイコフスキーの花のワルツ』で、まさにハープコンサートに相応しい締め括りだったように思う。アンコールの「オズの魔法使い」からの『虹の彼方に』も心地よかった。



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