Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》'17. 1.24.


vol.281

'17. 1.24.

シーエイティ プロデュース公演『さくら色 オカンの嫁入り』(高知市民劇場第324回例会)

会場:高知市文化プラザかるぽーと大ホール

   原作小説は未読だが、ちょうど6年前に呉美保監督による映画化作品を観て、「なんとも面妖な物語だった。ロールプレイ的に割り当てられたキャラクターを造形している感じで、すべての登場人物が現実感に乏しくて、何なんだろうこれはと思っていたら、遂には母・陽子(大竹しのぶ)の白無垢姿に娘・月子(宮崎あおい)が「…きれい」などと言う絶句するような場面が登場するに至り、そーか、これは「月ちゃーん、おーみーやーげー」で始まった時点からして劇中に登場した茶の間の古びたテレビに映っていた『雨月物語』(溝口健二)だったってことだったのね、などと思った」と記していた作品だから、覚悟して行ったおかげで、映画作品に感じたほどの違和感を味わうことはなかったものの、やはり話もキャラも拵え過ぎの感じが否めなかったように思う。

 それでも、大竹しのぶよりは熊谷真実ならまだしも了解できる感じがあるような気がした。思いのほかよかったのが、元板前の研二を演じた佐藤アツヒロと研二の祖父を演じた島田順司という二人の男優の声と口調で、とりわけ島田順司の貫禄のある渋い物言いがかっこよかった。

とはいえ、僕も6人も孫を持つ身になっているので、子供が独り立ちして生きていけそうだという思いを抱かせてくれることが親にとってどれだけ嬉しく肩の荷の降りることなのか身に沁みて知っているだけに、その場面にはとても心打たれた。



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