Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》3. 3.


vol.261

'16. 3. 3.

高崎元宏トリオ Live at 木馬
会場:ジャズ喫茶「木馬」

 トリオ(高崎元宏[p]、北村希代[b]、吉川英治[ds])のライブと言いながら、全19曲の大半がゲストの青山秋利[perc]を加えたカルテットかデュオによる演奏で、トリオで演奏したのは1stセットのオープニング『イット・クド・ハップン・トゥ・ユー』と、それに続いた、北代がフロントに出てボウイングを見せていた『愛するポーギー』までで、ほぼ三分の一の曲が三ヵ月余り前のライブと重なっていたが、普段とは一味違ったライブになっていて、とても面白かった。

 三か月余り前の同じトリオでの演奏で大いに気に入った『魅惑のリズム』からパーカッションが加わったのだが、今ひとつしっくりこない感じが残り、続く『想いあふれて』も先般のトリオでの演奏のほうが良かったような気がしたが、『ドック・オブ・ベイ』あたりから四人の息が合ってきて、吉川のヴォーカルや口笛のみならず小技を交えたドラミングや高崎がリズミカルに乱れ打つようなピアノの響きが心地よい演奏になったように思う。客席からの参加によるツイン・ヴォーカルによる『さらばジャマイカ』の後の『ティコ・ティコ』では、ツイン・ソロとでも言いたくなるようなドラムとパーカッションのデュオが素敵で、リズミカルなピアノも利いた楽しい演奏だった。

 休憩後の2ndセットは、一転してデュオが5曲続いた。最初にベースとピアノのデュオが3曲。サンサーンスの『象』、前に出てきていた北代が今日最もリラックスして弾いているように感じた大貫妙子の『若き日の望楼』、そしてとても気持ちの好い響きをベースが奏でていたクラシック曲からの『カヴァティーナ』で、後の2曲がドラムとパーカッションのデュオだった。吉川と青山は十年くらい前からデュオをやっているそうだが、最初に演奏した『マツリゴト』が圧巻だった。続く『ビー・マイ・ハズバンド』ではヴォーカルも入ったが、手も足も使うドラムスと、足は使わないがさまざまなものを叩いて多彩な響きを繰り出すパーカッションのデュオというのを初めて聴いて、1stセットで垣間見たセッション以上に魅せられた。カルテットになった『クバーノ・チャント』でもドラムとパーカッションのデュオの部分が目を惹き、『ウンポコロコ』でもリズムセクションが目立っていたように思う。

 僕がビリンバウという楽器を初めて聴いたのは、十五年近く前の「カポエィラ ヘジォナウ ジャパォン公演」だと思うが、一見したところシンプルな構造のようだが、思いのほか複雑な音の出る楽器だ。その後もずっと吉川のヴォーカルが続いたが、浅川マキが歌ったラングストン・ヒューズの詩による『港町』ではトランペットの津村卓も加わり、ピアノがかっこいい響きを聴かせていたように思う。最後はクィンテットによる得意の『ファンジー・ママ』で締めていたが、終わってみれば、歌にドラムスにと活躍した吉川のパフォーマンスのセンスの良さとかっこよさが印象に残る演奏会だった気がする。

 
1.It Could Happen To You  2.I Loves You,Porgy  3.Fascinating Rhythm
4.Cheda De Saudade(No More Blues) 5.Sitting On The Dock Of The Bay
6.Jamaica Farewell  7.Tico Tico

【休憩】

1.象  2.若き日の望楼  3.Cavatina  4.マツリゴト  
5.Be My Husband  6.Cubano Chant  7.Un Poco Loco  8.ビリンバウ
9.Antonio's Song  10.Tristeza  11.港町  12.Fungii Mama


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