Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》 7.26.


vol.248

'15. 7.26.

ノトスラボ vol.6 『イワーノフ』

会場:蛸蔵

 ノトスラボというのが、協力として記載されているノトスプロダクションとどう関係してくるのか、また主催のサラダボールとどういう関係にあるのか、そういうことは、観た後も分からないままだったが、当日配布のリーフレットによると、平田オリザ率いる『青年団』の演出部に所属する演出家である西村和宏が准教授を務めている四国学院大学の学生による芝居で、本作は、今年の利賀演劇人コンクールの予選を通過して出場することになった作品のようだ。
 初めての本格的な長編戯曲である本作を書いているチェーホフ(菅原直樹)を登場させて人物紹介を始めるオープニングやちょこちょこ笑いを織り交ぜていた序盤には魅せられたものの、肝心のイワーノフ(田中良季)とその妻アンナ(横関亜莉彩)の人物像が妙にピンと来なかった。チェーホフの『イワーノフ』を既知の者には敢えて説明するまでもないような部分をオープニングの人物紹介で行っていたというところなのだろうが、説明の必要な観客に対して十分なものになっていたとは言いがたいように思った。イワーノフの抱えた止み難き矛盾と煩悶の迫真や、アンナの諦念とも受容とも逃避とも言える心理の綾を、舞台のなかで感じ取るには至らず、そういうものが描かれているのだろうと解するに留まった気がする。
 それにしても、あのTV画面のなかに映し出された麻雀は、何を意味していたのだろう。社会階層としての有閑地主層を示していたのではないかと思うのだが、服装ともども妙に違和感を覚えた。装置としてのTV画面で何を触発したかったのだろう。1台ではなく2台にした配置は据わりがよく、かなり目も惹いたので、もっと芝居に活きてくる使われ方がされるといいように感じた。
 役者では、領地の管理人ポールキンを演じていた氏原恭子が目を惹いた。動きにキレがあって、表情がなかなか豊かだったように思う。
 芝居を観終えた後、隣接の藁工ミュージアムに立ち寄り、日本財団アール・ブリュット美術館による『陸から海へ ひとがはじめからもっている力』を観覧して帰宅。今週は、22日・25日とバドミントンの練習に赴き、23日の?み会に続いて25日の夜は今夏初のビア・ガーデンに行っていたからか、妙に疲労していたことが作用している面もあったのかもしれない。


ヤマさんのライブ備忘録」の扉へ

無断転載禁止 掲載:アーク編集室