Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》 7.20.


vol.246

'15. 7.20.

“魁!乙女塾 Vol.1”

会場:高知 X-pt.

 一昨日の祝月(2015.7/20)、今治での映画大学から帰高したその足で行ってきた。これだけ大音量のロックのライヴを聴くのは何十年ぶりになるのだろう。18:00スタートの会場に30分ほど遅れて入るや、喉と股間の上下のチンコが震える振動の体感に、思わず笑いが込み上げてきた。その体感が一気に若かりし頃にタイムスリップしたような感じを与えてくれたのだが、僕が若い頃の記憶よりもみな演奏が上手になっている気がした。その一方で、ボーカルについては、そう易々と時代的進化が認められないように感じて面白かった。そのせいか演奏として最も気に入ったのは、インストの“How to draw A castle”だった。ドラムスを女性がやっていたけれども、なかなかパンチ力のある音を出していて感心した。
 僕には、四十年前の1976年12月に千駄ヶ谷の東京体育館でリッチー・ブラクモアズ・レインボウのライヴに行ったときに、ステージ前に立つ客たちに向って、彼が壊して投げたギターが目の前に飛んできて、思わず払い除けた際に左手中指を負傷した傷痕が今も残っていて、ロックバンドをやっている連中に見せると必ず皆が「触らせてくれ」と撫でたがったものだ。二年前の「2013 KOCHIWINTER JAZZ」に出演していた“THE ROCKER ROOM”のリーダーと思しき方にその話をしたときもそうだった。
 それはともかく、お目当ての“てっちり”以降は、若かりし頃のノスタルジーに浸るどころか、そのパワフルなステージ・パフォーマンスに呆気にとられていた。“てっちり”は集客力も会場ウケも抜きん出ていた。コミカルなコントバンドのようでもありながら、それまでのバンドにはない編成の厚みで音楽的にも充実感があるように感じた。だが、本領はやはり性具も交えた小道具の充実したキッチュな魅力だろう。我こそはMCと宣っていたウンコ頭の右近と冴えん左近の一人二役をしていた男が右近と左近の次はきっとキョコンと言い出すに違いないと思っていた予想は外れたが、ボーカルのみならず、二人のダンサーもサックスも揃って華ある女性たちで実に楽しいステージだった。
 その次の“でんき組.inc”にも呆気にとられた。ローカル・アイドルという分野が今どのような展開を見せているのか知らないし、ローカルどころか全国区でも凡そアイドル系には興味がなく、総選挙だの応援団だのといった現象に違和感を覚えているだけに、ローカル・アイドルにだってこういう追っかけ応援団が存在するのを目の当たりにして少々呆けていた。最も驚いたのが、まるで演劇として配役したかのように、いかにもキャラの面々だったことだ。今もって僕は、でんき組の応援団が自然発生的なファンの集まりではなく、彼らも含めたユニットとして“でんき組.inc”は成り立っているのではないかという気がしている。ともかく、この日のステージも愛媛のステージを18:00に終えての直行ステージだそうで、遠くは仙台公演までしているそうだ。いやはや驚いた。
 メインバンドの“撲殺ママレモン”は、ゴスロリ風のステージ衣装のツインボーカルとトランスヴェスタイト風の演奏者(Gt,Key,Ba,Dr)からなる6人組(http://b-k-remon.wix.com/bkmamaremonn)で、なかなかパワフルなステージだった。それにしても、それぞれに個性とスタイルを持った6バンドを集め、一つの公演としているのは、その集客確保の点でもさまざまなバンドと出会う機会を作り出す点においても、なかなかよい構成だと思った。6分の1で済むのだからレパートリー確保も過度に重くはなく、数曲に集中できるわけだ。
 そして、地下のスポットで3時間近くを全員が立ち見で騒いで楽しむひとときを過ごして地上に出ると、大音量ロックに慣れない耳の奥がひーんと鳴りつづけていることに狼狽した。翌日になっても取れずに、三日目になってようやく治まった。会場で聴衆の一人として感じていたとき以上の“寄る年波感”だった。
(出演グループ)
1.The Lost Key Rockers 2.nabe 3.How to draw A castle 
4.てっちり 5.でんき組.inc(from 高松) 6.撲殺ママレモン


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