Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》12.13.


vol.256

'15.12.13.

制服向上委員会 at 「まもろう平和・なくそう原発 in こうち Part 2」
会場:高知市中央公園 

 冬の午後、“制服向上委員会”見たさに原付を駆って出向いた。ろくに若い娘の識別ができなくなっているので、アイドルグループなるものにはとんと関心がないのだが、彼女たちのライブは観てみたいと思ったのだ。
 MCの清水花梨19歳が「女子グループとして日本最長の結成23周年」を経たと言っていたが、さすれば、彼女が生まれる前からの活動ということになるわけだ。高知は初めてという今回のライブに訪れていたのは、齋藤乃愛15歳、野見山杏里18歳、金子結稀13歳の4人だったと思う。中学二年ですという自己紹介に客席が反応していた彼女の最近気になっていることというのは、マイナンバー制度のことだった。
 これについては僕には持論があって、三十五年前の大学卒業時に憲法ゼミでの卒業論文に「プライバシーの権利」をテーマに選んでいた僕は、当時は国民総背番号制と言われていたものに対して、データバンク社会における国家権力の介入に異議申し立てをする立場から反対を唱えていたが、今のスマホなるものの普及や民間ベースでのメガデータ利用に歯止めをかけられないでいる現況にあっては、もはや国の行う行政事務に関する部分だけについて「プライバシーの権利」を唱えるのは笑止千万で、三十五年前の税制と違って今ほど所得格差が大きくなってきている状況からすれば、課税逃れをしてきた富裕層や企業に打撃を与えることが可能になるマイナンバー制度は、プライバシー保護以上に社会公正の観点から、むしろ積極的に推進すべきものだと考えている。
 それはそれとして、安保法制や原発再稼働に異議を申し立て、戦争反対・環境保護を訴える識者たちと同じような言葉でも、溌剌とした若い娘たちの声で聴くと予想外に新鮮で、共感ばかりが湧いてきたのは、僕の加齢によるものが作用しているのかもしれないけれど、僕自身は、彼女たちのしっかりしたMCの言葉によるものだという気がしている。
 自分たちのモットーを曲にしたものだとの紹介があった「PROTESTER」の言葉や巧みな替え歌の面白さに半世紀前の岡林信康のことを想起したりした。彼女たちに倣って、僕も最近最も憤慨した時事ネタを取り上げるならば、先ごろ自民党税制調査会が「消費税10%時の自動車車体課税について、自動車取得税を廃止する一方、自動車税に環境性能割を上乗せする」ことを提言した件だ。軽自動車の税負担を重くし、普通車の税負担軽減を図ったときにも思ったことだが、プリウスを擁し世界最高燃費を誇るに至ったトヨタへの阿りを露骨に政策化する姿勢に唖然とした。
 かつて時の宰相佐藤栄作に対して青島幸男参院議員が国会で「総理は財界の提灯持ちで男妾である!」と発言して物議をかもしたのは四十五年前だが、今の政権は財界どころかトヨタという1企業を厚遇するために、強引なまでの円安誘導をしたり、軽自動車に負担を掛けたり、グリーン化税制による利益誘導を図ったりしているわけだ。一年ほど前に読んだ『税金を払わない巨大企業』の読書感想文<../zatsu/86.htm>に「最近のトヨタのCMがソフトバンクも真似できないくらいの豪華キャストになってることに幸福感を覚えられる国民が果たしてどれだけいるのかなどと思うと、何とも腹立たしい」と記したことをまたぞろ思い出さされた。
 披露された楽曲は、1.ベートーヴェンの第九をもじった9条の唄、2.オー!スザンナの替え歌「おー、ずさんな」、3.大きな古時計の替え歌「おじいさんと同じ」、4.PROTESTER、5.アライブ、6.戦争と平和、7.歌える場所があれば、8.ダッ!ダッ!脱・原発の歌、それにアンコール:くるくるハンカチーフの一時間9曲で、「おじいさんと同じ」には、年配者の多い客席から歓声があがっていた。


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