Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》7.18.


vol.221

'14.7.18.

テアトル・エコー公演 『風と共に来たる』(高知市民劇場第309回例会)
会場:県民文化ホール・オレンジ

 名作映画『風と共に去りぬ』(拙日誌:http://www7b.biglobe.ne.jp/~magarinin/2011/39.htm)の舞台裏物語ということで、少々期待が高くなり過ぎていたのか、思いのほか響いて来なかった。テアトル・エコーの公演だから、コメディー色は強く打ち出してくるだろうと思っていたが、ドタバタ的な面でしか発揮されてない感じで少々残念。
 それはまだしも、一番残念だったのが、作品に惚れ込んでいるはずのセルズニック(安原義人)に五日間での書き直しへの熱意は窺えても、作品への思い入れがあまり伝わってこなかったことだ。『風と共に去りぬ』を未読だという脚本家のベン・ヘクト(多田野曜平)に、それがどういう筋立ての話でどういう場面があるのかは語っても、その作品のどこが素晴らしくて、映画化して何をどう伝えたいかが余り描かれていなかったように思う。
 辛くもようやく出来上がって一息ついているラストの場面は背景の処理が素敵で、鮮やかな夕焼けに染まるタラの地でのシルエットが、ヴィクター・フレミング監督(後藤敦)によるかの名作映画を彷彿させ、その手前でシートに凭れ、葉巻をくゆらせるセルズニックのなかで広がっていたイメージというものとして効果的に視覚化してくれていたように思う。
 とはいえ、その場面のインパクトだけでセルズニックのかの作品への想いを表現しきれているとは言い難く、ようやく満足のいく脚本に辿り着けた安堵という以上に、なんとか間に合った安堵のほうが強く印象に残るような、それまでの展開だったような気がする。ちょっと勿体ないなぁ。


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