Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》11.29.


vol.233

'14.11.29.

“アン・サリー in 日高酒蔵ホール”(http://endoscopy.jp/ann/)
会場:日高酒蔵ホール(旧松岡酒造酒蔵)

会場の酒蔵の存在は以前から知っていたが、訪ねるのは初めて。ちょうどいい機会だからと、村長の提唱で始めたという「オムライス街道スタンプラリー」に参加の6店から往路沿いの喫茶わのわ2号店に立ち寄り、イタリアンオムライスを食して向かう。なかなか雰囲気のあるスポットで、いかにも手作りイベントの趣があり、高校の同窓生たちにも久しぶりに会えて、楽しいひと時だった。
 15:00開始のオープニング・アクトは、今回のイベントの企画も行ったとの高崎元宏(p)の率いるカルテット(津村敦(tp,fh)、西村公孝(b)、吉川英治(ds))で、ちょっとバタバタした感じで始まったトリオでの『ホリーランド』の後、カルテットになって『オール・ザ・ウェイ』を演奏したが、これまでに幾度か聴いてもいる津村のトランペットの響きがいつも以上に良くて驚いた。酒蔵の造りのせいなのか、いつもとは異なるセットでの演奏だからなのかは判らないけれど、儲けものだった。『オール'55』からの3曲は吉川のヴォーカルも前面に出していて、このメンバーでの十八番とも言うべき『サマータイム』の演奏が、やはり最もよかったような気がする。
 最後の6曲目『ハロー・ドリー』には、メインアクトのほうのメンバーの飯田を呼び込みツイントランペットで臨んだこともあってか、津村の演奏に気合がめちゃめちゃ入っていて、とてもスリリングでインパクトのある面白い演奏になっていたように思う。
 30分ほどの休憩後に始まったアン・サリー(vo)のステージ(小林龍平(g)、飯田玄彦(tp))は、緑の木立の美しいチラシのイメージが誘ってくるジブリアニメ映画の歌を思わせるようなしっとりしたものと、くだけた愉快なステージパフォーマンスが程よく交じり合った、とても親密感に溢れるものだった。
 先ずは『アイ・ウィッシュ・ユー・ラブ』で始まった2曲の歌声を聴きながら、歌う楽曲の曲調に違いがあるけれども、中音域から高音に抜ける声の質に、僕の好きなマリア・マルダーを想起させる魅力があるように思い、3曲目の『あたらしい朝』の独特な魅力に聴き惚れた。今回の企画を担った高崎を招いていたのは『ワン・ノート・サンバ』だったろうか。続く『チャタヌガ・チュー・チュー』などの少々意外なパフォーマンスから『オー・ホーリー・ナイト』や『星影の小径』『銀河鉄道999』まで幅広い選曲で楽しませてくれて満足した。特に僕としては、アンコールでの高崎カルテットとのスペシャルセッションによる『ゼア・ウィル・ビー・アナザー・ユー』が、音楽を共にすることの楽しさというものがよく表れていて、羨ましくも気持ちよかった。


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