Arts Calendar/Art's Report site/《YAMAsan no Live_bibouroku》1.24.


vol.217

'14. 1.24.

無名塾 公演 『ロミオとジュリエット』(高知市民劇場第306回例会)
会場:高知市文化プラザかるぽーと

 シンプルな舞台装置はスマートに展開していたし、役者も総じてよく演じているように感じられ、小田島雄志の訳による台本を過剰に砕いてもなく、悪くない芝居だと思いつつも、妙に響いてこなくて損した気分だった。

 何故なんだろうと振り返って思い当るのは、やはり僕の世代において『ロミオとジュリエット』というのは、オリビア・ハッセーがジュリエットを演じたフランコ・ゼフィレッリ監督による映画以外には存在し得ないのではないかということだった。松浦唯の演じていたジュリエットも結構よかったのだけれど、バルコニーの名シーンは、こうじゃないというのが、つい先だってしまう。

 なぜ今さら『ロミオとジュリエット』なのかということでは、間違いなく、昨今のヘイトスピーチやら、嫌韓・嫌中などという下品な言葉で括られる愚かしい動きの隆盛が意識されてのことだろうという気がした。

 モンタギュー、キャピュレットの愚はもちろんだが、気付きつつ放置して惨事に至らせた大公(中山研)や良かれと思ってしたことの思わぬ展開に腰が引け、大事な場面で逃げ出したロレンス神父(仲代達矢)の愚に相当しているのは、誰なのかということになるのだろう。


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