Arts Calendar/Art's Report site/《WADA Map》2005京都-二条城

vol.132


■2005年2月20日■
■京都-二条城■



3日目。どうしても帰りの新幹線の時間が気になってしまうのと(乗り遅れた経験有)、寒さや何かと気合いが入らないので遠くには行かず、町中で過ごすことにする。それでも京都に来たって感じはちょっとは欲しいので、『世界遺産・二条城』へ。何十回と行っている京都で、2回目の『二条城』。最初に行った時はまだ世界遺産に登録されていなかった頃だが、暑さに耐えかねて飛び込んだ夏だった。

さすがに世界遺産・観光名所。シーズンオフでも大型バスが連なり、外国からの人も多い。3日目にしてようやく京都=観光地と思う。あちこちで記念写真を、集合写真を撮ろうとする人の山。避けようとしても2,3の記念写真にはしっかり写ってしまっただろう。その人たちが背景にしているのは日光東照宮の陽明門にも並び称せられる(と思っていた)唐門。「これ?これ?唐門って、これ?(ホンモノはどこ?)」2月の澄んで乾いた空気の中、ん〜カサカサ。輝いていない。

入り口は、ここだけは木肌が明るく新しい印象なんだけど、ガタゴトうるさい簀の子と巨大な下駄箱に突っ込まれた旅行中の草臥れた靴の大軍のせいで、朝礼後のざわついた小学校の埃っぽく薄暗い昇降口を思い出す。そうそう、炎天下の校庭から校舎に入ると目の前が真っ暗になる、その感覚とあの夏の二条条のつらさが甦る。

中に入るとまた、いちいち癇に障ることばかりが目につき、耳につく。鶯張りの廊下もざかざかと歩く大勢の足音の中で聞くのは、老朽化した建物の軋みにしか感じられず、見どころの前にあるテープの案内は大声のおしゃべりを誘う絶妙な音量で耳触り。廊下に面した壁、柱、襖など何も手入れされず、荒れるにまかせたままのようで所々が剥がれ落ちたりしている。破れた障子に貼ってある桜のシールも世界遺産?ぺったりと柱に貼付けられた説明書きも中学レベルの英単語の間違いや直訳風の日本語。そういうところばかりが目についてしまう。

多くの人にとって、バスを降りて廊下を歩くことが今日のノルマ、にしかなっていない場所。もちろん、社寺ではないので礼を尽くす意味は違うけれど。『二条城』側にしても、今日は何人さばいた、としか人を見ていないのだろう。入場料の元を取るには、とにかく一刻も早くここを出なければと思わせる。

屋外・庭園ではスコップの山や放置されたショベルカーがこれでもかと趣を壊す。シーズンオフにありがちな光景ではあるが、あからさますぎる。たとえば、スコップではなく植木ばさみを手にした職人風の人達が作業している場面を目にしたならば、世界遺産を維持するには四六時中メンテナンスが必要なんだなあと納得し、作業風景も景色の一つと思うだろう。『法然院』での盛砂作りの作業や、『大徳寺』の塔頭で「おはようさんっ」と言いながら見事な苔の庭に水を撒いていたご老師の笑顔は、思い出の一つになっている。

これで「世界遺産」やってていいのかなぁ?認定した人、実物みてないんじゃないか?『二条城』ってピカピカに磨き上げられた黒い空間に浮かぶ色鮮やかな桃山彫刻と襖絵の豪華な離宮、というイメージがあったんだけど、大きいばかりで安普請の古びた旅館という感じだろうか。狩野派の襖絵もガード下の落書きに見えてしまう。


2005年2月20日

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