Arts Calendar/Art's Report site/《WADA Map》八杉真由美×石田美菜子作品展

vol.112


■八杉真由美×石田美菜子作品展■
■Sanctuary-Nature's Gifts 2003■



□2003年10月20日〜30日
□東京・六本木ストライプハウスギャラリー

実は高校の同級生のジュエリーアーティスト八杉真由美の作品展。だから褒めることも貶すこともしないレポートを書きたいと思う。数年前に偶然再会して、それ以来作品展の案内をもらうようになった。ジュエリーというと私には最も縁遠いもののひとつだが、彼女の作品展には足を運んでいる。カジュアルな服でつけることもできそうなデザインだが、それよりも「お守り」と呼びたい可愛らしさがある。

身に付けるものの「飾る」と「守る」は、とても基本的な二本柱だと思う。「飾る」にしても結局は威圧=外からの攻撃をかわす。ことから「守る」に繋がっているだろう。彼女のジュエリーには「身を飾る」または「富み」とは別の次元にある。ベランダの小さな鉢植えを愛で、庭の果実が実るのを心待ちにするような、穏やかな日々の素直な歓びを思う。

バロックパールなど、まんまの形を生かして自然と繋がったモチーフを作る。ゴールドで花芯やガク、みつばち、蛇を作り、モチーフをつないで、チョーカーやブローチになる。それらのタイトルは"らうらう天使"、"あ・うん"、"天の花へび"、"真珠の杜"などなど。そして、出来上がったジュエリーは、身近にある草花とコーディネイトされ、写真に収まる。写真は石田美菜子。散歩中に摘んだ雑草や花屋さんで処分される寸前の実直な花。それらとジュエリーのモチーフが不思議なリンクを連ねる。永い命のジュエリーと短い命の草花の、輪違いの輪廻が交わる瞬間。ときに中川幸夫の作品写真のように、人の姿を象ったものに見えたり、金の花弁とピンクの花びらの絶妙なリズムに笑みがこぼれる。

花と金銀宝石、美の頂点にあるものが、ゴージャス、豪華、とは違う美=自然への感謝の表現のように感じられる。


2003年10月23日

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