こぐれ日録 KOGURE Diary 2017年10/2〜10/8


こぐれ日録1078 2017年10/2〜10/8A

10/2(月)

3つのゼミ。
大阪に行こうかと思ったが、すこし遅くなり断念(18:30からというのは難しいな)。

帰って、立憲民主党ができるというニュースを見たりしたあと、映画(録画)、相米慎二『あ、春』を楽しむ。
想像以上に面白く、でも単なるコメディでもなく、斉藤由貴さんが演じる主人公の奥さんの変化がなかなかに興味深かった。
富司純子さんの特集としての映画だったが、同じぐらい、藤村志保の存在感など脇役にも注目。

相米慎二『あ、春』1998年、100分、松竹。
<1998年に相米慎二監督、佐藤浩市主演で制作された日本映画。家族を題材にしたコメディ映画である。
原作は村上政彦の「ナイスボール」所収の同名小説。>
<一流大学を出て証券会社に入社、良家の娘と逆玉結婚して可愛いひとり息子にも恵まれた韮崎は、ずっと自分は幼い時に父親と死に別れたという母親の言葉を信じて生きてきた。ところがある日、彼の前に父親だと名乗る男が現れた・・。>
音楽 : 大友良英
韮崎紘 : 佐藤浩市
韮崎瑞穂 : 斉藤由貴
浜口笹一 : 山崎努
水原郁子 : 藤村志保
韮崎公代 : 富司純子
韮崎義明 : 三浦友和
韮崎千鶴子 : 余貴美子
富樫八重子 : 三林京子
韮崎充 : 岡田慶太
沢近 : 村田雄浩
菊池雛子 : 原知佐子
住職 : 笑福亭鶴瓶


10/3(火)

今日は校務のみ。
立憲民主党が出来て、立憲主義ってどれぐらい理解されているのかなとすこし検索しておく。
中学校の公民で結構教えていたのだなあ。

帰って見た録画。今年のはじめの公演がNHKで見られるのは助かる。ずいぶんとコメディ。やはり、犬山イヌコさんが懐かしいし、いまも変わらない可笑しさがある。松岡茉優さんや趣里さんという若手にも注目。
ケラさんのお芝居はいまでもずいぶん長いのだなあ。
第一幕 115分  休憩 15分  第二幕 75分  合計3時間25分

シアターコクーン・オンレパートリー2017+キューブ20th,2017『陥没』
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
美術:BOKETA 照明:関口裕二 音響:水越佳一 映像:上田大樹
衣裳:宮本宣子 ヘアメイク:宮内宏明 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志
井上芳雄、小池栄子、瀬戸康史、松岡茉優、山西惇、犬山イヌコ、山内圭哉、近藤公園、趣里、
緒川たまき、山崎一、高橋惠子、生瀬勝久
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_kera3.html
<2009年の『東京月光魔曲』と2010年の『黴菌』で、昭和の東京をモチーフに作品を発表し、「昭和三部作」を目指したケラリーノ・サンドロヴィッチ。7年という時間を挟んで、いよいよ完結編となる3作目が誕生する!
2016年、読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞、芸術選 奨文部科学大臣賞と大きな受賞が続く、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)の待望の新作書き下ろしです。

出演は、その圧倒的な存在感でストレートプレイでも活躍している“ミュージカル界のプリンス”こと井上芳雄、2016年の読売演劇大賞・最優秀女優賞を獲得し、着実に舞台女優としてキャリアを積んでいる小池栄子、近年は演じた役どころが大きな話題になる活躍ぶりで、舞台『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』への出演など演劇においても精力的に活動を続ける瀬戸康史、NHKドラマ『水族館ガール』主演など、映像作品での活躍も目覚ましく、いま最も旬な若手女優の一人である松岡茉優、大河ドラマ『真田丸』の江雪斎役も記憶に新しい山西惇、舞台『8月の家族たち August:Osage County』での好演も話題となった、KERA主宰の劇団ナイロン100℃の犬山イヌコ、多数の舞台出演に加え近年は『あさが来た』『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』他、ドラマに立て続けに出演し強い印象を残す山内圭哉、舞台『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』出演での好演も記憶に新しく、山田洋次監督作品の常連でもある近藤公園、舞台『アルカディア』でその可憐さと高い演技力で好評を得た若手女優の注目株・趣里、今秋の舞台『キネマと恋人』主演にも期待が集まる女優・緒川たまき、昭和三部作に全作品出演、KERAの絶対的な信頼を得る山崎一、『黴菌』に続く昭和三部作の出演となり、品のある佇まいと確かな演技で観客を魅了する高橋惠子、現在NHK朝ドラ『べっぴんさん』に出演中、『黴菌』他KERA作品には4作目の出演となる生瀬勝久、と、今が旬のオールスター豪華キャストが一堂に会し『陥没』の作品世界を力強く生み出します。>


10/4(水)

2限目の授業。
そのあとの学生部委員会は議題がないため中止。
ゆっくりと、金曜日の準備。
立憲民主党のツイッターフォロワーの数字がどんどん増えている。

読んだ本。こういうまんががあるんだなあ。昔読んだが思い出したし初めて気がついたり。
マックス・ウェーバー ・バラエティ・アートワークス 『職業としての学問・政治』 (まんがで読破 MD121 イースト・プレス、2013年)
<20世紀の大戦を終え、若者たちは「現実」よりも「世界観」を、「認識」よりも「体験」を、「教師」のかかわりに「指導者」を求めるようになっていた。ウェーバーはこれらの風潮を「弱さ」だと叱咤し、「日々の仕事に戻れ」と言う。社会に希望に見出せず、現実と向き合えない若者に向けて、学問と政治のあるべき姿を説く、ウェーバーの名講演2作を漫画化。>

太田省吾・作・演出『更地』岸田今日子さんの堂々としたすがた、瀬川哲也さんのすこし気が弱く背が曲がった男のリアル。
昨日のNHKの後半部分。藤沢市湘南台文化センターでは、太田省吾さんの作品などをいくつか観たが、これは初めてだった。1997年。内藤礼さんの美術。美しい。
<太田省吾没後10年の特集で、「転形劇場」の劇団員だった品川徹、大杉漣のお二人にお話をきく。太田省吾・作・演出『更地』アンコール放送【出演】岸田今日子 瀬川哲也>


10/5(木)

4回生の卒論中間報告ペーパーの添削や相談。
夕方に、キャリアセンターの面接があるだけの木曜日。
原稿依頼が2件。うちの大学の広報誌の400字を書いておく。以下がその原稿:
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<イニシアティブキャリア形成の奨め>
キャリアセンターでは、大学での学びとともに大切なキャリア形成について、さまざまな機会を提供しています。しかし、各種ガイダンスや面談などは、それを義務として感じるような受け身のものはいけないと思っています。
ですから、学生自らが能動的に参加できるようなプログラムを積極的に準備してきました。今年も、インターンシップの報告会を自らプロデュースするという新しい試みに挑戦しています。
また、U・Iターンの動きも活発です。協定を・連携を行う県市はどんどん増えています。この前も、富山県庁と11の地元企業の方たちが本学に来ていただき、県出身者たちと出会うという嬉しい出来事がありました。これからも、地域と企業と学生の出会いが多く生まれるような布石を打っていく所存です。
学生自ら率先するマインドづくり、イニシアティブなキャリアづくりを支援していきますので、就職進路課のカウンターに気軽に顔を出して欲しいと願っています。
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10/6(金)

昼休み、植樹祭、大学内のテントの意味が今日分かる。
残念ながら、今日は雨。
2つの授業。アーツマネジメント論はアーツカンパニーについて。映画会社論も少し。
来週は、ポピュラー音楽業界のさわりもするか。

キャリア開発演習は、急きょ、ゲストがいけなくなったと電話があり、分量を減らしていたもので、先週の元京都市役所職員の客員教授と同じく、自分の経歴を話す。ついでに2004年、NHKでアーツアポリアの紹介をした映像も見せた。
夜はホテルでのレセプション。

あさ、原稿依頼があったものを書いて送る。タイトルは「居場所と出会い、化学反応と創発」。

ご依頼の内容は、<「若者×エイブルアート」をテーマに、障がいの有無に限らず“その個人が尊重された空間・そこに居る人が、その人らしく過ごせる空間”など、ノーマライゼーションを創作や表現の観点から議論を進めようと構想しております。特集の最後に、エイブルアートのような空間について、なぜそのような空間が必要なのか、またそのような空間に期待していることについて>

以下、その原稿:
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居場所と出会い、化学反応と創発
 エイブルアート、アウトサイダーアート、ボーダレスアート、アールブリュット、生の芸術、障害者芸術・・・さまざまな呼ばれ方で、障害者や、専門的な芸術教育を受けない人による芸術作品や芸術行為が名付けられ、それらが徐々に、芸術分野の専門家だけではなく、福祉やまちづくりなどを担う方々にも広く注目されるようになってきました。
 画家、ジャン・デュビュッフェによる命名の「アールブリュット」というフランス語が一番早いと思われますので、そこからすでに70年を超えていて、さらに、芸術のジャンルも美術だけではなく、工芸やデザイン、音楽やダンス、演劇とどんどん広がっている現状です。もちろん、とても喜ばしいことですが、まだまだ、検討することも多く残っています。
 私も細々とした活動ですが、障害者とそのヘルパーさん、アーティストや学生たちが集い、時には発表もする「めくるめく紙芝居」というものを10年ほどやってきました。いまになると、一番の機能は、こども食堂とも繋がりますが、障害者たちの「居場所」づくりと、市民、学生、芸術家と障害者との「出会い」づくりだったのだろうと思っています。
 ただ、芸術家と障害者の出会いには、もう一つ、大きな機能―いや、機能というよりも、化学反応という方がいいかも知れません―があります。
思いがけないもの、いままでに見たこともないような「未知」を創るという面白い出来事が待っています。「常識に囚われない」と簡単に言っても、実は、それぞれだけで集まると、芸術分野の定式とか、障害者福祉の定石とかに、どうしても囚われることが多いものです。
 こういう思いがけない出会いによる化学反応を、芸術上の「創発(エマージェンス)」と私は考えていて、生物が生命現象として自ら自己形成的に創発を繰り返しつつ、突然変異を起こして進化するのと同じように、芸術もまた、そういう思いがけない出会いによって、創発が起きるのではないか、そして、新しい、名付けえぬものを生み出すのではないかと考えています。
 私たちのまちの片隅のほっこりとした居場所、心地よいのと同時に、見たこともないような芸術、初めて出会う人びととの対話が生まれる可能性、それが、エイブルアート、アールブリュットの空間の魅力だと思っています。
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10/7(土)

蒸し暑いいだった。京都橘大学50周年などの集まり。蹴上のホテル。
高校と大学の吹奏楽が同じステージというのは珍しいことだろうな。和太鼓部も活躍。

第10回になる山科駅前の陶灯路。余裕で準備をしている感あり。
救急救命のみなさんのお手伝いにも感謝。

アイホールでとてもぐっとくる観劇体験。
A級MissingLink第24回公演『罪だったり罰だったり』。
3つの40分ほど(短編とあるが中編のボリューム)のオムニバス。でも、基調には、ドストエフスキーの「罪と罰」がある。特に最初の[罪だったり罰だったり]はとても設定が似ている。それと同時にでも、最近よく読むミステリー小説との共通性も感じられ、ダークな中にも、コミカルさとかテンポの良さがあって、飽きない(でも、ずっとパーティ立ちっぱなしだったりで、3本を楽しむのに、体力的にはギリギリだったな)。15年前と現在が行き交う。石塚博章さんが大変そう。幽霊や穴掘りって土橋淳志さんの作品には結構出てくるな。

次の『Who are you? Why are you here?』は、シリアとアメリカ、イギリスの諜報員。海外物って珍しい。日本人の子供がどうしていたのだろう。人質と誤爆。

また、日本に戻る。古い実家。『世の中は間違いに満ちていて、いつだって僕はそれを黙って見過ごす』。結婚式のあと。これも、10年ぐらいの往復。物置。

ドストエフスキーといえば、貴田庄『原節子 あるがままに生きて』(朝日文庫、2010年)の中に、戦争中、原節子さん仕事がなくなり(山田五十鈴さんらとは違い軍人慰問のための芸もなかったから)、トルストイやドストエフスキー、チェーホフなどロシア文学を読みふけったという。また、『新しい土』の公開のため、ドイツなどを訪問。舞台挨拶ぎらいな節子さんが珍しくする。そしてバーデンバーデンで休暇。彼女もルーレットで負けたようだが、実は、ドストエフスキーもここの「カジノで有り金のほとんどを失った」(p95)とのこと。


A級MissingLink 第24回公演『罪だったり罰だったり』
【作・演出】土橋淳志。伊丹市アイホール。19時過ぎから5分休憩2回入って、21時22分ぐらいまで。2時間15分。
<ドストエフスキー「罪と罰」を基にした短編3本立て、オムニバス公演!>
http://www.aqml.jp/tumibatu24/
<信仰が失われ、正義が失われた時代、激動の19世紀ロシア。その首都ペテルブルクで金貸しの老婆を殺害した若者、ラスコーリニコフに一線を踏み越えさせたのはつまり「誰が生きる意味を与えてくれるのか?」という問題だったのではないでしょうか?そして、同じ問いに21世紀を生きる私たちも直面している思うのです。>
『罪だったり罰だったり』
『Who are you? Why are you here?』
『世の中は間違いに満ちていて、いつだって僕はそれを黙って見過ごす』

【出演者】
松原 一純  松嵜 佑一  細見 聡秀  林田 あゆみ  伊藤 結
はたもと ようこ(桃園会)  石塚 博章(空の驛舎)  野村 由貴

10/8(日)

三連休の真ん中。京都は人が多い。
NPO法人わくわくの集会室(東野駅から15分弱)で、めくるめく紙芝居。
山科青少年活動センターのフェスタは11/5(日)で、糸賀一雄記念賞音楽祭当日とバッティング。前々回、太極拳の話があったなあと出かけたが、やはり、ちびまる子ちゃんING・・・1973年、山口百恵「青い果実」を歌ったまる子がお母さんに叱られるというところからの時代考証が楽しい。三人トリオ、三人娘・・・

1時間で失礼して、東山駅へ。京都学生祭典でごった返す岡崎。通行止め。
ロームシアター京都パークプラザ共通ロビー3Fで、烏丸ストロークロックがいま作り続けている『まほろばの景(ケイ)』のプレイベント音楽と物語、無料公演。人の声とか歩くところとかも見えるが、気にならない。マイクづかいはそのためか。逆に、関係なく、この公演に遭遇した反応が知りたいかも。

ロームシアター京都セレクション
烏丸ストロークロック『まほろばの景』プレイベント 音楽と物語。
15:36〜16:15。あと20分強、柳沼さんと出演者3名によるアフタートーク。
作・演出:柳沼昭徳
音楽・演奏:中川裕貴
出演:阪本麻紀/澤雅展
烏丸ストロークロックとチェロの中川裕貴がつくる 音と言葉のあわい ―リーディング・ライブ
始まる前、A級MissingLinkのお芝居の感想が活発に話されている。今日の11時公演を見てこちらに来た人もあり。どちらも、プレ公演をするところが似ているし、作・演出も同じ近大。でもサークルと学科の違いのほか、作風もずいぶん違っていて、それでいて、時代の暗部へと切り込む思いには共通点もあり・・・物語の多重性、入れ子構造を得意とする戦法(今回の土橋さんは、その戸口で寸断させる中編へと変わっていく兆しあり)と、物語と音楽、障害者と健常者、闇と光、死者と生者のハザマ、アワイ(間)を行き来する柳沼さんの戦略の違いもあって、興味が尽きない。

http://rohmtheatrekyoto.jp/program/6868/<2017年7月、烏丸ストロークロックの新作短編劇「まほろばの景」が宮城県仙台市で産声をあげました。
東日本大震災から6年。現地で行ったフィールドワークで耳を傾けた多くの人びとの言葉。過去と今、彼処と此処、男と女、家族と他人、健常と障害、あの世とこの世、日常私たちが分断するあらゆる境界を曖昧にした”あはい(アワイ)”の世界へと飛び込む、この意欲的な作品が、2018年2月、新作長編劇となってロームシアター京都セレクションとして登場します。
この最新作の発表にさきがけたプレイベント「音楽と物語」では、長年烏丸ストロークロックの劇中音楽を担当する中川裕貴と俳優陣が、音と言葉の”あわい”を求めて、戯曲リーディングと音楽ライブの融合を披露します。どうぞご期待ください。>

物語るのは、全体の主人公になるらしいカズヨシのおじいさん。夏、高校野球。仏壇、過去帳。
カズヨシが生まれるところから。澤雅展さんが物語という散文を担当する。
チェロ(右上の擦り傷が気になる)の中川裕貴は、音楽と音響(弓のカスレノイズとかチェロの胴の叩きとか)を二人の役者の中央で顔を見せてのぞむ。でも、音は大体は控えめ。生きるから死ぬへのハザマの心臓音とかそういうときは激しく。カナカナかな?鳥の高い声かな?

澤さんに対して阪本麻紀は、カズヨシの姉のサトコの声などを担当。彼女は、これは那珂太郎の詩集「音楽」の後継ではないかと聞き紛うほどの詩的なフレーズを連発。
もちろん、ダジャレみたいなフレーズも似ていて:文銭にぎってなんまいだ〜、香典返しはなんまいだ〜


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