こぐれ日録 KOGURE Diary 2017年5/29〜6/4


こぐれ日録1060 2017年5/29〜6/4A

5/29(月)

3つのゼミ。
2回生ゼミで明日の1回生向け公共政策入門で「愉快な百面相」(1906年)を初めて見せようと思うって言うと、去年、私がすでに見せたと言われてびっくり。あれえ、ほんとに自分の授業で何をしたのかこんなに忘れるのかとか思う。でも、それは観なかったという学生もいて、もう過去は過去w
ふるさと納税のところがあったので、地元のふるさと納税を調べて見てもらったら、面白いことに、野洲市や甲賀市は贈答品がなかった。これも一つの見識なので、ちょっと面白い。西宮市が甲子園グッズがあったり、瑞穂市はなかなかゴージャスなど地元の自治体を知ることができたようで良かった。

3回生ゼミ。全員出席で、しかも始まる前にちゃんと着席していた。やればできるじゃん。

いつも副査を互いにするK下ゼミのみなさんと合同で、キャリアセンターのN井さんのお話を聴く。彼は6年間、特に都市環境デザイン学科の先輩たちの就活についてお世話していただいた方なので、みんな真剣に熱心に聞いていた。特に二人質問していて、N井さんも質問があってびっくりしてはった。まあ、全員、質問するように先週準備していたので、まあ想定内だったんだけどね。

来週、面談予約に行くことに。これは毎年していることだが、去年まではもっと遅かったかも知れない。でも、いまの4回生の内定率がトシカンではもう4割ぐらいで、すこし面談のピークが4回生終わっているようなので、チャンスかも。

4回生ゼミ。
軽自動車研究に変えたいゼミ生、鉄道駅に変えようかというゼミ生、小中学校事務職研究にしようかというゼミ生。変わらず平田オリザ研究、野木亜紀子研究、そしてコミケ研究・・・ゼミ生の研究と併走するのもいろいろ大変である。あとで、公務員試験の無差別曲線と所得制限の直線の意味を学園評議員会の議長をしていて、ふと気づく。すぐに分からないもの。


5/30(火)

いい映画だった。マーク・フォースター『チョコレート』。
特に、黒人の親子、夫婦。
素顔が実にステキなレティシア役のハル・ベリーは、白人の母と黒人の父のもと生まれたと言う俳優さん。ロングインタビューがおまけに付いていて聞き入った。
それに対して最初はとても差別意識ある南部の白人の老人とその息子の主人公。
そして、そこが変わっていく。最初はもう時が止まっていて絶望しかないかと思わせて、悲劇が希望を少しずつ垂らし始める。

マーク・フォースター『チョコレート』(2001年、113分、ギャガ、Monster's Ball)
原題の「Monster's Ball」(怪物の舞踏会)は、死刑の執行前に看守達が行う宴会を指す。
Leticia Musgrove ハル・ベリー
Hank Grotowski ビリー・ボブ・ソーントン
Sonny Grotowski ヒース・レジャー
Buck Grotowski ピーター・ボイル
Lawrence Musgrove ショーン・コムズ
< ハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)はアメリカ南部の刑務所で死刑囚棟の看守を長年務めてきた男。彼の父も同じ看守を務め、今は息子のソニー(ヒース・レジャー)が同じ道を歩み始めたところだった。ハンクは父譲りの人種差別主義者だったが、息子のソニーは心の優しい人間で、そんなハンクの考え方に疑問を感じていた。黒人の囚人ローレンス・マスグローヴ(ショーン・コムズ)の処刑の日、ハンクとソニーが電気椅子に向かうローレンスに付き添うことになったが、慣れないソニーは執行の直前に取り乱してしまった。刑の執行後、自らの職務に厳格なハンクはそんなソニーの態度を厳しく叱責してしまう……。>


5/31(水)

授業のあと校務がない。
早く大学を出て、ブックオフで108円の小説を9冊購入。
普通で、ゆっくり読書して家へ。
買っていた、原田久『行政学』(2016年、法律文化社)。余裕が無いとこういう教科書は読む気持ちにならないので。なるほど、制度論、管理論、政策論という構成は斬新だ。

これも余裕があるときに見続けている文楽。

仮名手本忠臣蔵の六段目、身売りの段と早野勘平腹切の段。いつも思うのだが、勘平が死に急ぎすぎだし、助かったはずなのになあとは思うが、実に悲しい。吉田簑助お女房おかる、良いなあ。身売りの段は、いまの野澤錦糸(当時は錦弥)、早野勘平腹切の段は、竹本住大夫に野澤燕三。渋いが迫力。


6/1(木)

近畿大学へ。
早く着いたので、劇場文化論で紹介する小劇場演劇(俺の屍を越えてゆけ)を解説する板書案を作成。

<「現代口語演劇」(by平田オリザ)の特徴>
独白(プロローグ)よりも対話(ダイヤローグ)
同時多発会話もあり
セミパブリック空間 あるいは他人も出入りする非日常シチュエーション
客席に背を向ける(お尻を向ける)ことを避けない
地域で普段使う口語(方言)を用いる
小劇場演劇でもあるので、舞台転換はないか少ない
時空はあまり飛ばず、回想シーンなどを多用しない傾向がある(劇で進行する時間と観劇時間が一致することもある)。

見せながら、口頭で、音楽を使わない、あるいは照明操作をほとんどしないというオリザさんてき特徴を共有することもある、というのを付け加える。反応はなかなかにいい。

いま鞄の中にあるのは、
井上達夫『自由の秩序−リベラリズムの法哲学講義』(岩波現代文庫、2017年)と、桐野夏生『緑の毒』(角川文庫、2014年)。

帰ると生命保険の人がいた。
録画したEテレシアター『かもめ』を観る。もう少しスピードを挙げられないのかなあ。

[NHK Eテレ]
2017年3月4日(土) 午後2:00〜午後4:51(171分
今回のEテレシアターは、東京芸術劇場で上演された、アントン・チェーホフの代表作『かもめ』を放送します。19世紀末のロシア、湖畔の田舎屋敷を舞台に、女優を夢見る若い娘、その恋人で作家志望の青年、その母の大女優、その愛人の小説家らが織り成す群像劇。

【翻訳・上演台本】木内宏昌【演出】熊林弘高【出演】満島ひかり、田中圭、坂口健太郎、渡辺大知、あめくみちこ、山路和弘、渡辺哲、小林勝也、中嶋朋子、佐藤オリエ


6/2(金)

1限の行政学が終わればフリーになる前期金曜日。
行政学は、市場の失敗による大きな政府の説明、その前に、国の当初予算の概要。

来週の資料作りをマイペースですればいいのだが、今日は、キャリアセンター関係のしごとが15時から入り、スチューデントセンターの会議が18時すぎからあるので、細切れでやっていく。
4回ゼミ生が、就活の相談あり。
出版社関係。

桐野夏生『緑の毒』(角川文庫、2014年)、出だしは男性医師の嫉妬とその鬱憤でのレイプという朝読むのもちょっとなあというものだったが、そのうち、被害者が繋がりだして、おお、女性の連帯と反撃、これは面白そうと考え直す。
録画していた、英雄たちの選択、金子堅太郎を観る。
<日露戦争開戦の日、時のアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトと親交のあった金子堅太郎は、元老伊藤博文に呼び出された。大国ロシアとの戦いは、軍事的に勝利を収めることは難しい。なんとしても、アメリカに仲介役を引き受けてもらわねば。至急、渡米し、大統領とアメリカ世論を日本にひきつける工作に当たれというものだった。日本の存亡をかけた金子堅太郎の必死の外交戦の真相に迫る。>


6/3(土)

岩崎正浩さん(1963.11.2生まれ)と深津篤史(ふかつ しげふみ、1967年8月8日 - 2014年7月31日)さん。社会演劇派と内面文学派。ずいぶん肌合いが違うだけに、岩崎さんの選んだ戯曲がどんなものだろうというのが一番興味深かった。そして、これは太陽族に相応しい台本であり、なんだか、いつもの太陽族と同じじゃんと思ってしまうのだが、冒頭がやはり深津ワールドなんだなとかあとで気づく。

懐かしい中3の理科室が舞台。ロッカーから校庭への出入りはアングラ郷愁。
客演の人たちがまたとても良くて、船戸香里さんのコミュ障女性ってもうツボすぎて笑ってしまう。喜劇ではないはずだが、ずいぶん笑い泣き的世界であった。最後に歌、もういちどというのも志の輔落語的でもあるし。

劇団太陽族『かえるでんち』ウイングフィールド。90分。
作:深津篤史 演出:岩崎正裕
出演:森本研典、岸部孝子、篠原裕紀子、佐々木淳子、中西由宇佳、韓寿恵 / 小笠原聡、河本久和、趙清香、平井佐智子、船戸香里、三田村啓示

http://natalie.mu/stage/news/229379
<本作は、2014年に逝去した桃園会・深津篤史の戯曲を上演する企画「深津演劇祭〜深津篤史コレクション舞台編〜」の参加作品。桃園会によって2001年に初演された作品で、かつて中学校だった悠(はるか)生涯学習センターを舞台とした物語が描かれる。
演出を手がけるのは、深津とともに関西演劇シーンを牽引してきた岩崎正裕。なお本作は、「第9回むりやり堺筋線演劇祭」にもラインナップされている。>

http://www.osaka-artscouncil.jp/taiyozoku2017/
<かつて中学校であった悠(はるか)生涯学習センター。
この施設のガードマンを務める天地は廃校となった中学の卒業生。
当時、生物研究部であった同級生の浜口、小左内と共に過去へのこだわりから離れることが出来ない。夜な夜な中学時代に逃避するように、三人の密かな集いの場が生涯学習センターで開かれる。それは少年時代へのタイムスリップのようでもある。
昼間の生涯学習センターは女たちの集いの場。少年天地たちの妻たちや同級生であった女たちは料理教室に参加している。十五歳の自分を懐かしみながら、それぞれの人生に問題を抱える人びと。
世間では原因不明の伝染病が蔓延しているようだ。
パン生地をこねて、打ちつける人びとは、やがて世界への希望を口にする。
「私の手の中の世界」「私たち生きている」と。>

今日からインターンシップ研修。
去年は外部委託が多いものだったが、今年からは内製化することになり、インターンシップ推進委員さんにお世話になることもあり、初日はすこし覗くことにした。自己紹介を自分もすることになり何も用意しなくてただの挨拶になる。そして全員の紹介が終わったあとに、学生に質問はないですかというと、「ミーハーな質問ですが」ということで、私の「頭巾」について、どうして、頭に「頭巾」しているのか?というものがあった。
「バンダナ」と言われることが多いのに「頭巾」とは?名札を見なかったが、これは文学部の学生参加なあ?とか思っておかしかった。

6/4(日)

オープンキャンパスの日。快晴なり。
10:15と14:15に45分間、学科紹介とミニ授業をするというもの。
やはり、午前中の方が少し多い。146教室というとても大きな教室だが、まあ、ここは公共政策入門で使っている教室だし、まあ、そういう導入から入ったりする。

帰りに、7/1の学外授業で東部文化会館に行くことのできない学生向けに、芸術文化施設の候補として、京都芸術センターや文化芸術会館、そして京都文化博物館を挙げていて、一番、行きやすそうな京都文化博物館の展覧会を観ておく。「いつだって猫展」。

残念なことに6/11に終了して、次の企画展は7/1ということ。常設展や別館のギャラリーなどの鑑賞でも大丈夫とは思うが・・・別館で、京都・文化ベンチャーコンペティションで受賞してはった青木聡子さんの筒描染toko/展にも立ち寄る。オーダーメイドでネクタイとポケットチーフがお揃いでできるものとか、けん玉が広島づくしとかデザインの楽しさいっぱい。

いま読んでいる本。
山住正己『子どもの歌を語る−唱歌と童謡−』(岩波新書、1994年)
<明治以来,日本の子どもたちは,どんな歌をうたってきたか.音楽教育は,うたう喜びを教えてきただろうか.国策に沿って制定された唱歌,それを批判して北原白秋らが生んだ童謡,そしてわらべ歌,軍歌…….誰もが知るなつかしい歌の興味深いエピソードを,その歌詞も引きながら紹介し,今日の音楽文化と学校教育を考える視点を提供する.>

まだ読み出したばかりなのだが、『小学唱歌集』の原案を音楽取調掛(伊沢修二さんが作った組織)に対し、文部省担当者が様々な注文をしていることが記されている。
昔は、付箋が貼り付けられているので生々しく意見のやり取りが伝わってくると言う。
意見の多くは、「徳性の涵養」に役立つように変えろと言うものだったそうだ。

「蛍の光」の三番、四番の歌詞はいまは歌われないが、これも注文がついてなおったものだそうだ。「ひとつにつくせ、くにのため」、「千島のおくも、おきなわも、やしまのうちの、まもりなり」・・・


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