こぐれ日録 KOGURE Diary 2017年1/30〜2/5


こぐれ日録1043 2017年1/30〜2/5A

1/30(月)

5日ぶりに大学へ。
36名の4回生、卒業論文、口頭試問。
9時半から17時すぎまで。
無事終了。

帰ってみた録画番組:
NHK鑑賞マニュアル「美の壺」file331 「手のひらの美術館 ぽち袋」https://www.nhk.or.jp/tsubo/program/file331.html
<正月のお年玉に欠かせないぽち袋。
ぽち袋が登場したのは、明治時代。
図柄には、江戸時代の浮世絵の影響が色濃く出ています。
ぽち袋の収集家、豊田満夫さんは、髪の毛一本一本まで、木版で刷り上げた歌舞伎の役者絵シリーズなど、年代物のぽち袋を2000点以上所有しています。>


1/31(火)

ティッシュ箱を持ちながら打ち合わせなどの校務。
帰って、2011年の無声映画を観ていて、どうも観たなあと思ったら案の定わりと最近観ていた。

読んでいる本。武部好伸『大阪「映画」事始め』。
ヴァイタスコープを大阪の荒木和一さんがエジソンと掛け合って輸入するところ。そして、難波の福岡鉄工所で12月(遅くても1月初旬)には、日本ではじめて試写したことがほぼ確実になったようで、このあたり定説が変わっていくかも知れず興味深い。

あと、エジソンによるキネトスコープ(覗く形)をスクリーンに映す形西tのは、チャールズ・フランシス・ジェンキンスという青年で(「ファントスコープ」と彼は名付けた)、でも自分の借金の肩代わりにエジソンに権利を売り、ファントスコープに少し手を加えて、ヴァイタスコープ・エジソンとして、エジソンが発明したことにして売り出すという経緯も書いてあってこれもまた興味深いMONO。

武部好伸『大阪「映画」事始め』フィギュール彩 72(2016、彩流社)
<映画の原型ともいえるスクリーン投影式の〈動く写真〉、フランス製のシネマトグラフが明治30年(1897)2月15日、大阪・難波の南地演舞場で一般公開されました。それが日本の映画興行の始まり。
大阪が映画興行の発祥地のみならず、実は映画上映の発祥地である可能性が極めて高い。当時、シネマトグラフだけではなく、米国エジソン社が開発したヴァイタスコープという映写機も日本に渡来していました。
そのヴァイタスコープの試写が間違いなく明治29年(1896)12月、難波の鉄工所で行われていたのです。そのとき映写した映像もほぼ特定できました。シネマトグラフの京都での試写よりも1カ月ほど早い。
つまり京都が映画発祥地という定説を覆すことになるかもしれません。
2016年は正真正銘、映画上陸120年に当たる。心斎橋の輸入商・荒木和一が単身渡米しエジソンに直談判して輸入したヴァイタスコープ。片や京都の実業家・稲畑勝太郎がフランスから引っさげてきたシネマトグラフ。両者でドラマチックな「攻防」が展開されました。大阪と映画。いかなる関わりがあるのか本書をご覧ください。>


2/1(水)

いま読んでいる新書。
マーティン・ファクラー『世界が認めた「普通でない国」日本』祥伝社新書、2016年12月。
p57
<今のような超大国アメリカになったのは、第二次世界大戦のときだった。フランクリン・ルーズベルト大統領が参戦を決めてから、それこそ必死になって軍事力の増強に乗り出した野田。その時点で陸軍は弱小出会ったし、強い戦闘機も今のような海兵隊もなかった。>

p59
<日本の陸上自衛隊はこの数年、日本にも海兵隊を作るため、カリフォルニアのペンドルトン基地で海兵隊の戦術を学んだが、実はこのペンドルトン基地は戦時中、日本と戦うために作られた基地である。>

インフルエンザ休養のこともあり、明日には成績入力しなくちゃと思う。
今日は9時から17時過ぎまでぎっしり会議。
その合間に、企業研究セミナーが始まったので、清香館の学生たちを覗く。
企業さんたちもそれぞれブースを準備。うちのゼミ生がある企業の設営に手伝っていてびっくり。そう言えば、そこに内定したと言っていたなとあとで気づく。


2/2(木)

朝に成績入力完了。
午後の来客までの間、衆議院予算委員会を視聴。文科省などの天下りについて、国家公務員出身の民進党議員が質問したりしている(文科省の現在高等教育局長で当時の人事課長の拒否の仕方っていかにも小役人の典型なので吹き出してしまう)。治安維持法について首相の考え方を聞いたりもしているが、一番驚いたのは金田とかいう法務大臣の答弁。どうなっているんだろう?

帰って、カーリング(男性ははじめて観た)とか、喜劇映画を楽しむ。
前田弘二『夫婦フーフー日記』(2015年、95分。配給:ショウゲート) 原作:川崎フーフ
佐々木蔵之介:ダンナ(コウタ)
永作博美:ヨメ(ユウコ)
佐藤仁美:エリ
高橋周平:ギテー
並樹史朗:ギフ
http://eiga.com/movie/80502/
<佐々木蔵之介、永作博美主演により、実話ブログから生まれた同名原作を映画化。出会って17年目にしてようやく結婚したコウタ(ダンナ)とユーコ(ヨメ)。入籍直後に妊娠が発覚し、幸せの絶頂のさなか、ヨメの直腸に悪性腫瘍が見つかる。夫婦の一大事を、自分のブログで報告するダンナ。やがてそのブログは、夫婦の闘病記としてつづられていく。夫婦待望の赤ん坊が誕生し、家族の未来に希望をもち始めた矢先、ヨメは病状が悪化し他界してしまう。そんな折り、ブログに書籍化の話が持ち上がり、ダンナは原稿に向き合うことで現実逃避をする。そんな彼の前に、死んだはずのヨメが現れる。原稿をまとめたいのに、ちゃちゃを入れるヨメ。次第にふたりは夫婦として過ごしてきた日々を振り返り、伝えられなかったそれぞれの思いを見つけることになる。「婚前特急」「わたしのハワイの歩きかた」の前田弘二が監督・脚本。>


2/3(金)

夜は、AI・HALL。ウイングフィールドから来ている人が結構多い。そういう割引券も出ていたようだし。
劇団太陽族といえば、音楽がいつもあって、楽しみなのだが、今回はミュージカルに近い音楽劇。レ・ミゼラブルがベースなので、有名なミュージカルもあることから、なかなかの力の入れようだ。それにしても、岩崎さんがスリムになっていてびっくり。

御堂筋線がパリの地下道。ジャン・バルジャンの物語が、船場仁と近未来のダークな大阪のなかで実に活き活きと描かれる。そんなに悲惨に描かれるとおかしいよということがないぐらいに、橋桁のぼるさんの日本じゃったらそうなるよなあ、それも滅亡の最先端としてのカジノ大阪がもう笑うしかないぐらいに明確に現れる。でも、通天閣をこんなに美しく歌ってもらえるとなんかその葬送歌劇もいいものやなあと思えるから可笑しいわけで。

トランプさんとその娘イヴァンカさんの未来。精華小学校幼稚園の未来の工場。
大阪万博の歌。友よ夜明けは・・・・
高校生の梢恵と大学生の真理生の十三の庭の出来事。ロメジュリ?


劇団太陽族『音楽劇 大阪レ・ミゼラブル』AI・HALL、19:35〜21:49、作・演出:岩崎正裕 音楽(ピアノ、ケンハモ演奏):橋本剛、振付:原和代、殺陣:映見集紀(B.E.A.T)。
出演
森本研典(船場仁⇒円社長・区長に) 岸部孝子(帝塚山に住む真理生の母) 篠原裕紀子 佐々木淳子 中西由宇佳 韓寿恵(焼肉屋寺田)
隈本晃俊(未来探偵社、矢部刑事) はしぐちしん(コンブリ団、和尚) 松嵜佑一(A級MissingLink、寺田焼肉屋おやじ) 秋定くるみ(尾崎商店) 浅田ゆりえ 石川信子(不破輝恵) 小野亮子(戦う少年) 北田沙織(梢恵) 進真理恵 趙清香 中嶋悠紀子(プラズマみかん) 髭だるマン(爆劇戦線 和田謙二) 平井佐智子 藤澤賢明(虹色結社、真理生)  米沢千草(エイチエムピー・シアターカンパニー、和尚の妹すみれ)
映像出演 :野田晋市(リリパットアーミー?)

<関西を代表する実力派、劇団太陽族。近未来の大阪をシェイクスピアの悲劇と重ね、虚実織り交ぜながら描いた『大阪マクベス』の続編として、ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を下敷きにした音楽劇を上演します。ダンスや歌を交えてつくりあげる“社会派エンターテインメント”をお楽しみに。
あれから数年が経った未来。大阪府と大阪市はすでに統合され、“大阪都”ができあがっていた。行政サービスの質も落ち、道は穴ぼこマンホールの蓋は開きっぱなし。救急車は呼んでも来ない。推進されたカジノ政策によって、ギャンブル依存症の患者数は増加。貧困層と富裕層の格差は拡大する一方である。区長に成り上がった男の過去を暴こうとする刑事は、執拗に彼を追いつめる。男は追及を逃れながら、圧制に抗おうと立ち上がる青年たちと共に、バリケードに立てこもり・・・。>

15時半からの公演へ。ウイングフィールド。『メイド・イン・ジャパン』、メイド喫茶のことだったんだな。
白バージョン。夜は黒バージョンがあって結末が違うようなのだが(笠井さん)、夜は、大物のミュージカルがあるので、この回のみに。
出演者の半数が関西以外の役者さんで、大阪のDIVEが全国の演劇関係者とつながることもこの公演の目的なのかも知れない。そうそう、下川友梨さんの代わりに、エイチエムピーの森田祐利栄。

抽象的な舞台。撮影所か。
黒い紐、格子。ゴムのようで伸びてそこに顔を突き出して語る。会話劇ではなく独白の集積。それはドキュメンタリー映画づくりのなかでの話でもあるから。

殺されたメイド「タカハシルミ」を回想し、彼女の秘密を探ると言うもの。登場しない「タカハシルミ」や彼女を殺した「サルタヒコ」をいかに想像できるかが脚本のキモか。後者はすこし扱いが薄く、後半、タカハシルミであった前の東京での話をもうすこし膨らませると、ジャパンがいままでの10年間に何を「メイド」してきたのかが重層的に浮かび上がったかも知れない。

DIVEプロデュース公演『メイド・イン・ジャパン』ウイングフィールド、75分
【脚本】土橋淳志(A級MissingLink)
【演出】笠井友仁(エイチエムピー・シアターカンパニー)
彼女の「おかえりなさいませ☆」は魔法の言葉でした。
大阪日本橋の路地裏、メイドカフェ『ゆーとぴあ』で起きた事件。“完全無欠”と呼ばれたメイドの秘密とは?
出演
川上珠来(オイスターズ/愛知県)
西藤将人(劇団ハタチ族/島根県)
佐々木誠(匿名劇壇/大阪府)
清水友陽(劇団清水企画/北海道)
下川友梨(劇団ひまわり/大阪府)
高安美帆(エイチエムピー・シアターカンパニー/大阪府)
野々下孝(仙台シアターラボ/宮城県)
ムーベ(ワタナベエンターテインメント九州事業本部/福岡県)
★ダブルキャスト
白バージョン=しゃくなげ謙治郎(爆劇戦線和田謙二/京都府)・土肥希理子(京都府)
黒バージョン=野村由貴(大阪府)・真嶋秀典(劇団ひまわり/大阪府


節分。恵方巻きという戦後のコンビニ商戦の話とかフランチャイズ支配の話とか。
訂正でんでん(云々)ってなんだろうと思ったこととか、トランプさんはいつまでツイッター発言をするのだろうか、とか。


2/4(土)

昨日はお芝居2本だったのに対して、今日はダンス2本。
アトリエ劇研では、山下残さん。久しぶり。
山下残振付・演出作品『悪霊への道』50分。
ちょっと、北村成美さんのIDを思い出した。バリ舞踊へと近づこうとするのか?
ナンダロウ、山下残さんって、芸を極めるとかそういう卓越性へとめざすのではなく、常に、初心で世界を巡っている感じ。
かるら〜Karula〜さんとの対話が英語と日本語で書かれているのだろうか、影となるかるらさんは本当にお手本なのか、何かの差を見せるためなのか。

ダンスがまだ信仰と分離していない世界に戻ろうとするのか、舞踏にもそういう希求はあったのかも知れないし、骨の響く音の振動音がなかなかに興味深かった。最後の叫びはただごとではない振動があった。これだけでもここで踊る必然が生まれる。
そこに書いてある、でも、そこにはダンスしかない。ダンスなのか、憑依なのか。演出と振付け。カメラから影へ。影から形へ。

山下残 of atelier GEKKEN http://gekken.net/atelier/2016lineup/pg575.html
<バリ島を訪れ伝統舞踊のリサーチを始めた山下残は、観光客として歓待を受けるより、コンテンポラリー・ダンサー=「伝統を侵しにきた現代の悪霊」であることを選択し、そうすることでコミュニテイの論理に自身の場所を見出す。そのプロセスをめぐる師弟の対話とパフォーマンス。>


洛北高校前の一つ北から市バスに乗ったら、座ることはできたのだが、なかなかに京都駅に着かない。
まあ、ちょうどいい時間経過。新大阪駅へ。牛スジカレー。福神漬けとかソースとかあればよかったのに。
さなぎダンス#10。メタモルホール。今日は暖かい。しかし、インフルの後遺症なのか、咳と痰だけが出てしまう。満席。
古川友紀+出村弘美「たいないながれうた」。上念さんが詩の本質から言葉にならぬダンスへの道について話す。声とダンス.
映画『ハッピーアワー』に出ていた出村弘美さん・・・・主人公のひとり、看護士のあかりが諏訪(ワークショップのアーティスト)を訪ねて行く、神戸のバー、そこで出あう諏訪の妹の日向子役。ワークショップなどでも登場していた。

2番めは神戸女学院大の二人GyaaaO!「御結び」。足のダンス。フィリピン?の田植え歌。おむすびづくり。コミュニティダンスを志向しているそうだ。なにせ楽しそう。

最後は、劇団態変に最近参加した二人、立てる小林加世子と立てない松尾大嗣の「宙に吊るされる心、とは」観衆:金満里。小林のケンケンの威力はなかなかだった。
基本的には、ふたつのソロとして一応鑑賞できたなと思うし、新しいパフォーマーの挑戦がまた続くことってほんとに大事だろうとも感じた。

2/5(日)

インフルエンザは治ったが、痰がからむ咳だけが残っている。妻も同じく。
何もしない日曜日。将棋番組、カーリング試合、歌番組で島津亜矢の「恋人よ」。

読み終わった新書。
牧村 憲一『「ヒットソング」の作りかた―大滝詠一と日本ポップスの開拓者たち』 (2016年、NHK出版新書 )
p113 <プロデューサーの仕事とは、「創る」「伝える」「つなぐ」「続ける」という四つの「つ」をする、そして、そのつべてに責任を持つことだと僕は思っています。>

あと、三浦光紀(ベルウッド・レコード)さんは、プロデューサーのしごとは「アーティストに最高の環境を用意すること」と言っていて、それに加えて牧村さんは「アーティストに問いかけること」も大事だと言う。

<伝説の名プロデューサーが、あの「名盤」誕生の真相を明かす。
なぜ彼らの歌は色褪せないのか? シュガー・ベイブや竹内まりや、加藤和彦、フリッパーズ・ギター、そして忌野清志郎+坂本龍一の「い・け・な・い ルージュマジック」など……、数々の大物ミュージシャンの音楽プロデュースを手掛け、今日まで40年以上業界の最前線で活動を続けてきた伝説の仕掛人が、彼らの素顔と、長く愛され、支持され続けるものづくりの秘密を明らかにする。>
<YMO、伊武雅刀、忌野清志郎(RCサクセション) 、大滝詠一、加藤和彦、小室等、坂本龍一、サディスティック・ミカ・バンド、ザ・フォーク・クルセダーズ、シュガー・ベイブ、鈴木茂、センチメンタル・シティ・ロマンス、高橋幸宏、竹内まりや、細野晴臣、吉田拓郎 ほか多数>



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