こぐれ日録 KOGURE Diary 2017年1/23〜1/29


こぐれ日録1042 2017年1/23〜1/29A

1/23(月)

面白い映画を観た。ウディ・アレン『ミッドナイト・イン・パリ』。
タイムスリップものだけど、1920年代のパリ、とくにそこにいたアメリカ作家や音楽家(コール・ポーター)の姿が面白い。フォークナーはいたんだっけ?

ウディ・アレン『ミッドナイト・イン・パリ』2011年、94分。スペイン製作。
監督/脚本:ウディ・アレン
<映画脚本家で処女小説の執筆に悪戦苦闘中のギル・ペンダー (オーウェン・ウィルソン) は婚約者のイネス (レイチェル・マクアダムス) とその裕福な両親とともにパリを訪れる。ギルはパリに住みたいとさえ考えているが、イネスはマリブに住むと言って聞いてくれない。2人はイネスの友人ポール (マイケル・シーン) と遭遇し、ともに街を回る。イネスはポールを気に入っているものの、彼が偉そうに語る歴史や芸術の薀蓄には間違いが多く、インテリぶったポールがギルにはどうにも鼻持ちならない。
ある夜の12時、ギルは酒に酔ったままパリの街をうろついていると、アンティークカーが止まり、車中の1920年代風の格好をした男女がギルを誘う。そして向かったパーティには、コール・ポーター、F・スコット・フィッツジェラルドと妻ゼルダがいた。そのパーティはジャン・コクトーのパーティだった。そこでギルは、彼が愛して止まない1920年代に来ていたことに気づく。・・・現代と1920年代を行き来しながら、婚約者イネスとの関係とアドリアナに魅かれる自分に悩むギル。しかし、シュルレアリストである、サルバドール・ダリ(エイドリアン・ブロディ)、ルイス・ブニュエルとマン・レイからは、「それはごく自然なことだ」と言われてしまい、ますます頭を抱える。 そして、ギルとアドリアナが初めてキスを交わした晩、2人の前に19世紀のベル・エポック時代を思わせる馬車が停まった…。>

http://lifeismine.me/archives/5236 より
<大好きな1920年のパリ。セーヌ左岸のモンパルナス。
ピカソ、ヘミングウェイ、シャガール、ダリ、マティス、レオナールフジタ、モディリアニ、マン・レイ。そして大好きなコールポーター。>

読み終わっている平野啓一郎『顔のない裸体たち』(新潮文庫、2008年。単行本は2006年)。
http://www.shinchosha.co.jp/book/129038/ より
<地方の中学教師・吉田希美子が出会い系サイトで知り合ったのは、陰気な独身公務員・片原盈だった。平凡な日常の裏側で、憎悪にも似た執拗な愛撫に身を委ねる彼女は、ある時、顔を消された自分の裸体が、投稿サイトに溢れているのを目にする。その時、二人は……。人格が漂流するネット空間を舞台に、顰蹙の中でしか生きられない男女の特異な性意識と暴力衝動に迫る衝撃作!>

風邪をすこしひいたみたいで、早く寝ようとしてなぜか寝付けず、寝床で珍しく苦しむ。体重計がどうもおかしいようだが、体重もアップ。


1/24(火)

少し前に読んだ本。鳥畑与一『カジノ幻想―「日本経済が成長する」という嘘』(KKベストセラーズ、2015年)。リゾート法を思い出す。サミュエルソン経済学の話は懐かしかった。地域振興に外部からの特効薬はいままでもこれからもないだろうし。

カジノは日本を幸福にするのか!? IR型カジノの"危うさ"を解明『カジノ幻想』 http://news.mynavi.jp/news/2015/04/11/032/
<では、推進派が主張する「カジノで日本経済が成長する」は真実なのか。著者は、「ゼロサム」「カニバリゼーション」「ジャンケット」「コンプ」などのキーワードからIR型カジノの危うさを解明。カジノの危険性と、そこに残された可能性から、カジノが日本を幸福にするのかを問い直している。>

鳥畑与一『カジノ幻想―「日本経済が成長する」という嘘』(KKベストセラーズ、2015年) http://casino-ir-japan.com/?p=5375
<鳥畑氏の講演を、昨年4月「全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会総会」の会場で聞いた。
アメリカ・アトランティックシティのカジノ産業衰退の話を、数字を使って語っていたが、失敗の話は後からいくらでも語れるだろう、という印象だった。この本も同じような読後感である。
本書はそれらの例や推進派が語っていることに反論を加えている。もしそれが事実ならば、それを反面教師にすればいいのではないかと思う。
ただ、鳥畑氏が語るように、IR=カジノの議論は現状「別の土俵からの空中戦」であることは事実である。さらに国会では政治色が反映されて、歩み寄りの余地はない。
情緒論ではなく、推進派が使用する数字に対して、きちんと数字で反論したのは大きな意義がある。>

校務のあと、早く帰る。
珍しく発熱。37.5度。今朝は20時頃から途中何度も起きたが睡眠がとれて頭もスッキリする。


1/25(水)

去年のTVアニメ4本を「完全版」としてつなげたもので、もともと、新海誠さんの短いモノクロームの作品があり、それが「原作」であるという。映像の「原作」って、小説など文学というイメージがあったので、こういうのもあるんだとあとで原作を視聴した。猫のナレーションがいい味。

「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」完全版(2016年、27分)
原作 - 新海誠(2000年、4分46秒)
監督 - 坂本一也
シリーズ構成・脚本 - 永川成基
キャラクターデザイン・総作画監督 - 海島千本
動画監督 - 田村太陽

彼女 声 - 花澤香菜 就職活動に追われている短大生。アパートで友人とルームシェアをしていたが先に出て行かれ、同居にしているのは猫のみ。
黒猫 声 - 浅沼晋太郎物語の語り手。10才程度の黒いオスの老猫。名前は「ダル」。
友人 声 - 矢作紗友里 彼女の小学生の頃からの親友。派手な容姿で、彼女とルームシェアをしていたが一足先にアパートを出て彼氏との生活を始める。名前は「ともか」。一緒に暮らしていたダルに懐かれる事は無かった。
母親 声 - 平松晶子 彼女の母親。彼女が小学生の頃にダルを家に連れて来た。


昨日の帰りからおかしかったのだが、身体が熱くてひょっとしたら熱が出たか?と思い測ってみると37.7度とか38.5度とかいう表示。熱が出ること自体最近経験していなかったので、朝一番に診療を受ける(下野医院)。

鼻の穴にコヨリのようなものを入れられて、10分ほど検査で待つ。インフルエンザA型とのこと。結構早く分かるものだ。
治療法は、吸入、点滴、投薬の3つがあります。どれにしますか?と言われ、一番効く物を、と言えど、人それぞれだと言うし、困ったが、あっという間に終わるという吸入を選択した。
イナビルというもので、口で吸うだけ。看護師さんが、持ち方などを教えてくれるのであっけなく終わる。それも1回だけ。
熱が下がってからその日を数えず2日は外に出てはいけないとのこと。

イナビルが効いたのだろう、19時に測ったときは37.0度、寝る前に36.9度に(翌朝は36.5度でいつもと同じように動けるようになる)。


1/26(木)

平熱。ただ、すこし頭痛と風邪のような症状あり。
食欲もぼちぼち戻る。ただ、2時間寝ると一度起きてしまう。
途中にしていた文庫本、前川裕『クリーピー』(2014年、光文社文庫、2012年単行本)を読み終える。映画を先に観ていて、前半分中心に映画化したと黒沢清監督がいっていたことを思い出しつつ、原作と映画との関係の一助になりそうだ。まあ、病気の時に読むのがいいのかどうか分からないが僕はまあ大丈夫なほうで。

割りと違うなあと思ったのが「私」である高倉という大学教授ということで、もと警察官である様子はなく、どちらかというとアカデミックな犯罪進学者。ゼミのことなども詳しく、作者の前川さんが本物の大学教授(比較文学、アメリカ文学の専門)だからだそうだ。足の不自由な同級生がピアニストになる話など映画では描かれないあれこれもあり、原作もまたなかなかに面白さが潜んでいた。

授業のためのメモ(主に新しく始める劇場文化論)
「劇」。演劇と劇場、劇画と画劇
演劇と映画とに共通するもの(すべての演劇、映画でなくてもいい)・・・・俳優(役者、声優)、物語(脚本、シナリオ)、会館(劇場、映画館)、演出、(観客)
演劇と映画との違い・・・・いつが完成時か、一回性、観客(観衆)の態度が上演(上映)に与える影響、上演時に音響、照明。撮影・編集時に音響、照明

<ミュージカルでは、演出にも著作権がある。『ミス・サイゴン』にあっては、ヘリコプターは世界中どこでも同じ装置で同じように飛ばねばならない。『オペラ座の怪人』冒頭で客席に落ちんばかりのシャンデリアはどこの劇場でも同じである。異なる工夫をすることができない。つまり丸ごと著作権のある上演である。これは単に商業主義による結果ばかりでなく、演劇の映画化、映画との折衷化努力とも言うべき姿である。観点を変えて言えば、演劇の商品性の追求とも言うべき姿である。商品というものは大量に生産されるが、どれも同じクオリティ、同じ外観と同じ使い勝手を持たなければ意味がない。>
p10 安藤貴之「? 演劇とは何か」『ヨーロッパ演劇の形』より

夜、妻が咳き込む。ひょっとして移したか?


1/27(金)

昨日から今日にかけて見終わる。後半の3〜4話あたりは観ていたが、細部を忘れていたりしていて、結構新鮮。
テレビドラマ『重版出来!』1話〜10話。
<2016年4月12日から6月14日まで毎週火曜日22時00分 - 22時54分に、TBS系の火曜ドラマ枠にて放送された。黒木華は本作がテレビドラマ初主演となる。全10話構成で各エピソードごとに中心人物を変えて描いている。>
制作局:TBS
演出:土井裕泰、福田亮介、塚原あゆ子
原作 松田奈緒子『重版出来!』
脚本:野木亜紀子
プロデューサー:那須田淳、東仲恵吾、八尾香澄
出演者:黒木華、オダギリジョー、坂口健太郎、荒川良々
    永岡佑、小日向文世、要潤、滝藤賢一、永山絢斗
    ムロツヨシ、高田純次、安田顕、松重豊

夕方になると、平熱になって3日目ということになった。
妻がたぶん僕のインフルエンザに罹患したと思うのだが、なかなか明確に診断されない。夕方、付き添って耳鼻咽喉科経、ここではっきり。だけどイナビルを吸入することすらできなく、記憶も曖昧で身体もふらふらしている。
そこでは点滴はやっていないということで、もう一度、僕を診断した医院にいき点滴してもらう。
(翌朝、37.3度になっていてほっとする。それよりも普段の妻に戻っていてそちらがより安堵)。


1/28(土)

津あけぼの座でこの前の公演『コーラないんですけど』の帰りに購入していた劇団、渡辺源四郎商店さんのDVD『俺の屍を越えていけ』を鑑賞する。70分なのにとても濃密。観終わって感涙。
あとでこの戯曲が全国各地で上演され続けているというのは実に納得できるし、2002年当時のリストラ状況や地方都市の縮小など、時代は全然良くなっていないこともまたその理由の一つだろう。

主役の三沢(青森市のARBという放送局のラジオ番組を作っている新人さん)役がダブルキャストでDVDでは、音喜多咲子さんがやっていて(津で観たときは、中心の三上さんと工藤さんに対してコンビニお姉さんとか戦闘員確保キャラとかしていた)、我満さんバージョンは2分ほどだが別に入っている。三沢が主役と書いたが、6名の密室劇なのでそれぞれの立場とふるまいの個性が描かれている。

更にアナログの技術部のムナカタ部長についても、登場しないが、その振る舞いや言葉が間接的に鮮明に見えてくる。また、退職して東京に帰るという若手のウツノミヤさん(昨夜の送別会の他愛もない話から入る)も、きっとこういう状況だったんだろうなと想像できたりする。

三上さんが作っている番組「朝の一工夫」(いまはアナウンスも自分でしていてそれをアナウンサーの郡山さんに依頼している)は、「つるし」の番組。この「つるし」って業界用語みたいで、スポンサーの付かない番組のことらしく、テレビなどでも問題がでてACジャパンになったりするのと同じ処置になっているのだろうか。
青森の民放には、青森放送RAB、青森テレビATV、それに青森朝日ABAがあるようで、RABだけにラジオ局がある。お芝居ではフィクションとしてのARBで、どうも青森りんご放送のようらしい。

渡辺源四郎商店第25回公演/なべげん日曜劇場『俺の屍を越えていけ』(70分、平成28年度アートで音楽のあるまち青森 文化芸術創造活動助成事業)
会場:渡辺源四郎商店しんまち本店2階稽古場
作・演出:畑澤 聖悟
出演:三上晴佳(郡山、アナウンサー)、工藤良平(東根、組合青年部長、営業部)、音喜多咲子(三沢、ラジオ制作部ディレクター、ダブルキャスト:我満望美)、佐藤宏之(テレビディレクター)、夏井澪菜(松島、報道部)、野倉匡泰(北上、組合員、技術部)
2002年の初演から密室会議劇の真骨頂と評判を呼び、今なお全国で上演され続けている畑澤聖悟の人気戯曲を畑澤自身の演出で上演。短編版が日本劇作家大会2005熊本大会・短編戯曲コンクール最優秀賞を受賞。
ドラマターグ・演出助手】工藤千夏
【音響】藤平美保子
【照明】中島俊嗣
【美術】山下昇平
【舞台監督】中西隆雄
【宣伝美術】工藤規雄+渡辺佳奈子
【主催・企画・制作】なべげんわーく合同会社

http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1225172449.html より
<あるローカル放送局の会議室に6人の若手社員が集められた。彼らは社長より密命を与えられている。
 入社二年目、制作部の三沢のいる会議室に、三年目の報道部、松島が入ってくる。陽気に話す二人だが、どこかしら気が重そうだ。三沢と同じ入社二年目、技術部の北上(玉置玲央)は、純朴な組合の青年。次にあからさまに不機嫌なアナウンサー部の郡山、若手で一番のやり手で、三沢の上司にあたる制作部の本荘(原田紀行)も入室してくる。最後に正義漢の組合員、営業部の東根が、大口の営業を成功させたと入室し、全員がそろった。
 ●●●を1名、この場で決定しなければならない。かくして気の重い話し合いが始まるのであった。
・・・・
 会議室を舞台にしたワン・シチュエーション会話劇です。「こういう話し合いがあること自体が、いけないことだ」と誰もが思っているのだけれど、会社勤めのサラリーマンは上司の強い要求には逆らえません。登場人物それぞれの葛藤は納得のいくものばかり。現実をしっかり見つめて筋を通しながら、主張も堂々と盛り込んだ戯曲でした。作家の男気を感じます。>

2002年の作品だとあとで知ったが、番組の優劣を言うところで、青森戦災のドキュメンタリーについて言及していて、これは2016年に青森中央高校が演劇化したドキュメンタリーだろうと思わせたりもする。
全国でどのようにこの台本が翻案されるのかも興味深い。地元の放送局に置き直すのか、そのまま青森弁でするのか・・・

1/29(日)

ちびまる子ちゃんの1990年からの古いDVDチェック。将棋の対戦録画。ついでに囲碁も観るがルールが分からないことをまた分かってしまって、ダメじゃこりゃとなる。

あとは、録画していた映画をのんびり楽しむ。
緒方明『のんちゃんのり弁 』(107分、2009年、キノフィルムズ)
原作:入江喜和
<生活力がなくいいかげんな夫と離婚したヒロイン・小巻は、小学生の娘・乃里子(のんちゃん)と一緒に、墨田区京島の実家に出戻る。小料理屋で働きながら、夢である弁当屋開業に向かって持ち前のバイタリティで明るく頑張る。>
永井小巻:小西真奈美
永井小巻(中学時代):水野絵梨奈
永井乃里子(のんちゃん):佐々木りお
永井範朋:岡田義徳
川口建夫:村上淳
川口建夫(中学時代):小林拓人
玉川麗華:山口紗弥加
戸谷長次:岸部一徳
原フミヨ:倍賞美津子
八百屋店主:徳井優


(参考)
【映画評】のんちゃんのり弁 (2009) - 未完の映画評http://cinema.filmcrew.jp/2009/10/post-e9db.html

ようやくお風呂に入ってスッキリ。
明日から通常運転。
今日までなんだか身体がなまっているが、まだすこしの頭痛、時折の痰のからみ、鼻汁に血が混じること・・・



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