こぐれ日録 KOGURE Diary 2017年2/6〜2/12


こぐれ日録1044 2017年2/6〜2/12A

2/6(月)

歯医者さんで定期検査。去年の夏は虫歯が見つかったが今回はセーフ。
ただ、上の歯の隙間への歯ブラシを入念にすることが課題。裏からブラッシングすると血。これを追加的にブラッシングしていくと出なくなるとのこと。

山科区役所へ。マイナンバー関係。
大学には行かずに、確定申告を帰ってする。

観た映画。タイトルからして辛そうなものだったし、ラスト近くまではその気配強し。
でも、ボスニアからの難民母子(アミラとミロ)の強さと、スウェーデンから来た母子(リヴとビー)の脆さが、クロスしていくあたりのさじ加減がいいなと思った。どちらも学校には行っていない。ただビーは軽い自閉症で体操教室に行くという選択をしているようでもある。

あと、ミロらの屋根伝いの逃亡。バッハの平均律あたりを無音で弾くアミラ、ボスニアのサラエボではピアノの教師だったのかも知れない。売春婦の存在も謎が多くてグッド。

アンソニー・ミンゲラ『こわれゆく世界の中で』(2006年、119分。Breaking and Entering。配給:ブエナビスタ、英国・米国)
監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ
製作:シドニー・ポラック、アンソニー・ミンゲラ、ティモシー・ブリックネル
音楽:ガブリエル・ヤレド、アンダーワールド
ウィル:ジュード・ロウ
アミラ:ジュリエット・ビノシュ
リヴ:ロビン・ライト・ペン
ビー:ポピー・ロジャーズ
ミロ:ラフィ・ガブロン
サンディ:マーティン・フリーマン
<治安の悪いロンドンのキングス・クロスで、都市の再開発計画を進める建築家ウィル(ジュード・ロウ)。美しい恋人リヴ(ロビン・ライト・ペン)と彼女の娘ビー(ポピー・ロジャース)とともに暮らす彼は、オフィスの窃盗事件をきっかけに出会ったボスニアの未亡人アミラ(ジュリエット・ビノシュ)に心引かれ始める。>

アンソニー・ミンゲラ(1954年1月6日 - 2008年3月18日)
<ノースヨークシャー州のハル大学卒業後、舞台を手がけたり、脚本家として活躍。1984年に舞台『Made In Bangkok』でロンドン劇場批評家賞脚本賞を受賞する。1991年に『愛しい人が眠るまで』映画監督としてデビューし、英国アカデミー賞脚本賞を受賞する。1996年公開の『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー監督賞を受賞。1999年公開の『リプリー』ではアカデミー脚色賞にノミネートされた。>

もう一つ。カラーになったダグラス・サークのメロドラマ。石油会社が支配する田舎町。
4角関係ってどこか無理があるようにも思っていたが、そこはスルリとうまくまとまっていく。ローレン・バコール扮する秘書が知的だけれど、一目惚れするぐらいかどうか、ちょっと微妙かも。ドロシー・マローン扮する妹の存在が一番心に残る。お父さんの石油会社を嗣ぐのだろうな、ミッチとの結婚は無理なんで。

ダグラス・サーク『風と共に散る』(1956年、99分、ユニバーサル・ピクチャーズ。Written on the Wind)
<石油富豪の邸に巻き起る激しい愛情の四角関係を描写したメロドラマ。ロバート・ワイルダーの小説から「四角いジャングル」のジョージ・ザッカーマンが脚色し、「自由の旗風(1955)」のダグラス・サークが監督する。撮影は「死の脱獄者」のラッセル・メティ、音楽はフランク・スキナー。フォア・エイセズ四重唱団によって歌われる主題歌は、サミー・カーン、作曲ヴィクター・ヤング。主演は「自由の旗風(1955)」のロック・ハドソン、「中共脱出」のローレッン・バコール、「紅の翼(1954)」のロバート・スタック、「復讐に来た男」のドロシー・マローン。>

<ミッチ・ウエイン(ロック・ハドソン)はハドリイ石油会社の信頼熱い社員。道楽者の若主人カイル・ハドリイ(ロバート・スタック)の親友であり顧問でもあった。彼は傍系会社の重役秘書ルシイ(ローレン・バコール)と知り合い、彼女をカイルに紹介した。カイルは一目ルシイを見て恋をし、自分の飛行機に誘ったり豪華な衣装を註文してやったりした。ルシイは初め金持ち息子の気紛れと思っていたが、放蕩者らしく見えても彼の心の寂しさにひかれ、その愛を受け入れた。2人は結婚した。それはルシイを愛するミッチに打撃を与えた。が彼は結婚がカイルを立て直すだろうと2人を援助する決心をした。結婚以来カイルの人柄は変わった。酒を断ち、強迫観念から身につけていた拳銃も捨てた。彼の父石油王ジャスパーはルシイに感謝した。ところがカイルの妹マリリー(ドロシー・マローン)はルシイを皮肉な眼で見ていた。彼女は幼い時からミッチを愛していたが、妹としか愛してくれないミッチへの不満からふしだらな生活を続けていた。結婚1年の祝賀会のとき、子供の生まれぬのを心配したカイルは医師に相談した。医師はルシイに異状はないが、カイルに僅かの障害があると告げ治療を勧めた。しかしカイルは絶望し再び飲酒に浸るようになった。その間にマリリーは兄にルシイとミッチが愛し合っていると告げた。・・・・・>


2/7(火)

午前中、打ち合わせ。
原作の小説、伊藤計劃『虐殺器官』(ハヤカワ文庫、2010年、装幀:水戸部功。単行本は2007年)を読み終えたところ、アニメ映画が映画館でやっていると知って、梅田へ。
TOHOシネマズ梅田別館。

村瀬修功(脚本も)『虐殺器官』2017年2月3日からの公開。115分。配給は東宝映像事業部。制作会社が倒産して違う制作会社に引き継がれて公開まで持っていったとのこと。
原作を読んだ直後だったので、脚本のアレンジで同僚たちの死に方など変わっていて、その理由を考えたりしつつ観た。エピローグの原作をなくしたのは、トランプさんへの配慮ではないのだろうが、ちょっと色々思ったりするのも今時だからかも。

<2009年に34歳の若さで病没した作家・伊藤計劃が06年に発表し、07年に刊行された長編デビュー作をアニメーション映画化。世界の紛争地帯を飛び回るアメリカ軍特殊部隊のクラヴィス・シェパード大尉に、ジョン・ポールという謎のアメリカ人を追跡せよとのミッションが課せられる。世界各所で起こる紛争や虐殺の影には、優秀な言語学者だったというジョンの影がちらついていたが、いつも忽然と姿を消してしまうという。ジョンがチェコに潜伏しているという情報を得たクラヴィスは、追跡を開始するが……。伊藤計劃の残したオリジナルの長編3作品を映画化する「Project Itoh」の1作。監督は、「機動戦士ガンダムW」のキャラクターデザインなどで知られるアニメーターで、06年にWOWOWで放送されたオリジナルのSF作品「Ergo Proxy」では監督も務めた村瀬修功。>


2/8(水)

校務の日。

天下り斡旋案件のための基礎知識を整理しておく必要がある。まずは、国家公務員法から。

http://www5.cao.go.jp/kanshi/gaiyou.html
国家公務員法に規定する再就職等規制は、
1 他の職員・元職員の再就職依頼・情報提供等規制
2 現職職員による利害関係企業等への求職活動規制
3 再就職者(元職員)による元の職場への働きかけ規制
の3つの規制があります。

1 他の職員・元職員の再就職依頼・情報提供等規制(国家公務員法第106条の2)
職員が、営利企業及び営利企業以外の法人(以下「営利企業等」という。)に対し、
他の役職員又は役職員であった者(以下「役職員等」という。)を、当該営利企業等又はその子法人に再就職させることを目的として、
ア) 当該役職員等に関する情報を提供すること
イ) 再就職させようとする地位に関する情報提供を依頼すること
他の役職員等を、当該営利企業等又はその子法人に再就職させるよう要求又は依頼すること
は禁止されています。

2 現職職員による利害関係企業等への求職活動規制(国家公務員法第106条の3)
職員が利害関係企業等に対し、
離職後に当該利害関係企業等又はその子法人に再就職することを目的として、
ア) 自己に関する情報を提供すること
イ) 再就職しようとする地位に関する情報の提供を依頼すること
再就職することを要求又は約束すること
は禁止されています。

国家公務員法 第八節 退職管理 第一款 離職後の就職に関する規制
(他の役職員についての依頼等の規制)
第百六条の二  職員は、営利企業等(営利企業及び営利企業以外の法人(国、国際機関、地方公共団体、行政執行法人及び地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第二項 に規定する特定地方独立行政法人を除く。)をいう。以下同じ。)に対し、他の職員若しくは行政執行法人の役員(以下「役職員」という。)をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人(当該営利企業等に財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。)を支配されている法人として政令で定めるものをいう。以下同じ。)の地位に就かせることを目的として、当該役職員若しくは役職員であつた者に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該役職員をその離職後に、若しくは役職員であつた者を、当該営利企業等若しくはその子法人の地位に就かせることを要求し、若しくは依頼してはならない。
第2項以下略

(在職中の求職の規制)
第百六条の三  職員は、利害関係企業等(営利企業等のうち、職員の職務に利害関係を有するものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)に対し、離職後に当該利害関係企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは当該地位に関する情報の提供を依頼し、又は当該地位に就くことを要求し、若しくは約束してはならない。
第2項以下略

今度の文科省事案では、3つの規制のうち「他の職員・元職員の再就職依頼・情報提供等規制」と「現職職員による利害関係企業等への求職活動規制」違反ということになる。ただし、罰則はない(第百九条参照)ので、懲戒処分のみ。前川前事務次官は2ヶ月の十分の一減給。ところが1月で依願退職したので、減給されることもなく、5600万円とかの退職金はゲット。

天下り斡旋で辞任、文科省前事務次官の「華麗すぎる人脈」(伊藤 博敏) | 現代ビジネス | 講談社(1/2) http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50936
<文部科学省が、リクルート事件以来の激震に見舞われている。リクルート事件当時は事務次官が収賄容疑で逮捕され、今回は前川喜平事務次官(依願退職)が、審議官時代に自ら天下りの斡旋に口利きをしていたことが発覚した。
内閣府の再就職等監視委員会による調査を欺くため、人事課を中心に口裏合わせや想定問答まで作成していたことなどは、事務次官の単独犯罪だったリクルート事件に比べ、むしろ悪質といえる。映像は残酷だ。7日に行なわれた衆院予算員会の集中審議で、前川氏は「万死に値する」と頭を下げたが、違法性の認識については否定、死を持って償うほどの反省をしている様子はなかった。
文科省の天下り斡旋問題には二つのルートがある。ひとつは、人事課OBの嶋貫和男氏が、受入先の学校法人などと文科省を仲介し、人材をマッチングしていたルート。もうひとつは、前川氏が審議官時代に自ら斡旋の口利きをしたルート。
前者は国会審議のなかで、システムとしての組織的斡旋の構図が浮かび上がっているが、前川ルートはその陰に隠れて、それほど注目を集めてはいない。
1月20日に公表された監視委の報告書によると、当時文科審議官だった前川氏は、ある法人に再就職していたOBに対し、後任に他のOBを再就職させることを目的に退任の意向の有無を確認し、再就職先の情報提供を依頼するなどして法に違反した、としている。
ある法人とは、文科省の歴代幹部が長年にわたり天下りを続けている「文教協会」という団体を指す。今回の問題を受けて松野文科相が、補助金の支出や取引の停止を表明すると、突如解散を宣言したあの団体である。文科省がOBを食わせていくための丸抱え組織であり、天下り利権のひとつといわれるゆえんだ。
依願退職した前川氏は、推定5600万円の退職金を手に次官を追われたが、文科省幹部たちは「前川さんは退職金なんてなくても遊んで暮らせるはず」と異口同音に話す。その根拠となるのが、前川氏の華麗な人脈だ。麻布高校、東大法学部を卒業した前川氏は1979年4月に旧文部省に入省。初等中等教育局担当の審議官、官房長、文部科学審議官などの要職を歴任したあと、2016年6月に事務次官に就任した。入省時から「将来の事務次官」と期待されていた前川氏の出世とともに一族の威光にも注目が集まった。>

http://www5.cao.go.jp/kanshi/houdou.html
[文部科学省職員及び元職員による再就職等規制違反行為が疑われた事案に 関する調査結果について] 平成29年1月20日  再就職等監視委員会
当委員会は、標記事案について、国家公務員法(昭和22年法律第120号。以下「法」という。)第106条の20第1項に基づき、平成28年12月1日に委員会調査の開始を決定し、調査を実施しました。
この調査は、文部科学省大臣官房人事課職員による法第106条の2に規定する他の役職員についての依頼等の規制違反の疑い及び元文部科学省局長による法第106条の3に規定する在職中の求職の規制違反の疑いがあったこと、さらに当該再就職等規制違反行為について、文部科学省大臣官房人事課職員が隠ぺいを図ったことが認められたことから、法第106条の20第1項に規定する「特に必要があると認めるとき」に該当するものとして、委員会調査を行ったものです。
この委員会調査の結果、当委員会は昨日、
? 文部科学審議官及び文部科学省大臣官房人事課職員(役職はいずれも当時。以下同じ。)が、法第106条の2第1項の規定に違反する行為を行ったこと
? 元文部科学省局長が、在職中、法第106条の3第1項に規定する利害関係企業等である法人に対し、同項の規定に違反する求職行為を行ったこと
? 文部科学省大臣官房人事課職員らが、?及び?の行為の発覚を免れるため、再就職等監察官に対し、隠ぺい行為を行ったこと
? 文部科学省大臣官房人事課は、法が規定する再就職等規制を潜脱する目的で、文部科学省OBを介して再就職あっせんを行っていたこと
を認定し、文部科学省に対し調査結果を通知しました。本件調査結果等は次のとおりです。
【本件調査結果】
ア 文部科学省大臣官房人事課職員Y及びZは、上司である人事課長Xに報告の上、役職員である局長Vを、Vにとって利害関係企業等に該当する法人Aに再就職させることを目的として、Vの履歴書を作成・送付し、法人Aと採用面談の日程調整をするなどし、XもY及びZと共同して、法第106条の2第1項に違反したものと認定した。
イ 文部科学省局長Vは、利害関係企業等に該当する法人Aに再就職することを目的として、人事課職員Y及びZとともに履歴書を作成し、ZがVの履歴書を法人Aに送付した。また、VはY及びZを通じて法人Aとの面談日程の調整をした。これらは、いずれもVが在職中に行われ、実質的にはVの法人Aに対する求職活動であり、Vは法第106条の3第1項に違反したものと認定した。
ウ 文部科学省大臣官房人事課職員P及びQは、Zと協議の上、再就職等監察官に対し、人事課職員だったX、Y及びZ並びに元局長Vの再就職等規制違反行為が発覚することを免れようと、文部科学省OBで法人Aに再就職していた元職員Wを仲介とする虚偽の再就職等経緯を作り上げ、その旨関係者に供述させるなど、関係者と当該事案の隠ぺいを図った。
エ 文部科学省大臣官房人事課長であるOは、上記ア及びイの再就職等規制違反行為を認知し、部下であるP及びQによる上記ウの隠ぺい行為を認知したにも関わらず、法第106条の16に規定する違反行為の疑いに係る任命権者の報告をしないで、かえってこれを黙認し、上記ウの隠ぺい行為に加担した。
オ 当委員会の上記アからエまでの調査過程において、文部科学省大臣官房人事課は、元人事課職員で文部科学省OBであるRに対し、法人等からもたらされた求人情報や、現職・退職予定者・OBの個人情報等、様々な情報を伝え、Rによる再就職あっせんを行わせていたことが判明した。これは、法が定める再就職等規制を潜脱する目的をもって、当該枠組みを構築して運用していたものであった。
カ さらに、文部科学審議官Sは、上記オの枠組みを利用して再就職あっせんに関わっていたほか、ある法人に再就職していた文部科学省OBに対し、後任に他の文部科学省OBを再就職させることを目的として、その退任の意向の有無を確認して、再就職先の地位に関する情報の提供を依頼し、また、文部科学省退職予定の出向職員に退職後の再就職先を示して意向を打診し、それをOBを介して再就職先に伝えるなど、法第106条の2第1項に違反したものと認定した。
また、同様に人事課職員Y、P及びQも上記オの枠組みを利用した再就職のあっせんにおいて自ら同項に違反する行為を行ったものである。
・・・・
文部科学審議官S=前川喜平さん
参考
文科省;「天下り」をあっせん 元幹部、早大へ再就職 事務次官辞職 http://tamutamu2011.kuronowish.com/monkasyouamakudari.htm


2/9(木)

アトリエ劇研へ。18時半受付、18時45分開場、19時すぎ開演。烏丸ストロークロック×庭ヶ月 共同連作「『凪の砦』総収編」。20:39まで。100分ということだったが、少し短かったかも。満席。いままでのシーンが結構入って3時間ぐらいになるのでは?と思っていたのでほとしたような少し残念なような。

正面に大きな塀。建物であるとともに、自然と向かい合う人間界の境。あるいは、生と死のハザマ。落ち葉。中に折りたたみ椅子が埋もれているのが上手い。落ち葉のところが外と建物をつなぐ径路。そのなかが演技空間。
いままで4回ほどの短編を纏める。これはあったなあとか、あれはなかったなあ(例えば、骨を砕くシーンやお神楽の練習シーンなど心に残っているものも結構あった・・・)と思いつつ、なるほど、こういう枠を作ったのかと、福祉の財団の男(この男もあるときは、利用者さんの身体になる)を案内する初めとラストを眺める。

複式夢幻能か。福祉財団の男はお経も唱えることもできるので、まるで、お能のワキの旅の僧の用。かれはワキとして物語を眺める。ただ、シテは、三ツ山養生所の所長や職員さんかというとそれだけでもないと思う。つまり、いつも語られるターミナルケアされている利用者さんが本当の主役なのではないか。そして、2階にいる利用者さんに右往左往するスタッフもまた不在の家族との関係が現れて。

劇団“庭ヶ月”はいままでの劇団的ハイアラーキー(主宰、演出を頂点とする形)とは違うコミュニティ活動から生まれ育っているというアフタートークを聞きながら、多分、この物語も自分たちのコミュニティへの演劇的な応答なのだろうな。

所長夫婦が、過去(東日本大震災当時)、宗教布教アウトリーチのために「ヨシエ」さんと交流するシーンはじめ、阪本麻紀さんがいつも以上に急迫する演技で迫り、今までよりも、そのテンションが引き締まる感じがする。これもお能的な序破急のテンションなのかも。

岡村里香さんは体調不良のため京都公演は降板。どのように調整したんだろう?

http://www.karasuma69.org/posts/1789690
【タイトル】烏丸ストロークロック×庭ヶ月 共同連作『凪の砦』総収編
【作・演出】柳沼昭徳 
【音楽・演奏】山崎昭典
【出演】阪本麻紀 西村貴治 たなべ勝也
 生坂美由紀 岡村里香 角谷明子 澤雅展 図師久美子 長谷川直紀 柳泰葉
<本作品は当団体と、劇団“庭ヶ月”とが、現代の“死生観”をテーマに『凪の砦』シリーズとして、共通の舞台設定と登場人物によって、2016年3月より連作した5つの短編作品を、柳沼の脚本・演出で新たなエピソードを加え総集編として再編する作品です。
 今回、本団体と共同で創作を行ってきた庭ヶ月は、柳沼が各地の市民演劇やワークショップ公演の現場において実践してきた、集団創作の効果を活かし、個々が主体となり対話の積み重ねによって作品を生み出してゆく創作方法を深めるべく、地域や世代の異なるアマチュア演劇人たちに呼びかけ、2014年から3年の時間をかけて築き上げた、従来の劇作家や演出家主導にはない集団性と作品性を持った団体です。
 本作品は、2020年東京五輪のあと。人口減少による経済縮小と社会保障制度の崩壊に見舞われた近未来の日本社会を背景に、退廃した地方都市に開かれた身寄りのない低所得者向けのホスピス施設「三ツ山養生所(以下「養生所」)」を舞台としています。物語では、養生所で働くスタッフたちに焦点をあて、あの世へと旅立っていった入所者たちとの思い出と、入所者たちの語り遺した太平洋戦争、戦後、高度経済成長、バブル崩壊、東日本大震災といった出来事の記憶を元に、これまでの日本のあゆみと、そこに生きた人びとの人生を辿っていきます。
 東日本大震災以降、終活など「死に方」への感心が高まる中、誰もが直面し得るこのテーマに向き合った本作品の鑑賞を通して、人間らしい生き方とは何か、また、それを全うできる社会とは何かを考える機会にしていただければと考えています。>


2/10(金)

買っていたDVD。ミンゲラ映画として。『こわれゆく世界の中で』で建築家の主人公をしていたジュード・ロウが若くてハンサム。でもどこか空虚で哀しいという役柄で出ていた。
主人公のトム・リプリーは、ピアニストではなく、ピアノの調律師だったんだなあ。ジャズとオペラ。マイ・ファニー・ヴァレンタイン。リプリーの才能は、他人の喋り方、声色を真似られること、そして、筆跡も。何でもない自分から成りすますことの不安と愉しみ。

アンソニー・ミンゲラ『リプリー』(1999年、139分、パラマウント映画。The Talented Mr. Ripley)
Tom Ripley:マット・デイモン
Marge Sherwood:グウィネス・パルトロウ
Dickie Greenleaf:ジュード・ロウ
Meredith Logue:ケイト・ブランシェット
Philip Seymour Hoffman:フレディ・ミルス

<1950年代のニューヨーク。貧しく孤独な青年トム・リプリーは、ピアノ弾きの代役として出向いたパーティで、借りて着ていたジャケットのために、大富豪のグリーンリーフに息子のディッキーと同じプリンストン大学の卒業生と間違われる。とっさにディッキーの友人を装ったトムは、グリーンリーフにすっかり気に入られ、地中海で遊び呆けているディッキーを連れ戻すように依頼される。これをチャンスと思ったトムは、ジャズが好きというディッキーと話を合わせるためにジャズに関する知識を猛勉強し、イタリアに向かう。 イタリアに着いたトムは、大学の友人を装いディッキーに近づく。父親に依頼されて自分を連れ帰ろうとしているトムに、はじめは反発していたディッキーだったが、トムがジャズに詳しいことを知ると、周りにいないタイプの人間という物珍しさもあり、トムを連れ回して遊ぶようになる。豪華で贅沢なバカンスを共に過ごすうちに、傲慢で身勝手だが魅力的なディッキーにトムは憧れ以上の愛情を抱き始める。>

福知山駅に行ったが、会議は中止になっていた。
海の京都DMOの方に会う。姫路市の観光についても仕事をしていた方。
海の京都DMO:発足 北部の観光協会結束 市町を越えた旅づくり /京都 - 毎日新聞 2016/6/29
http://mainichi.jp/articles/20160629/ddl/k26/010/480000c
<京都府北部の市町で観光事業を担う観光協会が統合へと動き出した。「日本の顔」となる観光地づくりに向けた大きな一歩。自治体の補助金をもとに運営するだけでなく、自ら稼ぐ力を蓄えて経営力を身につける狙いがある。28日には各協会を束ねる「海の京都DMO」(京都府北部地域連携都市圏振興社)が発足し、新体制が始動した。
<府や舞鶴・宮津・京丹後の3市から6人の職員が常駐し、JTB西日本と京都銀行の2人が加わって総合企画局を構成。各観光協会は「地域本部」と位置づけて滞在型の観光コンテンツを生み出す。
 DMOとはDestination Marketing/Management/Organizationの略。来訪者のニーズや反応を分析し、おもてなしに反映させる組織のことで、ドイツのロマンチック街道など世界に名をはせる観光地が確立している仕組みだ。
<昨年の海の京都事業では7市町に重点地域を設けて受け入れ態勢の強化を図り、メディアプロモーション効果でテレビ番組も取り上げた。だが、それ以外の地域は「蚊帳の外」。山海を愛する住民は「対象外」とされ、事業との接点はなかった。誰のための観光なの? と疑問を抱く人は少なくない。日本海岸の旅館の女将は「テレビで絶景が流れて多くの観光客が訪れても、地元はよそ事でしかない」と訴える。
 「住民が自然や歴史に根ざす暮らしの価値を共有して、その価値を向上させること」。観光庁がブランド観光圏を選定する上で課す要件だ。海の京都DMOも「地域主導」を全面に掲げる。ならばまず、住む人と信頼を築く努力が必要だ。やる気ある人の声に耳を傾け、それを実現する方法を一緒に考えることこそ、府民が願う「観光地域づくり」ではないだろうか。>


2/11(土)

寒い。山科の路面は滑りやすい。
校務。
昨日から読んでいた本を読み終える。
有馬哲夫『児玉誉士夫 巨魁の昭和史』( 2013年、文春新書)
児玉誉士夫さん中心に戦後政治を見るというのもなかなかに興味深い。
いま、トランプさんと安倍さんが話しているところだが、やはり何かしらの「ディール」(軍需産業とかインフラ企業とかの)をやっているのかしら?

有馬哲夫『児玉誉士夫 巨魁の昭和史』( 2013年、文春新書)
http://hon.bunshun.jp/articles/-/1424
<?白洲は興味深い人物ではあるが、基本的にメッセンジャーボーイだった。吉田は日本人に対してはワンマンぶりを発揮するが、政権を永らえさせるために、チャールズ・ウィロビー(マッカーサーですらない)にひたすら媚を売っていた。
?占領軍やアメリカに逆らったヒーローがどうしても欲しいというなら、なぜ児玉誉士夫を取り上げないのだろうか。NHK的にいうなら、彼は「占領軍を手玉にとった男」であり「CIAと渡りあった男」だった。
?拙著『児玉誉士夫?巨魁の昭和史』で筆者がしたかったことは、そういった彼の姿を浮かびあがらせることだ。ただし、脚色や潤色を交えて歴史を歪めるのではなく、公開資料に基づき、検証を重ね、できるだけ主観を交えずにわかっていることのありのままを示そうと努めた。歴史的事実は、作り話よりも複雑だが、はるかに劇的で面白い。
?もう1つしたかったのは、児玉を日本の政治史の中に正当に位置づけることだ。アメリカ側に残る膨大な第1次資料は、それができるというより、そうすべきだということを示している。
?戦後の日本で、政治上の大きな出来事が起こると、CIAがそれについての報告書や記録を作成するのだが、そこに彼の名前が頻繁に登場してくる。
?児玉は、筆者いうところの「政治プロデューサー」だったからだ。つまり、政治家や政党に資金や便宜を与え、さまざまな人物や組織と結びつけることで、日本の政治を一定の方向に動かそうとする人間のことだ。フィクサーと違うのは、総合的で長期的視野を持っていることだ。
?児玉と同じカテゴリーに入る人間としては、総理大臣を辞めたあとの岸信介が挙げられる。組織としては、アメリカのCIAおよび国務省がそれにあたる。だから児玉や岸はCIAや国務省と関わることになったのだ。
?児玉は、岸などとともに「CIAのエージェントだった」とよくいわれる。彼らが「CIAの工作に協力して日本を売った」という意味なら、これは歴史的事実に反している。
?本当のところは、児玉とCIAは、目的が同じ場合は、相手を利用しあったということだ。だが、彼らは互いに自分たちの最終目的が相手とは違っていることを意識していた。
?児玉とCIAは、日本を共産主義に対する防波堤にする、再軍備させ、軍備を強化する、というところまでは共通点が多かった。だが、児玉の最終目的が日本を独立国とし、アジアの盟主として復活させることだったのに対し、アメリカの目的は、日本を自らに従属させ、対抗勢力にならないようにすることだった。>

帰って録画していた映画を観た。テリー・ギリアム『バロン』
ただ、はじめは18世紀後半のドイツの劇場ってこんなんだったんだなとか興味を持ったが、その後は、いささか退屈になってしまった。

テリー・ギリアム『バロン』(1989年、127分、コロンビア映画。The Adventures of Baron Munchausen, 「ミュンヒハウゼン男爵の冒険」の意)
監督 テリー・ギリアム
脚本 テリー・ギリアム、チャールズ・マッキーワン
<18世紀後半の「理性の時代」、ドイツはトルコ軍の攻撃に晒されていた。指揮官のホレィシオ・ジャクソン参謀長は、論理と科学を是とする一方で、自分の命令に逆らう部下を次々と処分していた。廃墟の中に建つ劇場では、ヘンリー・ソルト一座による『ミュンヒハウゼン男爵の冒険』が興行されていたが、突然本物のバロンを名乗る老人が乱入。彼は、今回の戦争の原因は自分にあると主張し、そのいきさつを語りだした。・・・・・>

2/12(日)

深津篤史さんが残した断章(断象?)をきっかけに、桃園会の3人が役者として、団員として、そして作・演出家としてやっていくことをめぐる舞台。AI・HALLという劇場の入り口で17年前、入団したての橋本健司さんが、ひたすらいらっしゃいませといい続け、深津さんと間違われて握手を求められおずおずと応じてしまったエピソードから始まる。
ふっ。溶暗の時間は長い時もあれば、最後のようにすっと短いときもある。そうか、断章ではなく、断象だからか。

永訣の朝。銀河鉄道、北村想、阪神電車梅田駅から280円の切符。
深津さんは劇中で歌うことは避けていたという。でも歌ってみる。哀悼歌?
カレーうどん。本物だったら結構におうし食べづらいかも。
布団だけの病床。深津のそれであるとともに宮澤賢治のそれとも重なる。地震のことをなぜか頭に浮かぶ。3人が深津カツラでアロハシャツ。畳む役者に畳まない役者。

桃園会第49回公演『ふっと溶暗〜「断象・ふかつしげふみ」より〜』AI・HALL 12:00〜13:18
作・演出:橋本健司
出演:はたもとようこ、森川万里、橋本健司
<「バラシを終えた後の何もない劇場で一人ぼんやりする。別に感慨に浸っているわけでもなく、たぶんなにも考えちゃいない。アイホールはまっ平らで、天井が高くて、ここに劇があったことを主張しないのがいい。空間がシンとしている。漂うでもなく、おし包むでもなく、ちょうどいい具合のハリがある。まあ、何というか自然体の気合みたいなもんがあるのだ。とりあえずしゃがんでみる。何かいそうな気配がある。危ないやつじゃなさそうだ。上を見る。空が高いなあと思う。劇場で空ってのも変だが、おそらく関西で一番青空の似合う小屋じゃないかって思う。タッパがあるって事は、役者の視点を一つ増やす事だ。舞台に空があって役者がそれを見つめる。」
この文章は、桃園会がAI・HALL10周年記念企画「北村想の宇宙」で「屋上の人」(作・北村想)を上演した時に深津がパンフレットに書いたものです。チラシの裏面には、屋上について、「天に向かってせり出した空き地のような気がします」とも書いています。
この一年、私たちは今までで一番、空を見て過ごしたかもしれません。彼と一番近いこの場所で、私たち三人は彼の残したコトバを手がかりに、新作を作ることにいたしました。
日常を失ったものたちが、失った日常を演じてみる試みです。
ドラマは、名前を呼ぼうとすると世界がまっくらになってしまうところから始まります。作・演出 橋本健司>
深津篤史(ふかつ しげふみ、1967年8月8日 - 2014年7月31日)

時間があるので、らーめん千の風四条新京極店。京の塩830円。麺が昔の中華そば風。もやしと一緒に食べるのがちょっともったいないかも。外国人の集団多し。

元立誠小学校。京都精華大学の3年生進級展、立体造形。とても教室になじんでいた同型の4体の女性像があった。マスクさせていたのもいまの時期だからか。

大長編 男肉 du Soleil『お祭りフェスティバルまつり』元立誠小学校音楽室。17時開演だが開場とともにすでに盆踊りしている。まあ、ゆっくりとした準備体操。屋台の上ではDJ。チェンさんの髪はますます心配な状態かも。でも、尖閣諸島とかいろいろ面白いネタ出していたな。
しかし、タイトルのダブリ、いやトリプリ?の感じ、ヤンキー風で五輪のオープニングに出たいそうで彼らが東京五輪に出るのなら開会式はテレビで観たいと思う。
森本萌黄さんのダンスの切れと、男を誘っても全然相手にされない「もてない女」のキャラづくりも大好きだ。

団長:池浦さだ夢
出演:江坂一平 小石直輝 高阪勝之 城之内コゴロー すみだ チェン 森本萌黄
ヤマモトエリコ 吉田みるく/
ボブ・マーサム(THE ROB CARLTON) 正木悠太/
きののさおり じょーじ 中野π子(May/パイのミ)
<“お祭り×男肉×ダンス”をテーマにした本作。ゲストに京都の劇団THE ROB CARLTONのボブ・マーサム、ダンサーの正木悠太ほかを迎える。>



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