こぐれ日録 KOGURE Diary 2017年8/7〜8/13


こぐれ日録1070 2017年8/7〜8/13A

8/7(月)

台風5号。歯医者での定期検診(一つの歯が神経抜いていて、ずいぶん細くなってしまっている)。
大学へ。いくつかの懸案事項。継続するしかない。
山科行きバスの時刻を間違い、帰りも嵐の中を椥辻駅へ。

帰って、のんびり。昨日はマラソンを観たなと思いつつ、今日は、買っておいたアニメ。高畑勲『じゃりン子チエ』
もっと、エグいのかと思っていたら、なるほどジブリ。いい味わい。1978年当時の大阪ということだが、もっと昔のように思えた。

高畑勲『じゃりン子チエ』 (1981年、110分、東宝、スタジオジブリ)
<はるき悦巳が「週刊漫画アクション」に連載した下町人情漫画を劇場用アニメ化。監督は『火垂るの墓』の高畑勲。本作で主役のチエとテツを演じた中山千夏と西川のりおは、引き続き製作されたTV版でも同役を演じている。バクチ好きのダメな父親テツに代わり、ホルモン焼きのお店を切り盛りしている大阪の女子小学5年生・竹本チエ。そんなチエは時おり別居中の母ヨシ江と顔を合わせ、今日も縁日での休みを満喫する。だがその現場をテツに見られてしまい…。>
声の出演: 中山千夏/西川のりお/上方よしお/芦屋雁之助/三林京子/京唄子/鳳啓助/桂三枝/笑福亭仁鶴/島田紳助/オール阪神・巨人/ザ・ぼんち/横山やすし/西川きよし/松本竜介

関西じゃりン子チエ研究会:「じゃりン子チエ」アニメ裏話 http://www.jarinko.com/reference/anime1.htm


8/8(火)

4回生の卒業研究指導。
小劇場演劇とその社会性、公共性を扱うと言うので、文化芸術基本法などを打ち出しておく。
しかし、今年の文化芸術振興基本法の改正によって「振興」がとれたこの改正について、あまり話題になっていないようなのがすこし寂しい。

文化芸術基本法<第193回国会(常会)において成立した「文化芸術振興基本法の一部を改正する法律」が,平成29年6月23日に平成29年法律第73号として公布,施行されました。
改正法の概要及び条文等は,以下のとおりです(青字の部分にカーソルを合わせてクリックすると,内容を見ることができます)。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/kihon/geijutsu_shinko/

年金の書類を無事、事務局に提出。
何となくひとまず仕事が片付いた気分がして早く帰る。一つメールの返事がないのがちょっと心配だが。

娯楽物。逢坂剛『配達される女』(集英社文庫、2004年、2000年単行本)は、軽ハードボイルドと呼ばれるようだが、今夜観た、マーティン・ブレスト『ビバリーヒルズコップ』(1984年、105分、パラマウント映画)、トニー・スコット『ビバリーヒルズコップ2』(1987年、103分、パラマウント映画)も同じような分類の映画だろうか。2の方から観たが、悪役だがブリジッフォ・ニールセン演じる女性がかっこよかった。

逢坂剛ではやっぱりこっちがかっこいい、『幻の翼』(集英社文庫、1990年、1988年単行本)。前作を読んでいるのでそんなには複雑でなかったし続きが読みたくなって仕方がない。


8/9(水)

桐野夏生『ファイアボール・ブルース2』(文春文庫、2001年。雑誌『小説すばる』に1995から96に連載。「近田によるあとがき」は書き下ろし。
女子プロレスでは成功できそうになく弱い、しかも美人ではない主人公。それにすぐ騙されてしまう。どうしようもないが、火渡さんの付き人としてのみの生きがい。それからの脱却が痛々しいがかすかな希望があって終わり、あとがきでずいぶん癒やされる。でも「あとがき」は最後に読むほうがいいかもな。

明日から17日まで、大学は閉まる。
今日の仕事は、那智勝浦インターンシップ関係。私は、始まってから3日目から日曜日まで。旅館にいくのに舟だという。
次年度から、単位型インターンシップのなかの日数を少し適正化したほうがいいなという話も出る。

京都コンサートホール大ホールで、第67回関西吹奏楽コンクール京都府予選(第54回京都府吹奏楽コンクール)。
ギリギリ、京都橘高校も立ち見で鑑賞できた。卒業生(吹奏楽部OG)が案内係でいてびっくり。
大学は3校とも課題曲3 保科洋『インテルメッツォ』だった。
京都橘大学も無事、関西へ。20日、姫路文化センターだということ。それにしても、野外で聴いたときよりもずっと美しく響いたブラームスだった。そうそう、高校で、バルトーク原曲をやっていたところがあってなんか嬉しくなった。
・・・
京都産業大学全学応援団 吹奏楽部 金賞 山川すみ男 3 北天の陽 阿部 勇一  
京都橘大学吹奏楽部 金賞京都府代表 山本一宏 3 ピアノ四重奏曲第1番ト短調 作品25より J.ブラームス/A.シェーンベルク 近藤久敦
龍谷大学吹奏楽部 金賞京都府代表 若林義人 3 バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲 M.ラヴェル 上埜孝
・・・
録画していた上方落語。桂米團治「質屋芝居」。
確かに桂米朝の息子さん、桂米團治さんは多才で博識。お父さんの落語はどうもぴったり来ないので、米團治さんのほうが安心して楽しめる。

「質屋芝居」桂米團治▽NHK上方落語の会(NHK大阪ホール)で収録▽ゲスト:浜口順子▽ご案内・小佐田定雄 〜NHK大阪ホールで収録〜
https://hh.pid.nhk.or.jp/pidh07/ProgramIntro/Show.do?pkey=201-20170804-22-36108
<「NHK上方落語の会」から桂米團治の「質屋芝居」をお送りする。▽質屋芝居:主人から番頭、丁稚に至るまで家中の者のすべてが大の芝居好きという質屋。お客が、葬礼用のカミシモを出してほしいとやって来る。ところが、丁稚は蔵に取り出しに行ったまま、戻って来ない。それもそのはず、蔵の中では、忠臣蔵の芝居の真似事の真っ最中。別のお客の布団を取りに行った番頭までもが…>


8/10(木)

2008年なので、みなさん若く感じる。畑澤聖悟だけは、弘前劇場で観ていた印象があるので逆に貫禄が出ている。でも、生徒会長のノミヤ(工藤由佳子)にデレデレなのだが。
夜あけっぴろげで観ていると妻が心配しに見に来る。声がかなり激しいのだ。
渡辺源四郎商店第7回公演『修学旅行』2008年 作・演出 畑澤聖悟 72分 DVD
http://www.nabegen.com/shugaku2008/index2.html
高校演劇05日本一の栄冠に輝いた現代劇のスタンダードを畑澤自身の演出でなべげんが舞台化!
舞台は沖縄県内のとある旅館。青森の県立高等学校の一行が、平和学習も兼ねて沖縄に修学旅行にやって来たが……。 劇作家・畑澤聖悟が当時顧問を務めていた青森県立青森中央高校演劇部に書き下ろし、05年全国高等学校演劇発表会にて最優秀賞を受賞。翌06年には高校演劇初の海外公演となるソウル公演を敢行。NHKBSなどで繰り返し放映される他、毎年、全国の中学校・高校演劇部20校以上で上演され、もっとも新しい現代劇のスタンダードとして親しまれています。07年より青年劇場による全国ツアーも行われ、多くの観客を魅了し続けています。

工藤由佳子 高坂明生 工藤静香
三上晴佳 山上由美子 工藤良平
葛西大志(劇団夢遊病社) 柿崎彩香
工藤貴樹 秋庭里美 寺田雅代
畑澤聖悟

姫路のお墓参り。妻と二人の恒例夏の行事。無事終了。100円の観光バスで清水橋下車。これがとても便利。平日は30分に1本だけだが。
ずいぶんと苔が生えだしていて、すこし除去。周りの石も何か洗浄剤がいるのかも。来年までの課題。
姫路駅は地下街もきれいになってうろうろ。結局、御座候を買って痴情に出たところに、姫路タンメンというのが野菜たっぷりということで入る。なかなかに美味しかった。
帰り、JRに人身事故(魚住駅)。はじめて山陽電鉄で新開地まで行く。そのあと阪急。


8/11(金、海の日)

ダンスと演劇と。なんて幸せな時間だろう。
よく音楽がなければ人生はないとかいうが、実演芸術という時間とともにあるすべてのパフォーマンスが生きる価値となることは確かである。

特に、MONO的なちょっと悲しい喜劇や生活を愛おしくするライフスケールダンス。後者の生活ダンスは、砂連尾理+寺田みさこの公演でその大事さを確信し、セレノグラフィカのダンスへと自分の中では広がっていく。今日も、セレノさんお二人が私の後ろにいはったし。

ウミ下着2017『すべてがダンスになる 家で篇』お屋敷再生複合ショップ 練-Len-の上がった奥のところ(多分、空き室になっていたというタイミングなんだろうな)。16時すぎから1時間ちょっと。20名弱で満員。口琴がとても効果的に。

この公演では15時半すぎに入ったところかラ3人の準備運動とおしゃべりがすでに空気を作っていた。結構、公演ともつながる話もあったので、毎回どんな話をしているのか、そこだけでも見たい気持ちあり。10のシーン。最後はその抜粋というきちんとした振付構成。「03 待合室にて」のこっそりダンスの待ち合うときが一番、外の葉の動きとの対照を感じさせる。二人は何を待ち合っていたんだろう。「06 radio」ではちょうど智弁和歌山の校歌が流れ、沖縄興南敗けたと知る。

構成・振付:中西ちさと
演出助手:福井菜月
振付・出演:内田結花、あうんともこ、中西ちさと
<・・・・
辛くても楽しくても、踊りは私たちのすぐそばにある。
たとえば家。庭。道。空にも。ゴミ箱の中の紙くずにさえ。
目を閉じたら踊りがきこえてくる。目をこらすと踊りが集まっている。
見逃しがちな小さなものから、大きくてつかめないものまで。
顕微鏡と望遠鏡を交互に覗き込むようなダンスを。>

ウミ下着とは
<中西ちさと・福井菜月によるパフォーマンスグループ。 五感に訴える身体表現をモットーに掲げる。演劇的手法を用いたドキュメンタリータッチの作風が特徴。 2011年横浜ダンスコレクションコンペティション?本戦出場、2012年現代美術フェスティバル混浴温泉世界参加、 同年劇団衛星にダンサーとして参加。 主な作品に20代女性の孤独を描いた「あの娘の部屋に行こう」@神戸学院大学グリーンフェスティバル、 東日本大震災後の関西に住む若者の日常を描いた「ふるえるくちびる」@イロリムラ89a、 身近にいる変な人との交流を通して「普通」とは何かを問うた「お嬢さんの実験室」等がある。>


逢坂剛『スペイン灼熱の午後』(集英社文庫、1987年、1984年単行本)を読みながら、ABCホールへ。もう一冊、本を持ってくればよかった。待ち時間であっという間に、逢坂冒険スペインスペクタクルを読んでしまう。スペイン人の名前がすこし分からなくなるぐらいでこんなに夢中になれるのが不思議である。

『きゅうりの花』は『京都11区』などとともに、演劇学習とともにまちおこし学習にもなるので、MONOのそれを昔は授業で使っていた。でもポジティブになるというものではないので、ちょっと不発弾的なので最近は使っていなかったが、台詞とかはよく覚えている。

今回は、土田英生さんと金替康博さんだけであとはいろいろなところからなので、やはり感じが替わって面白い。加藤啓さんという人が水沼健さんよりもより寂しげで、ああ、とその結末から逆算してしまう。
諏訪雅さんはもっと太っていると思っていた。内田淳子さんの普通の演技を久しぶりに観てやっぱりいいなと思う。千葉雅子さん。振幅が大きくて素敵。全体的に、年齢がより高くなった下川辺青年会だった。

Cucumber+三鷹市芸術文化センターPresents  土田英生セレクションvol.4 『きゅうりの花』 作・演出|土田英生。ABCホール満席。19:05〜20:53。
出演|内田淳子 加藤啓(拙者ムニエル) 金替康博(MONO)  神田聖司 諏訪雅(ヨーロッパ企画) 千葉雅子(猫のホテル)  土田英生(MONO)

<《下河部町》は後継者の不在や嫁不足に悩む過疎の町。
ある日、地元に伝わる民謡をアレンジして、東京で踊ろうという話が持ち上がる。
この土地から離れられない者、この土地に馴染もうとする者、この土地に絶望している者。
様々な思いが交錯する中、イベントの日はやってきた−>
<『きゅうりの花』の初演は1998年。「利賀・新緑フェスティバル」に関西の集団として初めて招聘されました。それまで関西のみで活動していたために、そのほとんどが「土田英生」や劇団(MONO)の名前も知らない観客のなかでの上演でした。公演は好評を得て、これをきっかけに、MONOは東京をはじめ、全国複数個所での公演を定期的に行うこととなります。その後、同年の12月に上演した『その鉄塔に男たちはいるという』で、第6回OMS戯曲賞大賞を受賞。翌年には東京国際舞台芸術フェスティバル(現F/T)に招聘されました。『きゅうりの花』は土田の今につながる作風を確立させた作品です。※その後本作は、2002年に下北沢ザ・スズナリ、他にて上演。今回は15年ぶりの再演となります。>


8/12(土)

野田の実家から帰ってのんびり。
買っておいたDVDをすこしヤキモキしながら観た。
障害のある女性という設定。よくあるのかも知れないが、揺れ動く心の中を垣間見る感じ。モデル出身だけあってかなり綺麗。
それにしても、彼女に襲いかかる俳優さんは、よく見かける(黒沢清映画では欠かせないぐらいの脇役ぶり)けれど、名前が分からないナ。

三宅喜重『レインツリーの国』原作:有川浩(2015年、107分、ショーゲート)
<「図書館戦争」シリーズなどの人気作家・有川浩によるヒット小説を実写化したラブストーリー。あるブログの管理人をする女性とメールをやりとりするようになった男性が、会うことをかたくなに拒む彼女の思わぬ秘密を知る。監督は『阪急電車 片道15分の奇跡』『県庁おもてなし課』と有川の小説映画化作を手掛けている三宅喜重。主演はテレビドラマ「信長のシェフ」シリーズなどの玉森裕太が務め、テレビドラマ「山田くんと7人の魔女」などの西内まりやがヒロインを演じる。恋のもどかしさと素晴らしさを深く見つめた物語にときめく。>
向坂伸行 - 玉森裕太
人見利香 - 西内まりや
ミサコ - 森カンナ
井出広太 - 阿部丈二
向坂宏一 - 山崎樹範
人見健次郎 - 矢島健一
人見由香里 - 麻生祐未
向坂豊 - 大杉漣
向坂文子 - 高畑淳子
澤井徹 - 片岡愛之助

死んだ親父の月命日。2004年11月12日だったから、もう13年目。
お盆と重なるためにいつもは午前中にくるお坊さんがなかなか来ないので、弘法寺に電話。
2回目でもう夜になるかもと言われて帰り支度をしていたら、チャイム。

東淀川区を回っていて偶然来ましたと言っていたが、お寺から連絡があったのかも知れない。
良かった、妹とその娘2名とお袋と妻の6名で焼香もしてかなり本格的なお盆の供養になる。
横須賀市から助っ人で来ているのだと言う。関東では7月がお盆なので、8月は暇だとバレていると。なかなかに背があっていい声のお坊さんだった。妻が、関東弁が聞けて喜んでいる。

親父の葬儀までの様子を思い出そうと、鈴木さんにアップしてもらい続けている「こぐれ日録」を読む。 http://www.arts-calendar.co.jp/KOGURE/Diary.html

8/13(日)

神が日常にいる神去村。なんだか変だな。
矢口史靖『WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜 (2014年、116分)』
ヒルがお尻にびっしり。古くなった東京圏郊外団地と三重県の山村との対比(上三津鉄道は、実際は明知鉄道)。お祭り(オオヤマヅミ)も実にいい。撮影は、芦澤明子。

神様が木を数えるから山には入ることができない日と言うのは、もちろん、休息することの大事さともつながるのだが、そういうタブーで人びとが暮らしていたことがあったのがなんと奇跡的だったかといまになると思う。

矢口史靖『WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜 (2014年、116分)』
ヒルがお尻にびっしり。古くなった東京圏郊外団地と三重県の山村との対比(上三津鉄道は、実際は明知鉄道)。お祭りも実にいい。
http://d.hatena.ne.jp/Greenweekends/20140521/p1
https://movies.yahoo.co.jp/movie/WOOD+JOB%EF%BC%81%EF%BC%88%E3%82%A6%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%96%EF%BC%89%EF%BD%9E%E7%A5%9E%E5%8E%BB%E3%81%AA%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%82%E6%97%A5%E5%B8%B8%EF%BD%9E/347864/story/
<『ウォーターボーイズ』など数々のヒット作を送り出してきた矢口史靖監督が、人気作家・三浦しをんのベストセラー小説「神去なあなあ日常」を映画化した青春ドラマ。あるきっかけで山奥の村で林業に従事することになった都会育ちの若者が、先輩の厳しい指導や危険と隣り合わせの過酷な林業の現場に悪戦苦闘しながら、村人たちや自然と触れ合い成長していく姿を描く。『ヒミズ』などの染谷将太をはじめ、長澤まさみ、伊藤英明、ベテラン柄本明らが共演する。>
<大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気(染谷将太)は、軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することに。向かった先は、携帯電話が圏外になるほどの山奥のド田舎。粗野な先輩ヨキ(伊藤英明)のしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず、逃げようとする勇気だったが……。>
<で、最新作の「WOOD JOB!」だ。これまたウェルメイドな青春コメディだが、山奥に分け入り、自然の息吹と同調し、バカバカしいほど巨大なセットを建造するなど木村大作系、いや、ベルナー・ヘルツォークばりの狂気じみた領域に踏み込もうとしている。“山”というテーマを向き合った結果、計算やバランスで割り切れないナニカに挑戦しようと腹を据えたのではないか。
 “山と生きる”というモチーフは役者の殻も突き破った。伊藤英明が粗暴で単細胞な木こりを好演し、「海猿」より荒々しく人懐っこいユーモアを振りまいたのは予想外だったし、長澤まさみが化粧っ気のない山育ちのヒロインで“雑”な魅力を開花させたことも注目だろう。
 笑ったのは、染谷将太扮する主人公をバイクの後ろに乗せた長澤まさみの「背中になにか当たってるんですけど!」というセリフ。>

逢坂剛『砕かれた鍵 (百舌シリーズ) 』(集英社文庫1995年、1992年単行本) 。面白いが、警察官も大変だし、内部抗争っていずこもいつの時代でも苦しいことだわ。

<警察官が関連する事件が続発した。麻薬密売を内偵中の特捜隊の警部補とその同僚の巡査部長が射殺され、麻薬吸引者の元警察官に婦人警官が刺殺された。何か巨大な陰謀が警察内部で進んでいる模様である。警察庁特別監察官・倉木尚武が乗り出し、執念の捜査を開始する。そして“ペガサス”という名の謎の人物にゆき当たるが…。>

意外と学術研究的ではなく、どこか主張ぽく、日本ではちょっと分からないことが多く、懐古的でもある(解説にある通り)。でも、いろいろ考えることは多く「第三の場」という言い方は「芸術場」もそれと連動して考えることが有効であることは間違いない。
レイ・オルデンバーグ『サードプレイス―― コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』マイク・モラスキー(解説) (その他), 忠平 美幸 (翻訳) みすず書房、2013年(1989年原典)
<居酒屋、カフェ、本屋、図書館…情報・意見交換の場、
地域活動の拠点として機能する〈サードプレイス〉の概念を
社会学の知見から多角的に論じた書、待望の邦訳。
第一の家、第二の職場とともに、個人の生活を支える場所として都市社会学が着目する〈サードプレイス〉。そこでは人は家庭や職場での役割から解放され、一個人としてくつろげる。
著者オルデンバーグが、産業化‐効率化‐合理化を進めてきたアメリカ社会と、そのもとに展開されてきた都市計画が生んだ人々の孤独の問題を批判しつつ、地域社会を再び活気づけるための〈サードプレイス〉として注目するのが、地域に根ざし、長く人々に愛されつづけている地元の飲食店だ。
「見知らぬ者どうしの気楽で面白い混交」を創り出し、情報交換・意見交換の場所、地域の活動拠点としても機能する、
地元の飲食店や個人商店ならではの特質が社会学の知見をもとに照らし出される。
第I部では、〈サードプイレス〉の機能、特徴、物理的な条件が詳細に解説され、第II部では、イギリスのパブやフランスのカフェなどの具体例から、文化や国民性が生み出す〈サードプレイス〉のヴァリエーションが紹介される。さらに第III部では、社会・政治面での〈サードプレイス〉の課題とその解決策が論じられる。全編を通じ、オルデンバーグが〈サードプレイス〉に向ける期待は揺るぎない。
そこには長年「とびきり居心地よい場所」に親しみ観察してきた者の実感と、「コミュニティの問題は住民の力で解決できる」という市民魂がみなぎっている。
店舗設計、都市計画、マーケティング、地域社会づくりの分野に刺激を与えつづけてきた書の待望の邦訳>


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