こぐれ日録 KOGURE Diary 2010.10/11〜10/17


こぐれ日録714 2010年 10/11〜10/17

10/11(月)

2000年製作、2001年1月に公開。217分、『ユリイカ』。
昨夜見ていたのだが、眠くなり、あと1時間ほど見る。
10年近く前に見た映画だったので、ほとんど始めて観た感じ(もちろん、最後にこうなるとか、ところどころは覚えていたが)。

それにしても、福岡や阿蘇など九州っていう地域の風土って、モノクロームでも十分に伝わるってすごいことだなあと思う。もちろん、監督の青山真治さんが北九州出身ということもあり、その言葉(東京弁の親戚の従兄弟?が目だってしょうがない)が地域言語であるということもまたとても強い印象。青山真治さんの映画のなかでも、とりわけ、この映画はいいなあと思うし代表作なのだろうとまた思った。

もっといっちゃえば、宮崎あおいちゃんの映像もよく見ている気がするが、ここに登場している(小学高学年から中学生ぐらいの年齢の)宮崎あおいの寡黙なのに、身体全体で語る存在(演技)に、いまのところ、ぼくは一番震える。
もちろん、翌年(2002年)だったか、塩田明彦監督『害虫』は彼女が主役だったわけだが、どちらかというと(相対的ではあるが)、群像劇のためもあって、彼女が屹立した印象がなかったように思える。

もちろん、役所広司が主役である。語るし後半は動く。そして、死への病なかで、他人のために生きることが可能かどうかにかけるわけだが、まだ、宮崎あおい演じる梢という少女体の巫女的存在にぼくは囚われたままである。

また、あおいの実際の兄でもある、宮崎将の役割も大きいし、それが実際の兄であるとともに虚構の兄直樹であることのしつらえが巧みであることもまたそうだ。梢が自分の兄をまるごと受け入れるしかないことから起きる、モノクロームの不通な世界をバスは走る。
子供とロケ、移動する映画やドキュメンタリータッチのシーンなどなど、とりわけ、バスつながりで、清水宏映画をずっと併走させていたのは、こっちのかってな妄想。

3回生ゼミと4回生ゼミ。いい感じ。
今回の卒研から、何でも書いていい(アート、発信、まちづくり、イベント・・)ということではなく、 ちゃんとした私に批判されても対応できるだけの定義や文献の援用をするように、いささか強くいっておこうと思う。特にタイトルは・・・そうしないと、なん とために、4年間授業をしていたのか、あまりにもむなしいから。

http://twitter.com/tecking/status/27089255682より引用
《 いわゆる市街地活性化の施策で不可解なのは、その表記を「まちづくり」と〈ひらいて〉いること 既存のインフラを活用したソフト注力型の〈創る〉手法を採る のか、旧態依然としたハコモノ依存の〈造る〉手法でいくのか 事の本質を隠すためにひらいているのでは?と邪推したくなる》

行政法?20名。

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そうそう、これで「文化政策学科」は最後だ!
でも、3回生(都市環境デザイン学科文化プロデュースコース)ゼミとそんなに違わない(でも男子がいるのが違うか・・)

2010.10.18(月) 教室 C201教室(児優館)
京都橘大学文化政策学科こぐれゼミ 卒業研究(卒業論文+【卒業制作】)中間発表スケジュール
発表資料は、タイトル、目次案、序章(はじめに:動機や先行研究など)ともう一つ、完成した章(第1章でもいいし、それ以外でも可)が、最低の資料となります。25部以上印刷して持ってきてください。10分程度発表、10分程度質疑。

卒研の学生によるタイトル案はまだ聞いていない(メールできたものは随時追加)ので、ぼくのだいたいの予想です(あしからず)

               《 》内は題名 それ以外は主なキーワード(小暮予想)

? 13:00〜13:20 《国際映画祭と日本映画の受賞ー受賞すると日本映画は活性化するー》  国際映画祭、受賞日本映画、顕彰の意義
? 13:20〜13:40 《祭礼とアートフェスティバル―継続する国際美術展を例にとって》   美術(芸術)フェスティバル 祭礼
? 13:40〜14:00 《ライブハウスのオーディエンス論―ヴィジュアル系アーティストのライブを事例に― 》   ライブハウスマネジメント ロック
? 14:00〜14:20 《小道具から見る日本の舞踊―芳柳流を例にとって―》 日本舞踊のアウトリーチ 小道具研究
  ? 14:20〜14:40 《ミニシアターの魅力》ミニシアター まちと映画館の関係
? 14:40〜15:00 《 》【卒業制作】田園地域の音楽祭

休憩 20分程度

? 15:20〜15:40 《日本の民謡の特徴と海外の民謡との共通点と相違点について》  地域における民謡をいまにいかすには
? 15:40〜16:00 《演劇ビギナーズユニット―コミュニケーションツールとしての演劇― 》【卒業制作】青少年の演劇体験の意義
? 16:00〜16:20 《商業施設によるアーツマネジメントー「Posca7」によるパレード記録ー》 【卒業制作】音楽パレード実施
? 16:20〜16:40 《料理は芸術か》 食、食文化とアーツ創作との関係
? 16:40〜17:00 《山科における「子どもの文化フォーラム」の役割》 子供のあそび、文化体験、まちおこし 地域振興、NPO
               ? 17:00〜17:20 《アーツから始まるひとづくり・まちづくり〜ワークショップにできること「めくるめく紙芝居」的方法論を例にとって〜》 めくるめく紙芝居 障碍者とアーティストとヘルパーさんと地域住人と学生
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10/12(火)

5時かと思ったら、2時半だった。長針を短針と間違う。
寝ようかと思ったが、そのときは、目覚めた気持ちがしたので、読書などで時間を使う。
6時ぐらいになって、眠くなる。

とりあえず、大学へ。考えることができないので、単純作業など。
で、都市デザイン論で使う予定にしている、志賀直哉の「山科の記憶」と「痴情」をコピー。

でも、明日、教養科目の再編成の学科会議に向けて、資料が届いたので、それの説明の準備などもしなくちゃいけなかった。

3限目は、自分たちでイベントを作ってみたいというので任せてあった。
でも、体育館でドッチボールが出来ないということで、3つのゲームでコミュニケーション遊びをしていた。
はじめは、デジカメで写したりしていたが、人数を偶数にするために、無理やり入れられる。
絵でしりとりをするのにいれらされたが、これは、なかなかわからないことが多い。
面白かったのは、「死体」とかが出てくることかな。ミサンガって、まずぼくはそういう単語を使わないので、絶対に解らない。
最後は、誰がジョーカーを引いたかを当てるとかいうもの。初めてだったな。

5限目、都市デザイン論。88名。
山科、京都を知るには、仏教史とまでいかなくとも、宗派の違いは知らなくちゃいけないので、その解説。ただ聞くだけだと全体に頭に入らないので、来週にテスト。今日配った問題とまったく同じだからね。


10/13(水)

2012年度の教養学科群の調整を行いつつ(都市環境デザイン学科会議を12:10〜13:40)、領域別教科の文化プロデュースコースの微調整もつぎの課題に。

2011年度のゼミ選び用シラバス作りに、予算要求資料も作り出す必要。22日まで。井上信太さんにもメール(非常勤の先生への対応はどうしても後手後手になるので、すばやく)。

今年度前期の学生授業アンケートに担当者コメントを書き、アーツ演習2中心に、学外授業の教員間調整をする。12/24の態変韓国公演共実的企画ライブは、番外編だが、授業とカウントするので、その告知。

学生学会の研究会の予算実施に頭を使い(12/24との連動)、卒業研究中間発表の表作り。1回生のNちゃんは、一人で、チラシの展示がえをしれる。そのうち、アーツバー@立誠の学生マネジメント委員長の3回生ゼミ生モチダさんが来て、アーツ・バーの来場者アンケートづくりアドバイス。墨のワークショップ関係はムラタさんがすることになっているとのこと。


ウイングフィールドへ行き、ウイングフィールド代表福本年雄さんにお会いし、寺岡永泰さんに色々アドバイスを受けながら、11/14の金満里さんと清眞人(きよし・まひと)さんの対談"http://tomojitsu.blogspot.com/2010/09/1114.html"の際の打ち合わせ。態変公演をここでよくやらせていただいていることもあって、車椅子の対応などはうまく出来そうで、あとは映像関係が当日持込なので、それまでに音響スタッフと打ち合わせたりすること。

あるいは照明を熱くならないようにしたり、心配り。靴袋70枚程度、あと、当日パンフを作るとすると、ぜひ、ウイングフィールドのご協力を感謝することを忘れないようにしなくちゃいけない。福本さんも当日にも聞いてくださるとのこと。

以下、前期授業アンケートへのコメント(回答)。
去年よりも、問題が少なくてほっとする。
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基礎演習?
 2回生の前期の授業として従来から、フィールドワークを多く取り入れている(後期には、それをまとめて発表するようにする)のですが、今年度は比較的負担増の感覚がなく、積極的に取り組む学生が増えてよかったと思います。欠席勝ちになる学生の対応がこれからも引き続き課題です。

専門演習?
 はじめての都市環境デザイン学科としての専門ゼミ。そして、私にとっては、男子学生がはじめてということで、なんとかやりました。研究したいという領域をどう確定していくのか、手探りでしたが、なんとか、後期につながることができたと思います。

文化政策専門演習?
 さいごの文化政策の4回生ゼミです。授業外での活動も活発で、前期は就活もあったわりに、いいゼミになったと思っています。

アーツマネジメント論
 1限目なのに、よくついてきていただいたと感謝しています。自分のメイン授業なので、当たり前かも知れませんが、それなりに授業を集中して受講してくれていて、ほっとしています。できれば、アーツマネジメントの実践にもこれをきっかけに参加してもらえるともっと嬉しいです。

都市とアーツ
 5講時になったこともあって、比較的、人数も少なく(とはいえ、受講登録116)、落ち着いて授業が出来たと思います。映画の歴史を語ることが多いのですが、古い映画、あるいは、ロマンポルノやホラーなどの大衆的映画を教材にしていることもあり、その扱いをどうするかは、これからも課題にしていきたいと思います。

都市と文化資源
 はじめて受け持った授業だったのですが、熱心に受講していただいたと思っています。それは都市へのフィールドワークがあったためかも知れません。難しい内容があったのは、古い歴史的な事象を学習するため、あるいは、日本の音楽にしたしむためでした。

政治学概論?
 2度目の授業で、今回は昨年度よりも、改善されたようで、ほっとしています。しかしながら、これからも今年(160名)と同じような大人数になるはずなので、私語の問題は引き続き、考えねばならないと思っています。教室が縦長なので(801)、最近できたBやDの教室を希望するようにすべきだなあと思ったりしています。

アートマネジメント?
少数の大学院科目なので、とてもいい環境であったと思います。
聴講するだけではなく、積極的に発言し、互いに啓発できて、よかったと思っています。
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10/14(木)

あさ、一番に、昨夜のウイングフィールドにおける下見のメモを作って、メールする仕事をする。
そのあと、19日に、長女はながパリでライブをするという話にびっくりして、興奮状態に。
もう一つの仕事、近大の授業アンケートへのコメント書きをする。

出かけるまですこしあるので、今日の1時(昨日の25時)に放送されていた、NHK教育の宮沢賢治「オツベルと象」の紹介(現代文とあったので、中学校か高校かの教材かな? http://bit.ly/aBaKQC) のビデオをチェックする。宮沢賢治の紹介としてはいいが、もう少し、朗読部分が多くないと物足りないけれど・・・

大阪成蹊大学芸術学部での授業。
そのあと、宮沢賢治のDVDチェック。でも、原作の大事さ(風の又三郎の重要なシーンとの関連もある)がぜんぜんない(迷ってしまう恐怖のなかで、夢が夢を呼びなかなか目覚めない夢の連続)、表面的な風景だけのもの(音楽も表層的)だったな。『種山ヶ原の夜』(脚色・作画・演出:男鹿和雄、27分、スタジオジブリ)。ジブリだから仕方がないというか、ブレナビスタホームエンタテイメントだから、というのが無難な言い草かも。

同志社大学総合政策研究科「文化行政論」。11名。国費での中国留学生などが追加。受講数は16名。
帰り、メールをチェックすると、学部の文化政策学部というところとこの独立大学院が吸収合併し、専任の先生がいるから、ぼくのような非常勤の嘱託は不要だという慇懃なメールが来ていた。

Mさんとかいうヒトだった。知らないし、これからも同大の政策学部とかいうところともつきあうこともないから、メールには「了解しました」とメールしておく。

なお、今日のこのブログの読者が669人。たぶん過去最高。


10/15(金)

事務的なことを淡々としようとしている私(笑)

朝一番のお仕事:生協の読書奨励金の利用規則のチェック。
この前のインタビューの添削。
ゼミ選びのためのシラバス4つ、予算要求書。

2限目、社会文化論。銀河鉄道の夜第一回。171名。タイタニック号の話が取り入れられていることに学生たちは驚いている。 藤城清治さんの絵本が大人気。
お昼、書道のワークショップについて学生から相談される。

3限目、政治学概論?.大平正芳が大蔵省に入省して奨学金査定をしたり国民酒場を創設した話。22名。

戻って、4回生の卒研の相談、院生の奨学金推薦書類づくり。

17時に、大阪駅前で、母校の教頭先生(くらかん先生)と、母校の3年先輩(K先輩)と落ち合い、茶屋町と中崎町のあいだの玄米定食屋(といってもほとんど若い女性たちの人気スポット)へ。
一番の目的は、ぼくが、大阪府知事さんから文化行政について、来年度以降は、馘首しますという話に関わること(ちょっときな臭い?)だけれど、ぜんぜんそういう話以外のことどもがあまりに面白く、その玄米屋jからは追い出され(気がつくと大勢の列)、あまんど(天人)へ。

K先輩には、まちつかい について、いたく賛同いただき、くらかん先生には、小泉文夫理論をiPhoneで演奏してみせると、喜ばれ、ぼくが、文化の定義の授業ってこういうふうにしているというと、くらかん先生、ぼくだったら、ここで、こういう質問をする、と教えられる。

いろいろなつながり。京都橘大学のT教授がくらかん先生のご自宅を設計したとことか、うちの書道の先生が、K先輩が昔勤めていた兵庫県の公立高校の先生であったりとか・・・

このまえの生協「連帯」インタビュー記事原稿を訂正することに(中島らもさんと高橋源一郎さんが灘校同期ではなく、らもさんが23回、源一郎さんが22回、ぼくが、26回)だった。以下、原稿

《 ・・・・・
N そういうご両親のもとで、灘高校へ行かれた訳ですね。
K 中学から灘校へ通いました。灘では、先輩に後に作家になる高橋源一郎さん(4年上)や故中島らもさん(3年上)がいて、文芸部とか生徒会で鳴らしていた。高校生のくせに、午前中だけ授業に出て、午後は映画館に入り浸っている、というような武勇伝が残っています。僕なんかは、夏休みの補講に行ったふりをして、甲子園で野球を観てた、という程度でした。はじめ柔道部に入りましたが、頭を打って怖くなって、文芸部へ。文芸部時代は詩を作っていて、戯曲を書いた友人の文士劇に出たり、現代音楽のライブ・コンサートを企画するなど、文学作品を読むだけじゃなくて芸術全般に関心がありました。
N そういう文学好きで東大法学部へ入学された。どこかでズレたのですか。・・・・・》


10/16(土)

朝、生協連合(京都)から、読書カフェの原稿訂正・追加依頼あり。作業して以下をメールする。
・・・・
プロフィールを縮小
1955 年大阪市生。旧自治省で地域政策、芸術文化環境づくりなどを23 年間担当したのち、旧京都橘女子大学へ。公務員生活の終わり頃、どうして、アーツ(芸術)はヒトとともにあるのか。なぜ、ヒトはそれを必要としたのか。そんなことを考えているときに出合ったのが、芸術と生活の縁にある興味深い本、『限界芸術論』でした。

149字で、これからの話を追加
『限界芸術論』に紹介されている柳田國男の民俗学や柳宗悦の民芸論、そして宮澤賢治の作品を多くの学生たちと読んでいきたいものです。旧いと思われがちですが、当時の最先端の科学・思想が、賢治ならではの想像力のもと素敵に融合しています。そして賢治の「農民芸術」とはなんだったかを一緒に考えたいと思っています。
・・・・

お昼は大学院関係で京都橘大学に。
夜は、すこし、山科駅前の陶灯路の準備とか散らし配りをかいまみたあと、AI・HALLへ。
エイチエムピー・シアターカンパニー『Politics!Politics! Politics andPolitical animals!』。80分ほど。
美術装置は面白かったが、話はどうもスカスカしていて、普通のリア王を見たいなあと思った観劇だった。維新派が10分ぐらいみたら飽きるということと似ている。
唯一おかしかったのは、投票というのがあって、支持すると支持しないを必ず投票しろ!という政治強制ということを意識させてくれる観客参加(いじめ)があったこと。

きっと、ぼくは、唐十郎さんはいいなあと思うことも多い(なんかくどいとも思うことも多いが)のに対して、寺山修司さんの作品を見て、ぜんぜん、何も思えない人だからかも知れない。映画ではちょっと面白いものもあったように記憶するが。


10/17(日)

めくるめく紙芝居へ。
昨日、そういえば、駅前で、見過ごされているような小さなお店を熱心にスケッチしている初老の女性ふたりに感心したのだった。写生倶楽部みたいな人たちで、だいたいは、お決まりの太鼓橋と蔵のある風景を描いているのだが、それを卒業したのか、物足りなく思ったのか知らない。でも、ぼくもそのスケッチ風景によって、もういちど、八幡市駅周辺を新鮮な目で見ることができたのだった。

メックで面白かったのは、ウチワの活用。
なんかジャニーズを思い出すのだという。

帰って、宮沢賢治の朗読と絵のDVDをチェックする。
『名作の風景 絵で読む種々の日本文学七、宮沢賢治?』企画:中田実紀雄、97分、2007年。NHKエンタープライズ、コロンビアミュージックエンターテインメントほか。

やはり、注文の多い料理店はよくできた展開のある物語だ。対して、月夜のでんしんばしら、や、水仙月の四日、は、ちょっとだれる感じはして、そのために、絵がずいぶんがんばっているのだが、それが、逆に想像力をさばめさせるというジレンマになっているように思える。
一番やっぱり好きなのは『虔十公園林』の物語だ。絵の若林常酔の絵もいい感じだ(朗読:新沼謙治)。


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