こぐれ日録 KOGURE Diary 2010.11/22〜11/28


こぐれ日録720 2010年 11/22〜11/28

11/22(月)

京都駅へ。妻に任せていたパスポートを受け取る。
2度目の山科急行。9:25発で3名。

3回生ゼミは、来週から発表に。
4回生ゼミは、中間発表からの進捗状況。
行政法?は、ミニテストの予行(同じ問題で来週にまたテスト)。

終わって、体調をくずしてなかなかゼミなどに来れない学生と面談。
金武先生の人気絶大。就活ゼミ。隔週にするのが問題にならないか心配になる。

書道の4回生2名がやってきて、明日のワークショップ(これをちゃんとするのはむずかしい)のことであれこれ。9時に集まることに固執するが、授業の一環なのよというとようやく納得するが、大変(女性の方)。

11/23(火、新嘗祭)

8:40ごろ、元立誠小学校に到着。岡田さんが鍵をあけてくれるまで、周りをぶらぶら。
アーツ・バー5日目。
あさの繁華街は面白い。宿泊した観光客がちらほら。
きょうは寒い。はなが10年ぐらい前に北海道に行くとき買ったというダウンジャケットが着られたので、それを着ている。

お習字体験の企画(まっくろくろすけ)のために、9時から京都橘大学書道コースの学生たちが準備をしたいというので、うちらのゼミ生も何人か来るだろうと思って早く来ているのだが、やっぱり、ゼミ生の中ではかなり遠い学生が一番乗りだ。
10時半までには6名がくる(あと、3回生の実行委員のムラタさんとか)。

昨夜からそうなるだろうと予想していたとおり、まず、書道の学生たちの意思統一ができていなかったようで、結局、私たちのゼミ生は早くても11時半ぐらいに入って14時からの企画の説明を聞いて対応するぐらいでよかったようだが、まあ、書道の学生たちはこういうアーツな企画(ましてや双方的なワークショップ!)ことにまったく慣れていない(見たこともない)からいたし方ない。

びっくりしたのは、書道の学生たちが準備を終わって、お食事タイムにみんなで出かけてしまって、会場を無人にしていた、ということで、こういうマネジメント欠如は、うちらの学生たちの反面教師になって、結果的によかったが、外国人が、靴を脱いでお入りください、という表示を見て、入ると、墨をするようになっているので、これは、体験型のコーナーと思って、墨をすりだして、たまたま近くにいたうちらの学生が見つけてびっくりした(もちろん、丁寧にお断りした)という話が面白かった。

これは、失敗例だが、来年度(これがどうも同じように出来るかどうか怪しくなったという話もあっていささか不透明で気になること)にはずいぶん生かせるものでもあるなあ、と学生たちに話す。

帰ると、はながきていて(遠隔地保険証を持ってきたりしてくれる)、一緒に、立川談笑のCDから、「河内山宗俊」と「時そば」を聴く。DVDではないので、かなり耳からの想像力が試される。「河内山宗俊」は、いささか、講談ぽいところ=緊張と、落語的な笑い=緩和の割合が、前者に偏っていることもあるし、時代物なので、固有名詞がなじみないということもあるが、茶坊主の風俗など江戸の側面はあんまり知らないものだなあ(文化政策研究にも関わるのに)と思ったりする。


11/24(水)

朝、落語紙芝居をずっと買っていてちゃんと見ていなかったので、ちゃんと観る。
鷺とりとかは、DVDで枝雀さんの実演もあるので、組合わせることも出来るかも。

二人、卒論指導。一人は、日本の民謡やわらべうたを現代に生かす方策へと論を進めてほしいこと、もう一人とは、フロー理論と限界芸術論との接合の可能性。

TAM研の一番熱心な1回生がチラシを整理してくれていたら、ゼミ選びの男子学生2名がやってくる。どっちもよく顔を知っているいい感じにコメントを書く男子だと直感する。夏休みのアーツボランティアやインターンシップなどについて書いてあったのでその質問など。

お昼休みは学科会議。建築系の科目がかなりすっきりとなりそうでよかった。2012年度に向けた学科専門領域科目の検討などなど。
15時から大学評議会、学部教授会。研究科会議(これは実はとても興味深い内容についてだったが、18時からは生協理事会なので、だまっていた)。

生協理事会では、ずっと言おうと思っていた、受験宿泊の学生委員たちの活動を見直すこと(かつてのような地方入試がないときなどとは事情が違う)、そして、やっぱり、どうも趣旨が伝わっていなかった読書奨励金制度についての議論。


11/25(木)

大阪成蹊大学の授業が終わって、『歓喜の歌』のメイキングを見たあと、74分ということなので、1932〜3の『勝利の朝 Morning Glory』(ローウェル・シャーマン監督)を見る。Morning Gloryとは、朝顔のことのようで、へんちくりんな(たぶん誤訳の)題名。だって、朝じゃないしねえ。

キャサリン・ヘップバーン24歳の、ハリウッド映画デビュー的独り舞台といっていいような、ブロードウェイ・サクセス物語。いやあ、彼女はじめ男優陣もなかなか渋くてうまいし、めちゃめちゃ心に響いた。当時の俳優と支配人、脚本家などの関係にもとても興味を持つ。リメイクの『女優志願』も見たいのだが、どうも手に入らない感じ。

昨夜の生協理事会はとりわけ悔やむことが多く、それでも、読書奨励金を追加募集するときには、もうすこし、ハードルを下げて、学生たちに利用しやすい形に専務もするといってくれたので、一安心。
まあ、ずっと気になりつつ、忙しいからいつか相談に来るだろうとぼくが待っていたのが悪かったのかもしれない。

などと、最近にしては珍しく、こころふさぐことが、書道のことなどはじめあったので、妻にぐちっていたりして、まあ、休みはこの木曜日の11時ぐらいまでだなあ、とか思って、ぼんやりツイッターなどをしていたら、携帯電話が鳴り出す。

何事か!と思ったら、山科区の交通問題検討会が9:30から始まるという電話だった。いまから行くとちょうど終わる頃になるので、悪いけれど、欠席させてもらうことにした。まあ、無断欠席だなあ。このまえも、京都府の文化コンペティションの会議も完全に失念していたが、終わってから、ぼくが謝りのメールを入れたら、そういえば、みえてられませんでしたねえ、ということだった。

もうすこし、あさに、手帖を見る習慣を確立する必要があるなあ。5時には起きているのだから〜〜


11/26(金)

いいお芝居に出会うともう嬉しくて嬉しくてたまらず、いちばん身近な妻を行くように強く薦める仕儀となる。
ただ、ずいぶん前に薦めて二女と一緒にいった清流劇場の舞台はいささかくどすぎた!という感想だったそうで、そこが気になるところだが、今回は、ミュージカル性はより増えているが、テンポもいいし、内容は残酷で自分本位の人間様の本性をえぐるものではあるが、明るさがまた増えているので大丈夫だと太鼓判をとりあえずおしておく。

清流劇場『アクアポリス』大阪市立芸術創造館。19:35〜21:39ぐらい。作・演出:田中孝弥。

韓国から3名の俳優さんが来て、コリア語と日本語が交じり合い、しかもそれの意味が舞台上だけではなく、客席ともキャッチボールしつつ、自治とはなにか、独立とかユートピアとはなんだったかを考え味わい、しばし立ちすくむお芝居。

清流劇場のステージを思いつく言葉を並べると以下のよう
< いい人 牛語と鶏語と人間語 人間様は英語 牛フォン スカイプ アクアポリスは沖縄海洋博覧会の残骸 漂流 島自治 自治と基地と乳 口蹄疫と鳥インフ ルエンザ騒動 乳牛と鶏 黒牛のドンキホーテとサンチョパンサ 食物連鎖 綱引き 鳥の子が牛 米軍基地 沖縄選挙 在日問題 尖閣諸島 ミサイル砲撃 >

お昼は、京都橘大学の授業を平常どおりする。まず、
2限目は、宮澤賢治論である。158名。
1回生の都市環境デザイン学科の必修で東部文化会館への視察があるということで、すこし早く終わり、残りの連中には、「どんぐりと山猫」の絵本(紙芝居)的朗読映像を見せた。ぼくははじめにアニメといってしまって、アニメではないとみんな書いている(笑)。

3限目の政治学概論(22名)は、前に『小説吉田学校』を見せたこともあって、ずいぶん、教科書の理解も進んだようだ。学生も書いていたためが、映画かなにかで、大平正芳か池田勇人が活躍するものが出来たらどんなにいいだろうか、とまた思う(田中角栄を主人公でももちろんいいのだが)。『茜色の空』も出版されたことだし。でも、だれが大平さん役をするのかなあ。

前半、大平正芳の全集1の「素顔の代議士」より、吉田茂、三木武吉(マキャヴェリズム)、そして池田勇人について書いてある文章を読ませた。ぼくも読み方が判らないものとか、意味さえわからないものもあった。たとえば「休戚」(喜憂のことと辞書にあった)。

つまり、p310 「彼(三木武吉)の眼底には魔力的世界の激浪にさおさす弱いヘルプレスな日本国民の休戚が点滅して離れないことであろうと私は解したい。そしてその全精力、全知謀を傾けてその魔力に挑戦することによって同胞を守り抜こう、と彼はもがいているものと解したい。だとすれば彼もまた人の毀誉褒貶のまにまに孤独の境涯をかこつ淋しい人ではあるまいか。」


11/27(土)

昨夜の清流劇場「アクアポリス」のTシャツをセーターの上に着たりして大学へ。
でも、院の授業はるかちゃんだけ。
まあ、電車で話す授業もいいし、アーツバーもまだだというので、急遽学外授業。
甲斐扶佐義さんのお話はなかなか面白いのだが、人があんまり集まらず。でも、いろいろ懐かしい話とか知らなかった話とか。甲斐さんって大分や宮崎北部に多い名前だけど、九州のどこかなあ、とそういうことなども思いつつ。八文字屋さんが元立誠小のすぐ近くなので、ぜひいこうと思う。

昼食を抜かしていたので、宝屋ですましラーメンでも食べようと思っていたら17時まで休んでいて、隣の黒というバーでジャックダニエルの水割り。
ラーメン(850円)を食べて、東山まで歩いて206バス。でも早く着きすぎて、生協の2階でしばし読書。総理の娘。

アトリエ劇研。フランスパンの『あ たりまえな生活』作・演出:伊藤拓。構成&出演でもある。
はじめ、役者さんと一緒に自己紹介ゲームをする。とても面白い。ひとことで自分を言うというのはなかなかむずかしかった。で、そのゲームが最後のほうの役者のインタビューシーンにつながる。

それぞれの居場所でかってなことをしていて、そこに演出家がやってきて、しかも二重の英語話者の伊藤拓二号もいて、アトリエ劇研の中二階を巧妙に使っている。朗読する若い女性、それにコメントする伊藤。なぞの女性は口琴がうまい。

1時間20分前後の舞台だが、やっぱり、途中いささか眠った。でも、眠ってしまっても面白いステージであったと思っている。
最後のシーンはけっこう必然的に出てきていると思わせる まるで奇を衒っていないのに、ダムタイプのS/Nの初期のようなひりひり感を創発させる。
そこがフランスパン、伊藤拓の実力だろうと思った。でも、急激な体重増加は要注意。


11/28(日)

滋賀へ。まず、近江八幡。たまたま、金属(かね)の茶道具展をやっていた八幡酒蔵工房で、かなり昔(ぼくがいまだ役人だったころ)大阪市青年センターでアートマネジメント講座をうけてはった小関さんに再開。ここにきてはったとは!

ボーダレス・アートミュージアムNO-MA。『ミクロとマクロ』最終日。ここでも懐かしい人、前は西宮在住であった中西さんに会う。いい展覧会。とりわけ、ムラギしマナヴが吉田格也と格闘している蔵の映像はここの一つの到達点(いまの時点ではあるが)だなあと嬉しい。

そして、2階の平町公の近江八幡(安土城まで在る!)の俯瞰絵に、専用のスリッパで巨人のように眺めると、そこは、時空が一緒になった不思議な世界。朝鮮通信使の行列が鮮やかで大きく、いまぶっそうな韓半島のことを逆に思ってしまう。ずっと一人でそこにいて、とても幸せな足元から美術体験のひとときだった。

おなじみの冨塚純光作品だが、そこにも、聞き取りの冊子があって、へ〜こういう物語だったのか!としみじみ。書道展ととても共通する雰囲気があるなあ、と改めて思う。蒲江一美のつぶの個性、孫雅由の抑制的な繰り返し。対して上田志保はじめとするアールブリュット作者たちの繰り返しの執拗さの対比などもすこし頭をかすめる。

あわてて、栗東さきらへ。今日も、広場は子供たちでいっぱい。小ホールは販促、中ホールはピアノ教室の発表会。そして〜〜〜
大ホールで、さきらジュニアオーケストラ結成記念第1回定期演奏会(指揮は秋山和慶)へ。やくぺん先生もソウルでルルを鑑賞していたかと思っていたら、わざわざ来られている。ロマンス(ベートーヴェン)が前半にあり玉井菜採がヴァイオリン独奏。

帰り館長と握手。西川さんの奥さんに、後半、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の一楽章の途中から涙がつーってかってに流れてしまって・・・と話す。第2楽章は一つの区切りの葬送曲である。いつのまに管の演奏まで出来たのかと思いつつ、もちろん、多くの課題(伸びしろ)を感じつつ帰る。次の指定管理者も聴いていたようで、これを聴けば止めようとはいわないはず(希望は捨てない!)。


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