こぐれ日録 KOGURE Diary 2010.11/15〜11/21


こぐれ日録719 2010年 11/15〜11/21

11/15(月)

いやあ、観光(外出)分野の福祉人材育成は興味津々だなあと午前中の会議で思った。
新しい委員会出席のため、京都駅前の地域公共人材大学連携オフィスへ。
?旅のお手伝い楽楽さんのお話や彼らがやっている「ユニバーサル観光サポーター体験及び講習会」に話などとても興味深い話も聞けたし、議論も活発にできたようだ。

うちの大学院のこともあって、あれこれまた仕事が増えそうなのが怖いが、ぼくは、地域公共人材開発機構評議員として参加しているわけなので、観光とかユニバーサルデザインとかを専攻されている教員さん、あるいは救急救命などとの連携などの話は大学内でもかなり議論がされることになるだろう。

まあ、私は昔から企画構想段階であれこれいうのがスキだしそっちが向いているのだろうなあ。
京都駅八条口、11:50発の「山科急行」に初乗車。なんと、4回生と二人っきりで、30分、300円の小旅行なり。

3回生ゼミは卒論のための本の選択。
まじめで優秀な学生ほど、現実の厳しさに直面してたじろいている。
小さいときの夢を懐かしみながら。

4回生は卒論の書けたところを4名発表。かなり面白くなってきている。このようなドキドキ感をあと半年ぐらい前に味あわせておけば、かなりの論文になるんだけれどなあ・・・まだ、就活中だったりするのだから仕方がない。
行政法?は、徐々に専門的に。ちょっとすすみすぎたかな?

はながうちの近くの歯医者にいって、親知らずを抜いてもらっていた。
ユーミンや梶芽衣子のCDを聴きながら雑談。あと1ヶ月したら、日本を去るんだなあ・・・

11/16(火)

前の学長にあって、明日はどこですか?ときかれてきょとん。おお、明日は推薦入試だった。地方にはいかないので楽だが。
児童教育学科の先生からチェルノブイリのカレンダーを買う。なかなかいい写真だ(広河隆一さんだものね)。でも、カレンダーを買うと年末な気持ちになるなあ。

ようやく読んだ本は、安田敏『「国語」の近代史〜帝国日本と国語学者たち』(中公新書、2006)。後半はすこし速読。

朝鮮や台湾にように戦前日本の植民地になったところでは、国語(明治の一番大きな文化政策でもあるし、それ以上に国民軍形成、資本主義経済振興の基礎となるもの)を強制的に教え使わそうとし、満州など属国化したところでは、日本語を普及しようとした。

国語と日本語の区別のルーツが日清戦争後、帝国拡張の端緒から徐々にあわられて来る。そして、敗戦後も国体は安泰だったので、その基本的な国語(文化)政策は続いているのだわ・・

3限目、2回生ゼミ。
アーツバー@リッセイのオープニングパーティのBGMのCDを学生が借りに来る。

5限目、都市デザイン論。山科の文化資源として、ようやく、志賀直哉の「山科の記憶」「瑣事」「痴情」などを使うことに。とりあえず、解説文を一緒に読む。この前の大石順教さんとは真逆。宮澤賢治と比較する学生もいた。


11/17(水)

午前中、公募性推薦などの業務。
14時から、コミュニティFMにゼミ生2名が出るということで、あれこれ。
USTREMというものがあって、本当に便利になったね。

帰って、ポルトガルの巨匠といえばいつもでてくる、マノエル・ド・オリヴェイラ監督(脚本)の2001年の映画『家路』(90分、ポルトガル=フランス合作)を観る。

あっけなく終わる。えらいしりきれとんぼやなあ、はじめの舞台はわけなくながいなあ、でもでも、すごくいいなあ、どうしてかなあ、きっと、パリの景色が深いからかもなあ、その主人公の行き続けてきた長さを景色が反映するからかもなあ・・・

老いることの寂しさとそれなりの楽しみ。
いや、老いても行き続けることの覚悟を静かにもらうような映画。
日常にあって、まだ、枯淡ではない70歳台ぐらいの男の一こま。
大きな悲劇はあるが、それをまったく大げさに捕らえない。でも、大きく傷ついているのは確か。
それでもなお彼には実力を伴う舞台役者としての名声と一定の人気、そして、彼自身の矜持と自信が残っている。

新しい靴をパリの街角で買う。とてもお気に入りなので、ずっと足元ばかり意識している(会話のシーンで足だけ映すあたり、なかなかユニーク)、でもあっさりそれをも薬チュウに・・・
あるいは、また。
お気に入りのカフェの椅子。そこをお気に入りにする男もあって。前には自動オルガン。巴里祭。

有名になるだけの俗悪なテレビドラマ(老いらくの恋と暴力サスペンス)には出ない。
でも、ユリシーズなら3日しかないのに、代役でもでようとする舞台役者(ジルベール・ヴァランスをミチェル・ピコリが演じる)の気持ち。そして・・・
孫がわりとクールでしかもちゃんとおじいちゃんを見ている。
そして、お手伝いさんはちょっとしかうつらないのだが・・・

その前に、CDで立川談笑の「シシカバブ問答」と青森(津軽)弁が心地よい「金明竹」を聴く。耳に意味ではなく音(楽)になることが、映像がないのでよりよくわかる。


11/18(木)

のんびりな木曜日(のはずだった!)
いつものようにでかける。
カバンのなかは昨日から読みかけた山田太一『岸辺のアルバム』(角川文庫、1982年)ももう読み終わりそう。1977年のTV家族劇(ホームドラマで崩壊するもののはじまり)の原作。東京新聞に連載したものだったそうだ。ほー。
DVDがなく、当時の視聴の記憶があいまい(早春スケッチブックはクリアなのだが)。死体輸入のエピソードは変更させられたそうだ・・

と、京橋っていうアナウンス。げげげ
京都は、四条駅にいかなくちゃいけないのに、大阪方面。慌てて京橋から大阪、駅を走って走って長岡京へ。タクシーは使ったが無事授業には間に合った。近大に行く前期の木曜日感覚になってしまった模様。

アーツマネジメントの定義の復習から、ファンドレイジング、オーディエンスディベロップメント、コモンネットワーキングへ。明日からのアーツバーに出展している受講生がいた。2階だと云うKS君。

同大への授業の前に、宮藤官九郎監督脚本『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005、124分)を視聴。あまりにしりあがり寿さんの原作が素晴らしすぎるということがあるとしても、かなりの質の落差あり。


11/19(金)

原恵一研究。
これは、木下恵介だけでは遠いようなので、山田太一を補助線にして、家族ドラマ表現論としようと、『岸辺のアルバム』を読みながら思う、来年度シラバス検討でもあるし。

原恵一監督の『カラフル』はいつDVD化されるのかな。河童のクゥちゃんをメインにするのもいいし(妖怪論が超自然的存在論としてのアーツ・宗教など文化術の起源への事例になる)、カラフルを使って、東京ソナタ(黒沢清論)と照合するのも面白い。黒沢清論は1回生にはもったいないので、どこかでしてもいいな。アーツ演習?とか、なんかないかな。前は無理やり、政治学概論?で見せたが、あれは無理があった(笑)。

2限目の社会文化論のために、宮沢賢治『春と修羅』の序から一番前のほうの詩を10数編ピックアップし印刷して、一緒に音読する。160名(10名以上前回より減った)。

できれば、詩歌としての朗読会にしたいのだが、声を出して読むことだけで学生は精一杯(読み方も判らないし)、でも、実際、順番で声を出して読んだ受講生たちは、それなりに詩歌のある本質的なもの、リズムや感官の言葉化ということに関することを感じているようだし、こういう授業の形は今年の成果なのかも知れない。

宮澤賢治の詩を一緒に読んでいて、突然、「海胆」が出てきて(序のところだった)、ウニだよと教えたが、あとで、雲丹(ウニの料理としてこの字を普通使うようだ)との違いを説明してみると面白かっただろうな、と気づく。たぶん賢治は、とげに覆われたあのウニの形を海胆としてイメージしたかも知れないので・・・

3限目は、映画『小説吉田学校』のDVD鑑賞の後半。
国内政治であるし、派閥抗争であり、なんか、晩年は吉田茂さんだって惨めな感じにどうしても映る。でも、引退しても力を持っていたし、やっぱりすごいのかもなあ。夏目雅子さんにうるうる。21名。

出席簿をつけて、元立誠小学校へ。
京都学生芸術作品展アーツバーの初日である。
17時半到着。京都橘大学の書道コースの学生たちが受付。展示は講堂のそばの書道の教室と、受付すぐの成安造形大の教室(クッションがあったので休憩室かと錯覚した)のみをみただけで、講堂のオープニングパーティ会場へ。準備は完了していて、受付が大変だったり、あれこれあったが、100名以上の参加もあったし、表彰というすこし緊張することもあったので、いいパーティになったようで安心した。
ゼミ生3名も大活躍。すぐに来年度はどうなるか、と思ってしまうが、まだ始まったばかりだった。

帰り3人と一緒にバーに行こうと思ったが近くのお店がよく判らず。京都市役所の横にあって、まえ家族でいったレコードを奥で売っているカフェバーみたいなところまで行く。ジャポニカとかいうカフェバーだった。ちょうどソファーが4つあいていて、ボジョレヌーボーで乾杯。あと、ジャックダニエルのダブルのロック。それから、地ビールを2本。すこし飲みすぎかもなあ。


11/20(土)

朝、二つ文章を作って、元立誠小学校へアーツバーを使った授業のためでかける。以下。二つの文章。
京都学生芸術作品展@元立誠小学校での演習要領
2010.11.19 京都橘大学アーツ演習? kogure nobuo
1) 作品・展示風景鑑賞
すべての部屋を丹念に見ること。
できれば、担当の作者さんなどと会話して、すこし、アーツについてのコミュニケーションを試みる
一つ、お奨めの部屋を決めて、そこについては、より丹念にしつつ、作品と展示の感想出席票に書く。

最後にアンケートを書いて出すのも課題で、そこに、オーディエンス賞があるので、それも書くこと(そのために丹念に視る)

2) 元立誠小学校の風景などの観察
展示場所(アーツプレース)としての元立誠小学校のよさと課題を考え、携帯で撮影したり、メモったりする。 また、自分だったらどんなことをするかについても、アイディアが出たら書くこと。
これは、出席票の裏に書くが、足りなかったら、渡す。

3) アーツバー@リッセイのブログ原稿を携帯で書いて送る
学生マネジメント委員会が解説しているブログにアップするレビュー(写真もいいが、作品はアップで写さないこと)を携帯電話などで書いて、担当のモチダさんにメールする。

元立誠小学校の風景などの観察(2))のことを中心に(もちろん、ざっくりした展示物の感想もあってもいいが、主に、アーツマネジメントとしての観察とか感想、提案など)書く。
そんなに多くなくていい。

改行などは、モチダさんたちに任せて、10行ぐらい(もっと短くても長くてもいい)、いつもの気楽な口調で書く。写真も問題ないもの(著作権と肖像権があるので)を送る。

4)マネジメント業務
受付の補助をしたり、場内の監視をする。
入口で案内(ちらし配り)。
飲食喫煙、写真撮影における注意事項。
その他、マネジメントの補助作業とか、アンケートの説明回収など適宜対応すること
90分ほど。
・・・・・・・・
生協へようこそ  2011
  
生協って古い感じがするかも知れません。たしかに、石炭が一番のエネルギー源だったような時代からですからね。でもその頃からずっと自分たちのことは自分たちで支え合おう、協働して、身体にいい食事・心豊かな暮らしを作っていこうと活動しています。
京都橘もその心をうけつぎ、みなさんを一緒にプレーできる大事なメンバーとして歓迎したいと思います。さらに、やらねばと思いつつ、しんどいから・・というときのサポートにも挑戦しています。
たとえば朝食を取ること。これは、クリスタルカフェにて100円朝食としてみなさんの利用を待っています。最近はじめたのは、読書奨励金制度。これは、読みたい本を自分の研究や学修のためなら、どーんと支援しようというものです。
まだまだ、PRしたいことはありますが、情報はそのつどお店に掲示したり、HPにアップしたりするので、生協情報を一杯ゲットし、みなさんの生協、共に創る生協にしてください。

京都橘学園生協理事長 小暮宣雄
  ・・・・・・
さて、アーツ演習?だが、20名の参加。遅れて一人追加。
予想以上に反応がよかった。同じ京都などの学生のアーツ作品だということもあるし、「まちつかい」の典型例として、閉校になった小学校が臨時的なアーツプレースとして活用されているということがヒットしたようである(立誠小は1993年に閉校。歴史は明治2年にさかのぼり、現在ある校舎は1928年のもの。明倫小の建物より旧い)。

猫が屋根で昼寝。龍馬観光のグループやら、旧い図版の後を巡る歴史ツアーとかが通り過ぎる。
50名ほどは、通りすがりの人たちを、展覧会にいざなえたかも知れない。それも、学生の重要な授業だという演習風景であった。

ブログの記事も実行委員長もモチダさんあてに送るということも課題にしている。さて、入場者数だけではなく、さまざまないままで来なかった層に届くこと、大小さまざまなメディア(個人ブログやツイッターも含めて)に登場することが目標なので、それを28日まで持続できればいいなあと思っている。

ちなみに、18時までで帰ったが、そのとき、198名の入場者だった(もちろん関係者はカウントしていない)。たまたまだが、昨日のアーツバーブログ閲覧者が198名でかなり伸びていると報告があっていた。

ぼくが対応したちょっと困った予想外のことは、知的障碍のある若い男性が、さっと入ってきて、若い女性とだけに握手しまくるという出来事だった。ぼくはずっと彼のあとを追いかけ、うまく退場させれてほっとしたわけだが・・・彼はここをよく知っているようで、ひょっとしたら、立誠の卒業生かも知れないし、名物男性かも知れない。女性も、もう握手したよとうまくいなしていて、さすがアーツをやっている学生などだなあと安心。

ハワード・ホークス監督『赤ちゃん教育』101分。キャサリン・ヘプバーンを観たくなって買った500円DVD。公開が1938年というから、『素晴らしき休日』と同じ年の作品。
「スクリューボール・コメディ」っていうのだったね、なるほど。自分勝手で勝気なキャサリンの役は、『素晴らしき休日』とも通じるものがあって、しかも、笑えて仕方がない。相手役も、ケイリー・グラント。どこかぼんやりしたところが、漫才のコンビのようである。

自然史博物館への寄付という話がアメリカらしいし、そのための弁護士の存在が大きいことも見ていて面白いこと。豹が二頭。こういう動物を使った映画ってけっこう人気があったのかも知れない。視ていて、疲れたのか、足がツッタ。


11/21(日)

行政法?の授業が、この前、卒研の発表でつぶれたこともあり、京都府庁を見ることで、行政(地域)の現場に親しんでもらおうという主要な意図で、旧本館を開館している秋のシーズンの最終日、午前中、学生たちと、暖かい晩秋の京都を味わう。

歴史学科の学生が多いということもあるが、府庁はとても興味深いようでよかった。結婚式も3組すでにあげたそうだ。パーティが出来ない(飲食も出来ないし、火も使えない)のが難点だが。

そのあと、すじ肉のカレーうどんセットに満腹すぎるぐらいになりながら、四条ストリートギャラリーを探す。はじめなかなかわからなかった。
そのあと、元立誠小学校へ。警察隊が出てきて、防犯なのかな、そういうまちのパレード現場をたまたま見た。近くの校長先生もいらっしゃったので、23日のお習字ワークショップのチラシを託す。ただ、4名しか参加者いなかったのが、ようやく、12名になったそうで(京都橘大学の課長さんなどが尽力してくれたそうだ)、よかった。

昨日の来場者は215名。200名を超えてよかったし、じっくり見てもらっているので、鑑賞の質的には去年までよりもよくなっているはずだが、量的な評価もどうしてもされることもあるだろうから、チラシ巻きを今日もすこしする。昨日はしすぎて足をつったので控えめに。でも、ムラタさんとしていたが、道を聞かれたり、さまざまな体験を学生が出来るのが、こういうまちなかアーツの面白さ。すこし、体験的にわかってきているようで、よかったとも思っている。

そこから、京都芸術センターへ。
はじめて、コンタクトゴンゾーのパフォーマンスを満喫する。
今日は、京都市内の明治、昭和の建造物三昧でもあったな。


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