こぐれ日録 KOGURE Diary 2002.8



168) 8/9〜8/11


8/9(金)

【日録ソネット*6 20020809 現音採集現場に耳合わせ】

草にスプレーして客席に置いたり封筒をはさみで開けて中の紙をびりびりやぶるこ
とがどうしてコンサートなのと思い始めたらもう着地点を持たない山本精一策士の
術中にはまっているのじゃろう階段の下に落ちる音へと耳が離脱して戻らない黄昏

ギャラリーだった小さな倉庫空間は風がとおらないHacoの家なのだからステレオ・
バグスコープによるマックノートパソコンの診断で音は踊るは目も踊らされるは現
音採集観察学会においてどうして客席はあんなに照らされていたのか古い吉本的ギ
ャグを交換する大阪市関係者の広い額の玉の汗自分のシャツ内の汗の音も観察する

無料の氷水を用意しました思いっきりサウナなので観察者たちが卒倒しないように
ビューマスターズの周辺サービス即座の対応が実に素敵なのでねえねえこれが大阪
市役所の事業なんて信じられないでしょうというぼくはまた自画自賛なのだけれど

古田マリ改め恵良真理は陰の中で待っていた扇風機が回って新聞紙がひらひら音を
立てている電子音がもうなんね携帯電話と思うがいまどきあんな電子音の着メロは
ない彼女がシンバルを弓で擦る音が風になびいて漂い始めると墨絵のように音が滲
み夜風に流れていくそういえば山本精一のカリンバは隅に置き忘れていなかったか

小島剛さんが、小学校じゃないんだから(ベルも鳴らないから自分でちゃんと休憩は終わったとおもってくださいね)と乾さんやぼくに言うのがおかしい。築港赤レンガ倉庫の間を抜ける風はとても涼しくてどうしても倉庫のなかには入りたくない気分なのだ。それでも閉まっていたときに入ったがそのむっとした倉庫の中にへばりつく空気の臭いは胸をあっぱくしてこれもなかなかの迫力であって古い施設を改造しないときしか味わえない倉庫物品と倉庫労働者の臭いの堆積物なのである。

この『ビューマスターズ・現音採集観察学会』はレクチャーやサウンド・スポッティング(路上音観察)のワークショップ(音を聴き録る)も含まれていて、なかなかに意欲的な企画である。コンサートはどちらかというと淡白で墨絵のように味わいをあとに残すものだった。

Design:MGX、PA:工藤聡史(ワンボイス)、記録:NPO法人記録と表現とメディアのための組織(NPOremo/record,expression and medium-organization)。

今日のスキルアップ講座は金武創さん。海外の例や最新の分類などを駆使しながら、山科再開発の現場でその運営者であるホテルの支配人とスポーツ施設の人の話も混ぜて若々しくトークした。織田さんだけでなく金武さんもマイクいらないいい声だ(ぼくはマイクあってもはーはーいうのに)。

経験経済という考え方をもっと多くの理論図式と絡ませていくとより面白いことが生まれそうだし、昨日の織田さん流のまちづくりを自分の世界像(グローバル化に晒されるボランタリー経済)のなかに位置付けたりしたのも分かりやすくしてよかったと思う。端さんの「文化開発」は彼が紹介した2つの文化開発(文化を道具にして経済価値を高める都市開発と文化自身の開発)の後者なのだろうが、いろいろと海外の考えと比較するのもこれからの課題だと思う(ので金武さんよろしくね)。

8/10(土)

【日録ソネット* 20020810 ビデオDJ的講義をめざしたが】

ダンスボックスコンテンポラリーダンスもりみかよはなあらしやましたざん
すずかけ作業所可能性の芸術 劇団態変中尾悦子小泉ゆうすけの花嫁デュオ
蒼い心たちのジャンプと顔面舞踏的変形に注意向けてもただ没入するみんな

限界技術を生むOSである先端芸術についての説明はいまもまだ難しく
さらにはユニバーサルデザインの文化政策的模式化だからよりドツボ

でもビデオのきむらとしろうじんじんCAP HOUSE野点にこころ安らぎ
関西女性アーティストファイル假奈代よろめきつきふちがみとふなと
ふるまやひさこいけだあきこノマドに回文せっけん人形木漏れ日つき

昼休みのBGVはうまくはいかなかったけれどドキュメント2000のおかげで
生まれたアートデリバリーの老人ホームでの美術家ワークショップ
の深く続く声と ようこそ先輩になった巻上公一の母校に
学ぶこどもたち宇宙語への声=自由化ステップ
そして95年スキヤキ世界音楽ヘリオス
福野ブライアン施設訪問記

この文化政策担当者のためのスキルアップ講座も最終日になり、今日などぼくのレクチャーでどんなスキルを授けたのか怪しいのだけれど、最後の2分間スピーチ「自分なりの文化デザインへ」は大幅に時間が延び(14時半から17時すぎになり)、クレバーな受講生が批評をしてくれたとおり(最終日は時間通り終わるもの)、こんなに自分の声をもっている方々が参加されるのであれば、1日ぐらい増やすか9時半ぐらいから始めて最後のスピーチは午後全部ぐらいをとればよかったと反省しつつ。でもみんなの発表を聴くのがほんとうに楽しく、できるだけ話の腰を折らないように気をつけたぼくがいた。

明日も出てこようと思っていた埋め草のための14000字原稿づくりを何とかそのあと続けて昨夜から(徹夜というほどでもないが)今日1日で完了する。まあそれもあって講義のときにしゃべりながら体が浮き出しそうになったが、ビデオを数珠繋ぎにしたことで浮遊せずにすんだようだ。いずれにせよ帰りの発泡酒はかなり効いてぐらぐらしつつやわたにたどりつく。

8/11(日)

【日録ソネット* 20020811 京都芸術センター激励訪問】

インターンシップしている学生を激励訪問するという風習があるというだから
高島屋で数多く単価は高ない菓子折買って(こんな古風な儀式もやってみて)

いそいそいしのにあいにいくあいにくきょうはしごとはあんまりないようでは
あるがきのうは受付おとといは井上信太羊飼いプロジェクトお茶会に参加もさ
せてもらってほんとにお世話になります 羊の形の羊羹お抹茶残りも楽しそう

京都芸術センターはいつもなにかがあるからその点はインターンシップは楽だ
けれど山下さんに言わせればここの豊富な活動情報が大阪へんにはなかなかに
伝わらずに残念ということもあるというのは確かにそうで逆にぼくなど行こう
行こうと壁に貼り付けたソウルスタイルがいつもいけると思いながらいつも行
けず まあもったいないと民博の気合い入り一家丸ごと展覧会を話してくれる

草原と
通天閣と
行き来した
羊はいまは金ちゃんの上

京都芸術センター主催夏休み企画 project:02-26〜アートはうごく・はしる!〜現代美術編。ギャラリー南★ネブラ・サーキット/中西學、ギャラリー北★トラベリング:羊飼いプロジェクト2002/井上信太。


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